第128話 【BLACK EDGE 其の128 屋敷の襲撃者】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第128話
【BLACK EDGE 其の128 屋敷の襲撃者】
「………………何も書いてない。……いや、違う!! 伏せて!!」
次の瞬間、屋形が大きく揺れる。それはまるで爆発があったかのような大きな揺れだ。だが、その揺れは一瞬でありすぐに収まった。
「何が起きてるんだ……」
フェアを庇っていたブラッドがクリスの方を見ると、クリスの持っていた紙は青い炎に包まれて燃えていく。そして紙は跡形もなく消滅した。
「どういうことだ」
ブラッドがクリスに聞くと、クリスは答える。
「おそらくこの紙は私が触れれば発動されるようになっていた。今の揺れは奴らが召喚された影響で起きたもの、本番はこれからよ」
クリスは残っていた紅茶を飲み干すと、テーブルに置いた。
それと同時に、窓の外が暗くなる。突然雲が出てきたみたいで太陽が隠れたみたいだ。
「なんだ?」
不穏な空気が流れ出す。そして部屋の床の至る所に黒い模様が浮かび出す。それは丸い陣になんなかの文字が大量に描かれているものだ。まるで魔法陣のような……。
その魔法陣からビリビリと紫色の小さな電気が放たれると、その魔法陣の中から人の手が出てくる。
その人の手は真っ黒であり、普通の人間とは思えないような色をしている。
そんな手が床を掴むと、魔法陣から這い出るように力を入れる。そして魔法陣から顔を出す。
その人間の目は白目剥いており、口は裂けている。そんな人間が魔法陣の中から次々と出てくるのだ。
「何こいつら!」
フェアは怯えてブラッドの後ろに隠れる。だが、部屋の中央にあるテーブルを囲むように現れた魔法陣は、逃げ場をなくすようにそんな人間を出した。
「クリス、説明しろ」
ブラッドはクリスに説明を求める。
「奴らは死人。…………アリエルの差し向けた刺客ということだ」
クリスはそう言うと戦闘体制になる。鋭い爪を立てて、引っかきで攻撃するような体制だ。
ブラッド達を囲むように現れた死人は、素手でブラッドを殴るように襲いかかる。
「危ねぇ」
ブラッドは死人の攻撃を避けると、反撃で死人を殴る。
死人はブラッドの攻撃で吹っ飛ばされるが、壁にぶつかったあとすぐに立ち上がり、攻撃の順番を待つように待機している。
全く効いている感じはない。
「なんだと……」
「こいつらは死人だ。そんな攻撃じゃ倒せない」
襲ってくる死人の攻撃を華麗に避けるクリス。
「じゃあ、どうしろって…………」
ブラッドがそう聞くと、クリスは飛び上がる。
「こうやるのよ」