第127話 【BLACK EDGE 其の127 クリステルとアリエル】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第127話
【BLACK EDGE 其の127 クリステルとアリエル】
「彼女は私を狙ってる。いえ、正確には私の力、魔術を狙っている。彼女の新しい魔導書に加えるためにね」
その言葉を聞いたブラッドとフェアは理解できず固まってしまう。
アリエルはこの屋敷に行けば子供達の行方がわかると言っていた。そのためにここに来たのだ。
だが、アリエルがクリステルを狙っている? どういうことなのかわからない。
それに魔導書に加えるというのも分からない。
クリステルと魔導書に何の繋がりがあるのだろうか。
そんな中、クリスは立ち上がる。そしてイエティに屋敷を警戒体制にするように伝える。
イエティはクリスの言葉を聞くとすぐに部屋を出ていき、どこかに向かっていってしまった。
そしてイエティが出て行ったあと、クリスはブラッドとフェアの方を向く。
「これからさっき見せた未来が現実のものになる。死にたくないなら戦いなさい」
クリスはそう言ったあと、何かを出せというように手を差し伸ばす。
ブラッドとフェアはわからずに顔を合わせるが、そんな二人にクリスは手を突き出したまま
「アリエルから何か受け取っているはずよ。それが今回の事件のキーになってる。早く出しなさい」
と言ってきた。
アリエルから受け取っているもの。二人はそれを聞いてあるものを思い出した。
それはアリエルからこの屋敷に住む者に渡せと言われた紙切れだ。
何も書いていない紙切れだが、それがあの水晶に映っていた光景の引き金になるのか?
ブラッドは戸惑う。
本当にクリステルがこの屋敷の人間なのかもわからない。ならば、あの紙を本当に渡すべきなのか。
もしもクリステルがグリモワールの関係者なら、この紙を渡したことで不利益が起こるかもしれない。
しかし、そんなブラッドにフェアは、
「渡して……」
と告げる。
「いや、いいのか。こいつか敵なのか、まだ…………」
ブラッドはまだ戸惑っていたが、フェアは首を振る。
「クリスさんは敵じゃないって言ってた。なら、今は信用しよ。それに何かあっても取り返せばいい」
それを聞いたブラッドも覚悟を決める。
そしてポケットの中からアリエルから貰った紙を取り出した。
「それがアリエルに渡されたものか……」
クリスはブラッドから奪い取る。そしてその紙を広げた。
そして紙を広げた。
「………………何も書いてない。……いや、違う!! 伏せて!!」
次の瞬間、屋形が大きく揺れる。そしてクリスが受け取った紙は青い炎に包まれて燃えて消えた。