第134話 【BLACK EDGE 其の134 核のある部屋へ】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第134話
【BLACK EDGE 其の134 核のある部屋へ】
ブラッドとフェア、そしてイエティが死人と戦い、クリスが能力を使う時間を稼ぐ。
そして数秒後、ついに能力が完了した。
「見つけた……」
クリスはそう言うと二階を指差す。
「二階の奥にある部屋。そこに格がある!」
クリスの力により核のある場所が分かった。これで核を破壊することができる。
ブラッド達は早速二階への階段を登り、核のある部屋を目指そうとする。しかし、その時、
「っ!?」
一匹の死人が凄い速さで近づいてきて、クリスに向かって剣を振り下ろしてきた。
イエティはクリスを庇うように大きな背中を縦にして、その剣を防ぐ。
「イエティ!!」
クリスはイエティに守られたことで無事であったが、イエティの傷は深く血を流しながら肘をついた。
ブラッドはイエティが攻撃されたのに気づくと、素早く移動してその攻撃を仕掛けてきた死人に向かって殴りかかる。
だが、その死人の移動速度は早く。ブラッドの攻撃は躱されてしまった。
「なんだあいつ…………他のと明らかに違う。……早いし、武器を持ってる……」
だが、言葉も発することもないし、見た目も他の死人と変わりはない。違うのは戦闘能力だけだ。
クリスは庇ってくれたイエティに近づき、傷を見る。イエティのダメージは大きいようで息も荒くなっている。
動こうとするがイエティは立ち上がると、すぐにふらついて倒れてしまう。
「無理をするな。イエティ」
しかし、この間にも死人達は増えて、集まってきている。
このままでは囲まれてしまう。
「龍の適応者、君たちに頼みがある」
イエティの傷を見たクリスはブラッド達の方には目を向けず、背を向けて頼む。
「核を破壊してきてくれ」
イエティはダメージにより今は動くことができない。しかし、イエティをこのまま放置しておくことはクリスにはできなかった。
もしもここで置いていけば、イエティは死人に囲まれてやられてしまう。だからブラッド達に頼んだのだ。核の破壊を。
核を破壊すれば、死人達は消滅する。だからそれまでイエティを守り切ることをクリスは選択した。
「今傷を!」
フェアはイエティの傷を治そうと向かおうとするが、さっきの剣を持った死人に邪魔される。
死人が立ち塞がって向かうことができない。
「分かった。すぐに戻る。フェア行くぞ!」
「でも……」
「今は敵に邪魔される。なら核を急いで破壊して戻ってくるしかない」




