第130話 【BLACK EDGE 其の130 覚悟】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第130話
【BLACK EDGE 其の130 覚悟】
次々と襲いかかってくる死人。それらをクリスは爪で切り裂き倒して行く。ブラッドは死人を殴り飛ばすことはするが、人間のような見た目をしていることから攻撃に手加減をしてしまっていた。
そしてフェアを庇いながらもブラッドは死人の動きを封じることはできず、次々と襲いかかってくる死人に苦戦をしていた。
「くそ、どうしろってんだ……」
ブラッドは襲ってくる死人を殴り飛ばす。だが、死人にはダメージはなくすぐに立ち上がってきた。
そんなブラッドの様子を見てクリスが言う。
「おい、何をしている」
クリスはブラッド達に襲いかかってくる死人の数を減らすために、ブラッド達のそばにいる敵も一緒に倒し始めた。
「まさか、こいつらへの攻撃を戸惑っているのか?」
クリスは死人を倒しながらブラッドに聞いた。ブラッドは答えることはないが、死人を倒すことができていないということはそういうことだろう。
それにブラッドが一人で戦うのならまだしも、フェアを守りながら戦っている。今のところはまだどうにか対抗できているが、いつやられてしまうか分からない状況だ。
クリスは死人を倒しているが、数が多くなかなか減らせない。
「…………このままではまずいな」
今の状況ではクリスが一人で戦っているような状況だ。このままではブラッドだけではなくクリスも危険である。
そしてついにブラッドもフェアを庇って死人に捕まってしまう。一人に腕を掴まれて、それから連鎖的にブラッドへと死人が動きを封じようと掴んでくる。
「……くっ」
死人の動きは遅いし単調だ。連携も完璧とはいえない。だが、この数の攻撃ではブラッドでも避けきれなかった。
ブラッドを掴んでいる死人がブラッドの腕をかじる。
「ぐぁぁ」
通常の人間と同じ程度の噛みつき攻撃だ。しかし、もしもこれを急所にやられれば、殺されてしまう。
ブラッドはここまでかと諦めかけた時。
ブラッドのことを掴んでいた死人の腕が一つ切り落とされた。
「ブラッド!!」
それは剣を持ったフェア。ブラッドに守られ続けていたフェアが剣を抜いて、ブラッドを拘束していた死人の腕を切り落としたのだ。
「フェア、お前……」
「今助けるから!!」
フェアは小さな身体で剣を振り、死人の腕を切っていく。
だが、フェアはすぐに死人に捕まってしまう。
フェアが剣を抜いてまで、頑張ってくれたんだ。ここで諦めるわけにはいかない。
ブラッドは死人を振り払うと、フェアを捕まえた死人を殴り飛ばす。そしてフェアを救出した。