第112話 【BLACK EDGE 其の112 雪山のダレオ】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第112話
【BLACK EDGE 其の112 雪山のダレオ】
ブラッドとフェアが中に入ると、老人が倒れておりその上にロデーがいた。
「ダレオさん!!」
ブラッドはその老人に駆け寄る。すると笑顔で顔を舐められる老人がいた。
「おー、よしよし、久しぶりだな。ロデー」
かなりロデーに好かれているようだ。
「ダレオさん?」
ブラッドが呼ぶとダレオはキリッと目つきを変えて、鬼のような形相でこちらをみてきた。
「なんだお前は」
「さっきから呼びかけてたんですが…………」
「ふん、お前らみたいな。借金取りに返す金はない!!」
ダレオはそう言うとそっぽを向く。
借金取り? なんのことを言っているのだろうか。
「いや、俺たち借金取りじゃないですよ」
ブラッドがそう言うとダレオはクルッと顔の向きを変えてこっちを向いた。
「本当か?」
「本当です」
「じゃあ、何のようじゃ」
「雪山にある屋敷について話を聞きにきたんです」
どうにかダレオからの誤解も解けて、話を聞けるようになった。
三人は椅子に座る。木製の椅子でブラッドとフェアが隣同士、その向かいにダレオとロデーが座った。
「雪山の館? ………………まさか幻想館のことか?」
名前までは聞かされていない。ブラッド達が答えるのに困っていると、ダレオが続ける。
「いや、館のいったらあそこしかないしな」
ダレオの表情は厳しくなる。
「悪い事は言わない。あの屋敷には近づくな」
とダレオは忠告をしてきた。それを聞いたブラッドは聞く。
「どういうことですか?」
「あの屋敷には猛獣がいる。白い猛獣さ…………」
するとダレオは立ち上がった。
そして部屋の中にある箱を取り出してきた。それはそしてその中から、手のひらサイズの鉄の塊を取り出すとそれを机に置いた。
「俺は昔、このロデーとその屋敷に近づいたことがある。その時のことだ。奴に出会ったのは…………」
ブラッドは机に置かれた鉄の塊を見る。フェアもそれを見るがこれが何なのかわからない。
「それは俺が使っていた剣だ。元々は大きな剣だった」
よく見ると色が混ざっている。
「俺は吹雪の中、奴に出会ったんだ。そして剣で奴と戦った。だが、俺の剣は奴の手で潰されてしまった。俺は何もできずに逃げることしかできなかったんだ」
「なんなんですか。奴って?」
「イエティさ。白い怪物。それが奴の呼ばれている名だ。そしてこの雪山の主だ」
ダレオはそう説明すると怯えていた。