第101話 【BLACK EDGE 其の101 決着?】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第101話
【BLACK EDGE 其の101 決着?】
ヒートがフェザントを左手で掴もうとした時、
「待て!!」
ヒートは突然の声に動きを止めた。その声はヒートの左右から聞こえた。二人が同時に叫んだのだ。
だが、その声はヒートやフェザント、ましてやシャドーとアルファのものではなかった。
フェザントとヒートは同時に声の聞こえた方を見る。ヒートとフェザントはお互いが見た方の反対を見る。
ヒートの視界には白い服に白いスカートを履いた長身の男が、フェザントの視界には紫色のフードに仮面を被った男がいた。
さっきまでいなかったはずの二人の登場にフェザントとヒートは動揺する。そしてお互いに戦闘体制になった。
しかし、
「やめろ、ヒート」
「止まれ、フェザント」
お互いの反対側にいる人物が二人を止める。
フェザントは白い服の男に止められると手を下げる。ヒートは紫フードの言葉を聞いて、動きを止めた。
「スワン様。なぜあなたがここに…………」
フェザントはスワンと呼ばれた人物に止められると、腰を低くした。
ヒートは紫フードの男を見て驚く。
色付きのフードは組織にとっての幹部を表す色である。そして紫色はグリモワールのトップのフードである。
つまりは今回の命令を下したアルム様である。
「アルム様……」
ヒートも姿勢を低くして頭を下げる。
シャドーもヒートが頭を下げたタイミングで理解が追いついたのか、ヒートの隣に現れると頭を下げる。アルファはアルムが登場した時にすでに姿勢を低くしていた。
アルムはこの場の全員に向けて話す。
「命令は中断だ。今回は俺とスワンで話がついた……」
そしてそう告げた。
命令は中断。ということはブルーバードの幹部を捕まえるという命令は終わったということだ。
ヒートとシャドーは動揺する。そしてヒートがアルムに聞いた。
「何故ですか……」
理由を聞いて良いのか分からなかった。しかし、突然の中断に納得がいかない。
するとアルムが答えた。
「それは教えられない。今回の件は多く語れない問題だからな。…………だが、一つだけ理解してほしいことがある」
アルムはそう言うと姿勢を下げている二人と同じように姿勢を低くして目線を合わせた。
「私はお前達を信用した。あの男と戦ったお前達だからだ……。だから今回の任務を任せたんだ」
アルムは立ち上がると、
「次の任務を任せたい。アルファを連れて先に施設に戻っていてくれ」