学園到着
第2章ー学園到着ー
「ガチャ」
馬車が止まり御者が扉が開いた。
「到着しました」
空いた扉から光が差す、恐る恐る馬車から降りると私の倍以上はある校門があった。
「デカい」
つい声に出すほどデカい校門だった。
母も同じ様に上を向いて校門を見ていた。
「どうぞ中へ」
そう言いながら執事さんが言うとゆっくりと校門が開き始めた。すると大きな道の先に校舎が現れる。
「ここが勇者学園」
でかい物だらけでそろそろ首が痛くなってくる。
「さぁ、こちらに学園用の馬車があるのでローラン様はこの馬車へ。お母様は校内に入る事が出来ないので新たな家にご案内します」
「私は校内に入れないんですか?」
「はい、学園は関係者以外立ち入り禁止なので、またローラン様は学園で習った事や起こった事は口外禁止です」
口外禁止?どうしてそんな。
「学園は元々は勇者様の過去について学ぶ場所です。本来は勇者様達の事についてはあまり外で話す事が許されておりません」
そうなんだ。確かに勇者のことについって意外と知ってそうで知らないなぁ。
「しかも、今ここに集まるはローラン様のように様々な所から集まってきた人ばかりで、その中には貴族様もいらっしゃいます。口外で学園の中に貴族がいる事がバレて暗殺などを避けるため口外を禁止してます」
「なるほど、わかりました。」
そう言うと母が近づいて来て頭を撫でながら。
「ローラン、1人になっちゃうけど貴方はきっと大丈夫だって信じてるから。あと美味しご飯作って待ってるから」
小さく頷き学園用の馬車に私1人乗り込む。
そして少しすると校舎に近づいて来た。
馬車が止まると執事感溢れた人が立っていた、母を案内して行った人とは似ている様に見えて少し違う。
「ようこそ、勇者学園へ。私は学園執事のヘンリーと申します。」
お辞儀をしながら言われたので平民である私は少し緊張し、ゆっくりと馬車を降りる。
「ローラン様まずは学園長がお待ちなのでご案内します」
そう言うと校舎の中に案内された。
長々と廊下を歩いて行くと普通の部屋とは異質の扉の前に来た。
「学園長ローラン様をご案内してきますした」
「入れ」
イカつい声で返事が帰ってくる。
「失礼します」
緊張しながらゆっくりと部屋の中に入る。
正面にゴツイ体をした男の人が座っていた。すると男の人が立ち上がって私の前に立った。
「ようこそ、勇者学園へ。歓迎しよう」
「よ、よろしくお願いします」
近くで見ると顔に傷がありいかにも強そうな人だった。
「私は勇者学園、学園長アルスサンドルス・ペンドラゴンだ」
「ん?ペンドラゴンって確か」
「おや、田舎に居たと聞いていたから分からないかと思ったんだが」
この王国の名前はペンドラゴンつまり。
「そう私はこの王国、守護王国ペンドラゴンの第42代目の国王だ」
「え?えーーー!!」
まさか学園の学園長が国王とは予想だにしていなかった。そのせいで一瞬思考が停止してしまった。
「はは、そんなに驚いてくれるのも新鮮だな。この国では当たり前だからあまり驚かれないからな」
「いや、まさか国王様が学園長とは思ってもおりませんでした」
そう言いながら膝をつこうとすると。
「いやいいよ。今日から君はここの生徒なんだから城ならいざ知らず。学園なら私はただの学園長だよ」
膝をつこうとするのを止めらてた。
「は、はぁ」
「では改めて君の紹介をお願いしようかな」
自分で名乗って無かったことを思い出して急いで立ち上がった。
「あ、ローラン・ニュームーンです。家は洋服屋を営んでいます。」
「ふむ、では君の腰にかけてある聖剣の事も説明してもらおうかな」
聖剣について説明?
「なんだ知らなかったのか。聖具は一つ一つに特殊な力が宿っているんだよ。例えば!!」
そう言いながら、机の隣にある剣を取った。