第111話 【BLACK EDGE 其の111 また会おう!】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第111話
【BLACK EDGE 其の111 また会おう!】
「それじゃあ、またな。キース」
「おう、俺の方が強いからな!! じゃあな!!」
去り際にそんなことを言うキースを後ろに乗っているスカイが頭を叩く。
スカイはキースを叩いた後、笑顔でこっちをみた。
「また会いましょう! 次は父無しで!!」
そして手を振る。
「おい、あんな男は俺は許さんぞ」
「そういうことじゃないよ。バカ!」
またキースに殴られるスカイ。
「フェアちゃんもまたね!!」
「うん!!」
そしてそれぞれは出発した。ブラッド達の目指すのは雪山にある村、リス村だ。
キース達は既に反対側にソリを進めている。
ブラッドにとってはキースはヒューグと共に賞金稼ぎをしていた仲間のような存在だ。
キースもそう思っているのだろう。だからこそ、久しぶりに見かけて追ってきてくれたのだ。
めんどくさいやつではあるが、また会うことがあると良い。
ブラッド達のソリも雪山を進んでいく。
そしてついに見えてきた。
「ブラッド、村だよ!!」
フェアはそう言って前方を指差す。そこにあるのは煉瓦造りの家の立ち並ぶ小さな村だ。
「ああ、着いたな。ここがリス村だ」
ブラッドとフェアは遂にリス村に着いたのであった。
ブラッド達の目的はリス村でアリエルから指示のあった屋敷を見つけるためだ。
雪山にはたどり着いたがその屋敷がどこにあるのかが分からなかった。そのためリス村にいると言う、この雪山の地理に詳しい老人に聞きにきたのだ。
早速村に着いた二人はソリを止めると、その老人を探すために村を散策する。
村人に話を聞き、その老人はダレオという名前ということと、どこに住んでいるのかわかった。
そして二人でその老人のいる家に向かったのだが…………。
「すみません、ダレオさん、いますか?」
ブラッドが扉を叩くが返事がない。どこかに出かけているのだろうか。
その時、後ろからホワイトウルフがやってきた。
ブラッドを押し退けて前に行くと、扉を頭を押し付ける。
このホワイトウルフはブラッド達がソリを動かすためにレンタルした犬だ。その中の一匹がブラッド達を追いかけてきていた。
「ロデー!!」
フェアは犬の名前を呼ぶ。ブラッドにはどの犬がどれだか見分けがつかないが、フェアにはわかるらしい。
ロデーが押すと扉は開く。そして中へと入って行ってしまった。
「おい、戻ってこい。犬!」
ブラッドとフェアも追いかけるように中へと入る。
すると、中には倒れた老人の上にいるロデーがいた。