004 【やっと始まる初めての冒険!】
き、昨日は本当に危なかった。お母さんが偶然遅く帰ってきてたからよかったけど、違かったらと思うと、ぞっとする!うん、本読むの休日にしよう。でも全部読んじゃっただよね。ギルドの図書館じゃなくて、街の図書館ってあるのかな?覚えてたら探してみよっと。えっと今日木曜だから、後1日学校に行けば休日かー。教訓を生かして早めに『ログアウト』しないとなー。
とりあえず、ギルドに行こうか!
昨日と同じく今日も混んでるなぁー。昨日よりマシだけど。何しようかな?
んーと、まだクエストボートって見てなかったっけ?説明受けただけ?んじゃあ、クエスト受けるか!
ここからじゃあ、全然見えない。これっぽっちも見えない。もっと前行かないと。
また、この人混みの中行かないと行けないのか!大変だぁ!いやだ!楽したい!考えるんだ!
………そうだ!壁沿いに進んで大回りすれば人混みを回避できるのでは!おー!よし、これなら行ける!
多少時間かかったけど、楽に来れたー!大回り作戦大成功だね!いやー、やっぱり人間は考える生き物なんだね!
さて、クエストボード見ますか!
んーー、F級で受けられるのは『薬草の採取』『レモンの採取』『グレスウルフの討伐』『荷物運び』『畑の雑草毟り』の全部で5つかな?
んー、街の外に行きたいから『薬草の採取』『レモンの採取』『グレスウルフの討伐』の3つにしよう。
あとは受付で言いに行けばいいのかな?
んー、まだかなぁ。あ、ミルフィさんいる!ミルフィさんいるとかの受付に行こう!
「ミルフィさん、クエスト、『薬草の採取』、『レモンの採取』、『グレスウルフの討伐』お願い。」
「はい、分かりました。薬草は10本で1回、レモンは5個で1回、グレスウルフは5頭の討伐で1回クエスト完了になります。
あと、ギルドカードの提示お願いします。」
「(ごそごそ)………ん。薬草20本、報酬2倍?」
「ギルドカードお借りしますね。はい、2回分の報酬なので2倍になります。でも、品質が悪かったりすると、報酬が低くなったり、貰えなくなりますので注意して下さい。
ギルドカード返却しますね。」
「ありがとう、分かった。じゃあね。」
薬草や果物とかの品質が関わるみたいだから、採取した日に渡した方が良さそうだね。逆に品質が良すぎると報酬上がったりするのかな?てか、品質まだあるとか細かいな!運営すげぇ!
そんなことを考えながら歩てると、いつのまにか南の門にたどり着いてた。
おー!衛兵さんだー!生の衛兵さんだー!鎧着てる!重そう!槍持つの面倒くさそう!
あ、そうだー、グレスウルフについて聞こう!本で『基本的に1匹』『成人男性の腰くらいの高さで飛びかかる』『お腹を地面に付けて休む』などの特徴とかは知ってるけど、どこにいるかは知らないんだよね。
決して生の衛兵さんと話したいとかどんな風に反応するんだろうとかそんな疚しいことなんか考えずに純粋な疑問を持って、コンコンってマッチョな黒髪の30代後半の衛兵さんの鎧にノックした。
「うん?お嬢ちゃん、どうしたんだい?迷子かな?」
そんな風にノックされた衛兵さんは腰を落として僕に聞いてきた。『迷子かな?』って。優しい口調で。違うから!迷子じゃないから!そんなにちっちゃくないでしょ!
いや、ごめん。ちっちゃいや。
「ん!違う、冒険者。グレスウルフ、生息地、教えて。」
「おっと、そりゃ失礼しました。グレスウルフについてだったね。グレスウルフは、この街の周りから森の手前までの草原にいるよ。一頭で獲物を狩ることが多いから、囲まれることは少ないと思うけど、討伐するなら気をつけてね。あとは、グレスラビットとミニスライムも同じ範囲にいるから、こいつらにも気をつけるように。」
「ありがと。僕クロ、名前、何?」
「おじさんの名前はゴルトだよ。」
「ありがと。じゃあね。」
子供に対する優しい口調から、冒険者って伝えた後の少しだけキリッとした口調に変えながらグレスウルフについての情報を教えてくれた後、聞いてないグレスラビットとミニスライムに気をつけるように親切に教えてくれる。
これが衛兵なのか!?
しかもバイバイって手を振ったら、ゴルトさんも微笑ましい表情で槍を持ってない手でバイバイって振ってくれた。
こ、これが衛兵なのか………!?
感嘆と尊敬の念を衛兵に送りながら街の外へ進んでいった。
そして草原は、他のプレイヤーで溢れかえっていた!やっぱり人が多いね!ギルドにいた人々もこっちに来てるから余計にね!
んー、どうしようかな?人がある程度少なくなるまで遠くに行こうかな。僕1人だから他の人気にしなくていいし。
よし、薬草とレモンも採取したいし遠くまで行ってから狩ろうか!じゃあ、走りますか!『AGI強化』と『採取』を駆使しながらな!
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森の約100メートル手前まで走り切ったぜ!まぁ『採取』するために何十回、何百回も途中で止まっては走って、途中で止まっては走ってをくりかえしたんだけどね!
『採取』は採取出来るアイテムがあるとアイテム自体が光るので、見つけるたびにいちいちしゃがんでは採取して、しゃがんでは採取してを繰り返した。意外とというか、普通に疲れた!なんとなく周りの視線が突き刺ささるしさぁ!
それでここの草原では『薬草』、『木の枝』、『石ころ』が採れた。木の枝と石ころって必要なの?まぁ、採れるから根こそぎ採ったけどな!
ちなみに、薬草は昨日ギルドの図書館で読んだ通りに根っ子を残すようにしながら、僕のスキル『短剣術』をとったから貰えただろう初心者の短剣(ATKが1、耐久率∞だった)で刈った。
ちなみに今の装備はこれなのだ!
名前:クロ
Lv:1
種族:獣人族・猫
HP:300/300
MP:100/100
STR:25 (+1)
VIT:15 (+15)
AGI:75 《+3》
DEX:15 《+1》
INT:5
MND:5
LUC:15
ステータスポイント:0
SP:0
【固有スキル】
『獣化』ーLv1
【スキル】
『短剣術・初級』ーLv3 +2
『採取』ーLv3 +2
『AGI強化・小』ーLv3 +2
『DEX強化・小』ーLv1
『調合』ーLv1
『』『』『』『』『』
【控えスキル】
【装備】
武器右手:初心者の短剣(ATK1)
武器左手:
頭:なし
胴:初心者の服(DEF5)
腕:なし
腰:初心者のズボン(DEF5)
足:初心者の靴(DEF5)
アクセサリー:なし
:なし
:なし
えーー!?薬草を刈り取るだけでスキルレベル上がるの!?短剣使うならなんでもいいってこと!?まじかー………。え、でもなんでも良いのかな?いや、多分なんか条件とかあるんだろうけど、分かんない!そうゆうのは調べること大好き君に任せよう!
………このことに気づくの何人いるんだろう?てかいるかなー?『短剣術』持ってる人が僕みたいに戦闘よりも先に『採取』するかなぁー?しないよね?いるかもだけど2桁にはいかないよね?
き、気を取り直して、『初心者の服』、『初心者のズボン』、『初心者の靴』は耐久率∞なので永遠に使えるよ!そして強化系のスキルは、レベル1で各能力値が1づつ増えるみたいだね。まぁ、まだ強化・小だからそんなに上がんないよね。そしてスキルについて説明しよう!
てか、危ない、危ない!自分のスキル知らないまま戦闘するとこだった!いやー、戦闘になる前に見て良かった、本当に良かった。
『獣化』
ーー獣人族が人類に対抗する為に、魔物から生き残る為に、そして何よりも仲間を守る為に、昔から獣人族の血に流れる獣の力を呼び覚ました結果、生まれたスキル。
10分の間STRが1.5倍、HPとMPとSTRを除くステータスが1.2倍となり、HPが3割回復する。
思考能力低下:中
この世界内時間で2日経過しないと再び発動出来ない。
『短剣術・初級』
短剣の使い方が上手くなる
短剣のアーツを覚える
『採取』
採取出来る場所が分かりやすくなる。
採取の際、品質が悪くなりにくくなる。
『AGI強化・小』
AGIが強化される
『DEX強化・小』
DEXが強化される
『調合』
アイテムを混ぜ合わせることが出来る
調合のアーツを覚える
*調合用のアイテムが必要
さすが固有スキル説明長い。さらっと人類に抵抗とか、戦争の匂いしかしないよね!?あと、効果普通に強いよね?思考能力低下:中が怖すぎるけど………。
………猫になるのかな?にゃーとしか喋らなくなるとか?え、なにそれ怖い。
まぁ、置いとこう。スキルはアレだよね?検証しろってことですよね?うん、がんばれ調べること大好き君の検証班、応援だけするから!
ちなみにアーツとは、技術や必殺技みたいな感じなやつ。『ヘルプ』に書いてあったけどよく分かんなかった。まぁ、実際やれば分かるよね?
では、グレスウルフ狩りますか!
んー、周り見渡しているかな?街の近くはおおくの冒険者がいて全くいなかったんだよね。
草原と同じ色だし見つけるの大変だなぁ。
………ん、もしかしてあれがグレスウルフ?お腹を地面につけて耳ピクピクしてる狼が?
よし、コソコソっと行こう。コソコソっと。
クロは後ろにこそこそと周り込んだ。
クロはゆったりと足音立てないように近づいた。
グレスウルフは急に後ろに振り向いた。
クロは気づかれて動揺した。
グレスウルフが唸りながら襲って来た。
「グロロロォォ!」
「うひゃー!ばれたー!なんでだー!」
グレスウルフが叫びながら突っ込んで来たのを、慌てて横に飛び込んでなんとか避けた。
「うおい!危ない!土の味がするー!」
避けられたグレスウルフはそのまま走り、曲がりながら助走をつけ僕に向かって走って来ている。
「来ちゃったー!うおおお!やってやるー!グレスウルフ対策に考えてた必殺技をよー!
「グロロロォォ!」
グレスウルフに向かって僕も走り、グレスウルフが飛びかかった瞬間!
「必殺!スライディングスラッシュ!!」
飛びかかって来たグレスウルフの下をスライディングをしながら両腕を伸ばして、両手で持った短剣を頑張ってグレスウルフのお腹に当てて、ざーって切り込んだ!
急いで立ち上がってグレスウルフを見ると、線を引くように内臓と血が僕の数十メートル先にいるグレスウルフのお腹へと繋がっていた。
そしてすぐに、グレスウルフのHPが一気に全損して死体が残った。
内臓が出たまま。
「……………ふぅ。
あーー、死ぬかと思ったー!スライディングリアルで練習してて良かったー!過去の自分ありがとうー!
今更だけど怖かったな!はっはっはっはっ!
………うん、怖かった。
さて、解体しますか。何か来る前に!
てか、グロい!めっちゃグロい!内臓ぶちまけるじゃないですか!さすが『設定』でグロさ表現の設定があるわけだぜ。もちろん100%だよなぁ!って感じで設定したのを後悔し始めたい。あーー、気持ち悪くなってきた。さっさと終わらせよ。
えっと『ヘルプ』では確か、最初からアイテムバックに入ってた『剥ぎ取りナイフ』を死体に刺すとアイテムバックに自動回収出来るんだよね。
出来るだけ死体を見ないように、出来るだけ死体を見ないように、出来るだけ死体を見ないように………!
(ぷすっ)
もう、目開けていいかな?おー、グレスウルフの死体がキラキラしてるー。綺麗。まるでさっきまでのグロい何かを紛らわそうとしてるみたいな。運営ぇ。
まぁ、グロさMaxにさた自分が悪いんだけどね。
あ、地面の内臓や血も死体と一緒に消えてる。
よし、休もう!休憩だー!心を休めるんだー!横になってゴロゴロしてやるんだー!」
ゴロゴロも大事だけど、反省も大事だからゴロゴロしながら反省しようかな。
てな訳で、草原でふかふかな草の上でゴロゴロしながら反省と洒落込もうじゃないか!
まず、奇襲が成功しなかった!なんでだー!なんでなんだー!本当になんで気づかれたんだろ?
んーー、そういえばグレスウルフの耳ってピコピコしてたよね?音によって気づかれたのかな?出来るだけ足音立てないように近づいたんだけど、音立てちゃったのかなー?
でも出来るだけ音立てないようにしたし、ゆっくり近づいたしそんなに音立ててないはずだよね。他にも要因があるのかー?
………あ!匂いだ!そうだよね!犬科って鼻良いもんね!匂いなんて気にしてなかったらからね。そりゃあ気づかれるよなぁ!
よし、原因分かったぞー!グレスウルフと戦闘する時は風下から近づくようにすればきっと大丈夫なはず!
次は今回の戦闘を勝利へ導いた必殺技!『スライディングスマッシュ』についてだー!わー、ぱちぱちぱち。
では、説明しよう!この必殺技はグレスウルフが成人男性の腰ほどの高さに飛びかかって来る習性と僕の身長の低さを利用した必殺技なのだー!
種は簡単で、グレスアルフが飛びかかってる最中に真下に思っきしスライディングしながら、お腹に向かってナイフを突き出し続けるだけだからね。
それでも一発で最高させるとか凄いでしょー!ほとんど偶然に過ぎないかもだけど、それでも凄いことには変わりないのだー!
まぁ、この必殺技ってやる予定無かったんだけどねー。だってこんな一か八かの勝負めっちゃ危険でしょ?上手く行くんじゃないかなって思ったけど、一応危ないからやめようっかって決めてたの。
結局焦ってやっちゃったんだけどね!テヘペロ♪
でも焦ってやった結果上手くいったから、この必殺技はグレスウルフには有効ってことだよね?まぁ、次やっても成功する気がしないけどね!あははははは!
というわけで、「成功する!」って自信持って言えるように特訓だー!最低10匹倒したいからね!それまで頑張るぞー!
おー!
ーーーーーーーーー
「あーー!飽きたー!スライディング飽きたー!『スライディングスマッシュ』を決めるために、ひたすら走ってはスライディングして、走ってはスライディングしてを繰り返してばかりで飽きたー!別のことしよう!集中力切れたから違うことしよう!
んーー、何しようかな?
そういえば、この草原には『グレスウルフ』以外に『ミニスライム』と『グレスラビット』がいたはずだよね?僕まだ見てなーい。だから、『ミニスライム』と『グレスラビット』を見つけに行こう!
というわけで、しゅっぱーつ!
んーー、5分くらい歩いても見つからないなぁ。どこにいるんだろう?『ミニスライム』と『グレスラビット』でしょー?両方とも小さいか………。草むらに紛れてるとか?しゃがみながら探そうって、いたー!
林檎程度の大きさ、全体的に水色、潰れた球体、まだスライム核が無い、一言で表すならば水色の饅頭、間違いなく『ミニスライム』だ!
やっと見つけたー!いやー、無闇矢鱈に探してもみつからないね!てか、こんくらいちっちゃいって知ってるんだから初めから足元探せばよかった!くそう。これが知ってると理解してるの違いなのか………!
さて、かわいそうだけど殺しちゃうか。
ふるふると草を食べてる『ミニスライム』に短剣で思っきし刺す!
「〜〜〜〜〜!?」
『ミニスライム』の体力ゲージが3割しか削れてない!あと3回もやらないといけないのか。くっ、めっちゃ可愛いのに。『ミニスライム』は短剣に貫通されたままふるふるとしか動いてない。か、可愛い!けど、やりきってみせる!よし、やるか!
僕は短剣を振りかぶってザクッ、ザクッ、ザクッと3回『ミニスライム』に突き刺した。突き刺す度に『ミニスライム』の声無き声を聞きながら。
そして、『ミニスライム』の体力ゲージがなくなり張りがなくなった『ミニスライム』の死体が残った。
無言で死体に『剥ぎ取りナイフ』を刺して、キラキラと光るのを眺めた後『バック』に戻した。
………いや、きつくない?きついんだけど!なんかさっきと違うベクトルできついよ!
………はぁ、休もう。もう疲れた。
疲れて横になろうとした時、横の茂みからガサゴソと音がしたので音がした方を見ると、緑色の体色の兎が出てきた。
「………へ?」
「キュ!」
僕が呆けている間に兎が僕に向かって飛び跳ねて来た!
あははは、改稿終わったー!
おや、3時半過ぎてる………?
4話分しか改稿してないのに?
おかしいなぁ。
なんでだろうなぁ。
分かんないなぁ?
はい、書くのが遅いだけです。
というわけで、寝ます、おやすみ、じゃあ!