第133話 【BLACK EDGE 其の133 核を探せ】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第133話
【BLACK EDGE 其の133 核を探せ】
「さて、この広い屋敷でどうやって核を見つけるか……」
ブラッドは屋敷を見渡しながら言う。
この屋敷は巨大であり、死人も次々と増えている。そんな中を探し回るなんてかなり大変だ。
「そうね。私の力を使うとしましょうか」
そう言うとクリスは水晶を取り出した。
「未来を見るの?」
フェアが聞くとクリスは首を振る。
「未来もは少し違う。特定のものの場所を探し出すの……」
そしてクリスは水晶とは別にもう一つ小さな瓶を取り出した。指二本程度の大きさの瓶で中には赤い液体が入っている。
「なんだそれは?」
それを見たブラッドが不思議に思う。
「血よ」
クリスはそう答えると、その瓶を開けて中に入っている血を飲む。
その様子を見たブラッドとフェアの表情は固まった。血だと言った赤い液体を飲んだのだ。驚かないはずがない。
「血を……飲んだ…………」
そして血を飲み込んだクリスの身体からゆげのようなオーラが漏れ出す。龍の力とはまた違う、だが、なんらかの力……。
クリスは手を広げてそのオーラを全身に流して巡らせる。
「あなた達、時間を稼ぎなさい」
そんな中でも死人達は襲ってくる。
「え、今なんて……」
血を飲んだクリスに驚いたブラッド達は反応に遅れてしまったが、死人達はクリス二階からクリスを襲うように飛び降りてくる。
イエティはクリスの指示通り、襲ってくる死人達を腕を振って一掃した。
イエティの一撃で二階から飛び降りてきていた死人は吹っ飛んで玄関の方で転がる。
だが、それだけでは終わらない。廊下から次々と死人達が向かってくる。イエティは猪のように突撃して、腕を振って死人達を吹き飛ばしながら暴れ回る。
しかし、イエティだけでは死人の量が多く、このままではクリスを守り切ることはできない。
「……わーたよ」
それを見たブラッドもイエティの援護をする。
イエティとは反対側の廊下からやってくる敵を対処する。
フェアも剣でブラッドの隣に行って、襲いかかってくる死人と戦おうとしている。
今までは戦闘には参加しようともフェアが、今回は頑張っている。
「どれくらい時間を稼げば良い?」
ブラッドはクリスに聞く。すると、クリスは答える。
「三十秒だけ時間が必要よ。それまで稼ぎなさい」
「ああ、任せとけ! やるぞ、フェア!!」
ブラッドとフェア、そしてイエティがクリスを守って玄関にある中央広場で戦った。