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0.始まり

 メルクス王国、央都メルクス、その中央にそびえる王宮の大広間にて。

 重い緊張に満ちた静まった広い空間の中、複数人が神妙な面持ちでその時を待っていた。一段高くなったところに豪華な椅子がひとつ、そこにどっしりと構えた男からは、誠実な威厳や貫禄が感じられる。

 部屋の中央にはぬいぐるみ、木刀、ボールなどのその場の豪華さにふさわしくない雑品の数々が三つの山に分けられそこに置かれていた。

 突然、軋みの音に重さを感じさせながら広間横の大扉が開かれた。

 予期せぬ来客は大人びた一人の女性。黄色味がかった長髪を揺らしながら、豪華な装飾と共に着飾ったドレスで、玉座の横に立った。

「お前が来るとは珍しい」

と、目線だけ向けて男が声をかける。

「別にいいではありませんか、本来なら出席すべきところをあなたが配慮してくれてるんですから、出席できるときはしなければ」

女性は微笑み返すも、会話はそこで途切れた。


 一方、突然の来客に左右に控えていた三人の人はそれに強く反応した。なぜという、不信感には至らなくともいつもと違う違和感を感じた。三人の心中はこうだっただろう。


『どうして女王が』と。


 だが、その他の周囲に広まった動揺も男の合図ですぐに収まった。

 そして、さらに合図を受け取った一人の老人が声高々に宣言した。

「ただいまより、希少書を使用した重要国事を始める、術者は前に。」

 先ほどの三人が前に進み出る。魔術師らしいフードを被った三人は顔はよく見えず、背丈はバラバラであった。それぞれが三つの山の前に立ち手を伸ばす、統制された動きで三人は唱え始める。


「「「ライブラル」」」


 それぞれの手に本が現れた。光る玉にツルが巻き付いた表紙のその本は普通の本とは違う雰囲気を醸し出していた。

すぅ、と息を吸い、集中力を高める。

極限まで高まったところでこう唱えた。


<生命の書 第三(ページ) リライフ>


 すると、開かれた本の一ページが分解されるように光の粒へと変わっていった。それは物の山の上で回転し、だんだんと物の山をも光の粒に変えていき、巻き込んでいく。部屋の明かりをも暗く感じさせるような明るさで、人の形を編み上げていく。

隙間を埋めるように残りの粒が集まり、そこには光るマネキンと例えられそうなものが出来上がっていた。


 そして、左胸に光は収束していき。

 ドクンッという鼓動と共に、それは倒れ込んだ。


 だが、無機物が倒れた訳ではない。膝をつきそして、手をつくように倒れ込む様子は生命を持った存在、人間そのものであった。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言]  ツイッターで見てやってきました。  まず話の雰囲気としてはいいかと思います。  しかし全体的に、小説の書き方のルールを破ってしまっていて違和感を感じる点が多いです。  一行目から「、」の…
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