第139話 【BLACK EDGE 其の139 魔術について】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第139話
【BLACK EDGE 其の139 魔術について】
死人からの襲撃を耐えたブラッド達は玄関で傷を負ったイエティの手当てをしていた。
イエティは剣を持った死人の攻撃からクリスを守るために、二人の間に入り盾になった。それにより背中を切られて怪我を負ってしまったのだ。
「見せてください……」
フェアがイエティに近づくと、傷を見せてもらう。イエティの傷は深く。今は激しく動けない状態だ。
フェアは手を傷の方に向けると力を使う。フェアの手が光だし、その光で傷を照らす。
するとイエティの傷は塞がっていく。
「…………これは……」
それを見ているクリスが驚いた。そんな驚いているクリスにブラッドは説明する。
「これがフェアの龍の力だ。俺とは違い、フェアにあってる優しい力だろ」
ブラッドは自慢げに言った。
ブラッドの説明を聞いたクリスは納得していない部分もあるようだが、反論はしない。
今度はブラッドが質問した。
「てか、お前は俺たちが龍の適応者って知ってたんなら、こういうことも出来ること知ってたんじゃないか?」
だが、クリスは首を横に振った。
「私の力は万能じゃないからな。特殊な目であらゆる可能性を見ることができる。それだけなんだ……」
「あらゆる可能性? そうだ。お前の魔術はなんなんだ。未来が見れたり、核の場所を調べたり……?」
魔術は龍の力とは違う。
そして何人もの術師と戦ってきたブラッドには、クリスの力が少し他のものとは違うもののように感じていた。
するとクリスはイエティの治療中がまだかかると思って、階段に腰をかけて座った。
「私の力は魔術の中でも異質だ。だからアリエルに狙われてる」
「そうだ。あの紙についても気になるんだ。なんだったのか、アリエルについても…………」
「質問は一つずつにしてくれないか?」
「あ、ああ、すまん」
ブラッドもクリスの隣に座った。
「まず魔術について教えよう。君たちはどこまで知っている?」
「俺は全く知らない。グリモワールの幹部が使っているということしか……」
「そうか、ならまずそこからだな。魔術は人の核。魂みたいなものだ。そこにある力だ。それを引き出すためにある儀式を行う」
「儀式?」
「そう、その儀式を行うことでその核にある力を引き出すことができるようになる」
ブラッドは自分の手を見る。
「俺にも出来るってことか?」
「出来はする。だが、おすすめはできない。あまり便利なものじゃないからな」