第131話 【BLACK EDGE 其の131 死人の攻略法】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第131話
【BLACK EDGE 其の131 死人の攻略法】
ブラッドはフェアを助けると、今度は強く拳を握った。
フェアは子供達を助けるためにここまできた。だからこそ、こんなところで終わるわけにはいかない。だから剣を抜いたんだ。
そんな姿を見せられたら、俺も覚悟を決めなければ!!
敵がどんな存在か分からない。だが、こんなところで躓けない。
ブラッドの右腕から黒いオーラが漏れ出す。
それを見たフェアも剣を強く握りしめる。
「ブラッド、私もやる!!」
「ああ、ここを乗り越えるぞ」
ブラッドとフェアは死人と戦闘を開始した。
ブラッドは龍の力を使い、強化した身体で死人を殴りつける。通常の拳での攻撃と違い、強化された攻撃は普通の人間よりも強度の脆い死人の身体を貫く。
フェアも死人の腕を中心に狙いながらどんどん攻撃していく。
さっきまでの光景とは違い、死人を倒し始めた二人を見て、クリスは安心しながら戦闘を続けた。
しかし、死人の数は減ることはなく。次々と魔法陣の中から現れる。
「また増えやがった。どうすればいいんだ……」
ブラッドは増えていく死人を見て疲れたように言った。
そんなブラッドにクリスは答える。
「おそらくこの術には核がある。その核を破壊すればこの攻撃を止められるかもしれない」
「術の核だと?」
「さっき私が触れた紙あったでしょ?」
それはアリエルからクリステルに渡せと言われていた紙だ。
それを渡した瞬間、その紙は青い炎に包まれて消えて、屋敷が屋敷が揺れ巨大な雲に覆われた。そして死人達が現れたのだ。
「その紙がどうしたんだ?」
ブラッドは死人の攻撃を躱しながら聞く。
「あれがこの術の核。おそらくあの炎に包まれてこの屋敷のどこかに隠されてる。それを見つけて破壊すれば、この攻撃は収まるはずよ」
「ということはまず…………」
ブラッドは死人を殴り飛ばした後、部屋の入り口の方を見る。
「この部屋から脱出しないといけないってことだな……」
「そういうこと……」
入り口の前には大量の死人が待ち構えている。簡単には通す気はないようだ。
ブラッドは右手に力をためる。
「俺が道を開く。その隙に行くぞ」
そして黒いオーラを右手に集めると、それを入り口付近で待ち構える死人達に放つ。
そのオーラは龍の顔になり、死人達を吹き飛ばした。
「フェア、掴まれ」
ブラッドはフェアに手を伸ばす。フェアが手を掴むとフェアを引っ張って扉へと向かった。
それを追いかけてクリスも扉へと向かう。
そして客室を脱出して廊下に出たのだが……。