第6話 レベル上げそして……
明にいくつかの質問と、一緒に出来るようになるにはどうすればいいかメッセージで送ったのだが、返信が来ない
忙しいのだろうか、まあのんびり魔物狩りながら待っていようと思って、フォトスにログインした。
目の前にイオさんが現れる、なんて言うのが正解?……
「ど、どうも」
『こんばんは、セツカ様。近々大規模イベントが行われることをお知らせさせていただきます、詳細は後日詳細が発表された後のログイン時にまたお知らせしてもよろしいでしょうか?』
「あ、はい、お願いします」
慣れないなぁ、この無機質な会話の感じ
『それでは、いってらっしゃいませ』
気づくと、ログアウトした場所に立っていた。
今からはレベル上げだな、スキルの確認とかもしたいしってことで、ゴブロクのもとにきたのだが……
「おーいゴブロク、モンスター狩り手伝って……」
「あーいいぞ、2人でか?」
デカい、カッコいい、ムキムキ!!!……
そこにはゴブロクらしき普通のゴブリンより20cmほど大きく、一本角の生えたゴブリンの要素は緑色の肌しか残っていないゴブリンというべきかわからない魔物がいた。しゃべり方も流暢になっている……
「おまえ、その姿……」
「あー言ってなかったな、セツカがいなくなったあと進化が始まってきづいたらこうなっていたのだ」
少し前までカッコよくみえるだけだったのに、もうシンプルにかっこよくなってる……
言うならば、幼なじみにいつの間にか恋人が出来ていた時の悲壮感とよく似ている
進化か、実際見てみると俄然燃えてきたな!
「どうした、セツカ?」
「いやなんでもない訳ではないけど……とりあえずモンスター狩りに行こう!あと、ゴブスケもなんだけど……」
「了解だ、準備は特にないからもう行けるぞ」
シュタッ……
「リョウカイシタデゴザル」
「お、おう」
おまえはどっから現れたんだよ……なんて思いながら、外へと向かった。移動しながら話を聞くとゴブロクは『ホブゴブリンナイト』という種族に進化したらしい
ステータスも向上しているらしく、今の俺では勝つのは無理と言っていた。正直、早く俺も進化してゴブロクをボコボコにするぐらいにはなりたいし、イケメンにだってなりたいのである
洞窟を出て、森を歩いている。ただそれだけ
思ったより暇だななんて思って
鼻歌でもうたおっかな~
「ケイカイセヨ!」
ゴブスケの言葉と共に俺の足のすぐ横、その地面に矢が突き刺さった
「ひゃっ」
自分で言っといてなんだけど
反応女子やん……恥ずかし……
矢が放たれた方向を見てみるとそこには、
異様にでた下っ腹、だらけにだらけた脂肪だらけの手足、鼻息を荒くたてる豚っぱな、そうHな漫画でおなじみのオークさんである
リアルオークだ!すげえ迫力やな、見た感じ数は5体、人数は不利だし、体格も負けてる。でも、ゲーム内だからだろうか負ける気はしない
「ゴブロク!何体相手できる!?ゴブスケ、後ろの射手を頼む!」
「上位種はいないようだし、3体なら負けはしない」
そう言うと、ゴブロクは敵陣に進んでいき、その進化した際に手に入れた大きな肉体と繊細だが力強い剣術で3体同時に相手にしだした
「リョウカイデゴザル」
ゴブスケもそれに続いて敵陣に突っ込み、オークのこん棒での全力の一撃が入ったかと思えば、ゴブスケだったものは丸太に変わっている、その間にゴブヘイは射手の前に躍り出た。
ゴブスケは【忍術】とかいうスキルを持っているらしく、忍者っぽいことができるらしい、まだ使えるのは今使った変わり身の術と壁を数秒間走れる横走りだけらしいが、正直十分強いと思うし、なにより日本生まれの男子として憧れるものがあるんだってばよ!
とかいう茶番はよしとして、おれはオーク一匹さっさと殺って、ゴブロクのお助けに行くという仕事を全うしなきゃな
一匹のオークを挑発し、怒り心頭のオークがこん棒で大振りの一撃をいれようとしてくる
『受け流し』!!!
剣でスキルを発動する
「痛っ!」
何が受け流しだよ!!!衝撃の2割ぐらいしか流せてねーだろ、こんなPS頼りなスキルだったのか……HPはっと……
HP 20/35
半分近く持ってかれてるやん……もう一回挑戦してみるか
こん棒の打撃が再びとんでくる『受け流し』!
「くっ……」今の手応えは悪くなかったけど、腕は正直ジンジンしてる。慣れれば使えそうだけど、後々だな
『鬼武術・閃歩』!!!
相手の懐に入り込んだ勢いのまま、鉄の剣で相手を一閃する。倒れないか……徒手術のスキルでも試してみるか
『徒手術・体重移動』
このスキルは普通なら厳しい体重移動をサポートしてくれる。なんと徒手術は武器を持っても使えるちょー便利なスキルだったのだ
徒手術は如何なる武器にも通ずる…ということらしい
スタミナ値を多く使うデメリットもあるが……
体重移動で無理やりターンし、もう一回切りつける
オークのHPゲージが0となり、黒いモヤとなって消えていく。スタミナ的にはこの動きが限界か
このゲームのシステム的にスキルの連続使用は限りがあるのだが、今回の場合はスタミナの限界である
スタミナは体術や武器スキルの発動で消費され、時間経過で回復する
0になると 1.体力が削られやすくなる
2.スタミナ値の回復が遅くなる
という点があるので0にならないようにスキルを組み合わせていかないといけないわけだ
うむ、良くできている!
おっと、こんな説明をしている場合じゃなかった
ゴブロクの方をみるとゴブロクと射手の倒してきたのだろうゴブヘイのペアがオーク3匹を圧倒していた
ゴブヘイの忍術を活用した軽く素早い動きで敵を翻弄し、ゴブロクがオークにきれいな一撃を加えている
(一撃でも加えて経験値もらわないとオーク全滅するな)
オークのもとへ駆けていき剣を振るいオークを黒いモヤへと変える
「よし、お疲れさん!まだ行けるか?」
まあ、俺はほぼ1体しか倒してないみたいなもんだけど
「余裕だぞ」 「拙者モイケルデゴザル」
「お前拙者の発音だけやたらいいのな」
「レンシュウシタデゴザル」
こんなゆるーい感じで、オークの単体は俺1人で狩らせてもらったり、某RPGでは初めの村でやっつけるのに、この世界では厄介な魔物の一角であるスライムくんをてこずりながら1人で倒したりと着々と魔物を狩った
錆びた剣を溶かして、ゴブロクに戦い方が荒いと怒られたわけだが
その結果……
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PN:セツカ LV:10 〈MAX〉
種族名:ゴブリン
《進化可能》
HP(体力):40
MP(魔力):9
STM (スタミナ):23
STR(筋力):20(+6)
INT (知力) :10
DEX(器用):15
AGI(敏捷):23
VIT (耐久) : 17(+1)
MND (精神力) :13
スキル 〈SP 0〉
【徒手術】Lv2 【鬼武術】Lv1
【受け流し】Lv2 【剣術】Lv1
【騙し討ちの心得】Lv1 【嗅覚強化】Lv2
装備
武器:鉄の剣
頭:オークの頭巾
胴:無し
腕:無し
腰:麻の布切れ
足:無し
アクセサリー:無し
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スキルもちゃんとあがってきたな
あと前から欲しかった【騙し討ちの心得】
レベル上げ中リストに上がった【剣術】を取得しといた
でもやっぱり一番は!進化きたぁぁ!わくわく!
どんなのがあるのかなぁ
ゴブロク達に進化できるレベルまで上がったことを伝えると、帰るという風に話がまとまった
進化への期待で胸をいっぱいにした俺は洞窟につくと……早速ステータスに表示された《進化可能》の画面を開く
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・ホブゴブリン (通常進化)
身体が大きく発達したゴブリン
強靭な肉体とその身体から繰り出す一撃は骨を砕く
HPとSTRの成長補正
・ホブゴブリンソルジャー (派生進化)
優れた戦闘力をもつホブゴブリン
こいつがいるゴブリンの集落は危険度が跳ね上がる
HP、STM、STRに成長補正
・小緑鬼 (変異進化)
2本の角のはえた緑の肌を持つ小さい鬼
成長過程、その先には種族を超えた可能性の未来
STM、MND(微小)に成長補正
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ふむふむ、強そうなのはホブゴブリンソルジャー
だけど、明らかに面白そうなのがあるな……
やっぱ、ゲームは楽しんでこそだろ!よっし……
《個体名〈セツカ〉の種族名〈小緑鬼〉への
進化を開始します》
自分の身体が一度ポリゴン体となって再構成されていく
……
なんということでしょう、気づいたときには頭には角がはえていた。とりあえず「ステータスオープンと」
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PN:セツカ LV:1
種族名:小緑鬼
HP(体力):35
MP(魔力):10
STM (スタミナ):25
STR(筋力):15(+2)
INT(知力) :9
DEX(器用):10
AGI(敏捷):20
VIT (耐久) : 14(+1)
MND (精神力) :15
スキル 〈SP 0〉
【徒手術】Lv2 【鬼武術】Lv1
【受け流し】Lv2 【剣術】Lv1
【騙し討ちの心得】Lv1 【嗅覚強化】Lv2
装備
武器:鉄の剣
頭:オークの頭巾
胴:無し
腕:無し
腰:麻の布切れ
足:無し
アクセサリー:無し
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少しだけどステータスが変わってるな
あ、スキルも確認しておこっと思った所だった
「セツカ、長が呼んでるぞ」
ゴブロクに呼ばれたので、洞窟奥のゴブヘイの部屋に向かう
「お疲れの所と思うのですが、この集落いやこの森全体にオークの大群が押し寄せております。数は約3000は下らないでしょう」
ほうほう…………は?