第106話 【BLACK EDGE 其の106 賞金稼ぎ】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第106話
【BLACK EDGE 其の106 賞金稼ぎ】
「…………あいつは……キースか……」
ブラッドを追ってくる男を見て言う。
「知り合いなの?」
「ああ、昔のな…………。賞金稼ぎ時代の同業者だ」
「じゃあ、賞金稼ぎってこと?」
フェアが聞くとブラッドは頷いた。
「そうだ。だが、なぜか、俺とヒューグをライバル視してて、事あるごとにちょっかいを出してくるんだ」
キースの乗るソリはブラッド達の乗るソリに追いつくと、横に並ぶ。
「ブラッド!! 久しぶりの再会だってのに、なんで逃げるんだよ」
「お前はいつも勝負を仕掛けてくるからな。今は忙しいんだよ!!」
「なんだと…………俺よりも大事なことがあるのか!!」
キースはソリを横に動かして体当たりしてくる。ブラッド達の乗るソリは大きく揺れる。
「何しやがる!!」
「俺と決闘しろ!!」
「またか!! 俺は今忙しいんだよ!!」
ブラッドはソリを操作して逃げようとするが、キースは逃がさない。すぐにブラッドの横にソリをつけると、再び体当たりしてきた。
「きゃ!」
フェアが落ちそうになるが、ブラッドが咄嗟に掴んでソリに戻す。
その様子を見ていたキースの後ろに乗っている少女はキースの肩を叩く。
「あ? なんだ?」
「突然興奮してどうしたの? この人たちに絡むのはやめなよ」
どうやらキースを止めているようだ。少女に言われたキースの表情は少し大人しくなる。
「分かった。今回だけは見逃してやる」
キースはソリを操作してブラッド達から離れようとする。ブラッドもキースが諦めてホッとした。
しかし、
「あっ」
ブラッドはキースから逃げようと必死で、キースはブラッドを追いかけようと必死にソリを操作していた。
そのせいでソリはかなりのスピードを出ていた。
そして前方の確認が少し遅れたのだ。
四人残るソリは雪の膨らみを登ってしまい、ソリは大きくジャンプする。
その影響でソリに乗っていた人たちは空中に飛ばされそうになる。
操作をしていたブラッドとキースは大丈夫だったが、フェアとキースの後ろに乗っていた少女はその衝撃で宙を待ってしまう。
ブラッドとキースはソリの操作をやめると、ジャンプする。そしてブラッドはフェアを、キースは水色の髪の少女をキャッチした。
「無事か、フェア」
「ありがとう、ブラッド」
ブラッドとフェアは無事に着地する。そしてキース達の方を見ると二人も無事に着地できたみたいだ。