第103話 【BLACK EDGE 其の103 雪山の大陸】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第103話
【BLACK EDGE 其の103 雪山の大陸】
船を降りたブラッドとフェア。二人がたどり着いたのは雪山の大陸コスモスにあるジャスマンという村であった。
船であったクロエとはここで別れ、二人は雪山へ向かうため村で準備をすることにした。
村の横には雪が降る山があり、村にも粉雪が降っている。
「ううぅ、ブラッド…………寒い」
フェアはブラッドからコートを貰ってそれを着ているが、それでも寒さで震えている。ブラッドはコートもなく薄着だがどうにか堪えている状態だ。
ブラッドは船に乗る前に買っておけば良かったと後悔している。
「まずは防寒具を買うか……」
最初は寒さをどうにかするために、防寒具を買うことにした。
これから雪山へと向かうのだ。かなりの装備が必要なはずだ。
そして苦戦しながらもどうにか防寒具を購入し、それから他にも必要なものを揃えた。
ブラッドの格好は赤と黒の厚着のコートに黒い手袋。そして長靴だ。黒いマフラーを巻いて、首元も暖めている。
フェアは白と桃色のコートに白い手袋。耳にはもふもふの耳を暖めるものをつけて、白いマフラーを巻いている。長靴は桃色のものだ。
「他にも必要なものは買ったし、後はソリだな」
「ソリ?」
フェアは首を傾げる。そんなフェアにブラッドは説明する。
「ここは雪の影響で馬車ではうまく移動できないんだ。だから、雪山専用のソリがある」
「面白そう!!」
フェアは目を輝かせて期待に満ちた表情をする。そんなフェアを見てブラッドはやれやれという表情だ。
しかし、ブラッドもソリでの移動が楽しみなのは同じだ。いつもの馬車とはまた違っと乗り心地がある。
だが、問題もある。
「フェア。ソリは確かに面白い。だが、欠点もある……」
ブラッドがそう言うとフェアは不思議そうな顔をした。
「そのソリを引くのは馬じゃない。…………犬なんだ……」
ブラッドは怖い顔をして説明した。しかし、フェアは首をかしげる。
「犬? 犬が一緒に旅してくれるの!!」
フェアは嬉しそうだ。だが、今回はブラッドはテンションは上がらない。なぜか、その理由は…………。
ブラッドはフェアを連れて、ソリを販売しているお店へ向かう。そしてそこには何匹もの犬も一緒にいた。
「あれを見ても喜べるか?」
そこにいた犬はまるで狼のように大きく、鋭い牙と爪を持った極悪そうな犬達だ。彼らはこの雪山でのみ生息している犬種で、ブラッドは過去に襲われたことから、その犬が苦手だった。
それにこの犬種は表情が恐いことからも有名だ。そんな犬を見て喜べるわけが…………。
「え、何が怖いのよ? 可愛いじゃない」