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24.雪景色

都会の荒波に揉まれながら

ただ只管に仕事を行ない

今日を必死に生き続ける


自宅でテレビを見ながら

今日もコンビニの弁当を食べ

ただ退屈で、忙しい日々をおくる


久しぶりに親父から届いた

一通の絵ハガキに

ふと、故郷の景色が脳裏を過ぎる


赤く染まる山々に

田園に実る稲が

金色の絨毯のようで美しかった


子どもの頃に見た

農作業をする親父の丸い背中に

いずれは、親父の農場を継ぐと思ってた


でも、今じゃ

こうして、都会で仕事をする

いっぱしのエンジニア


「親父、元気にしてるかな」


不意に零れた一言に

テレビの音でかき消され

苦笑する


絵ハガキに書かれた親父の文字と

田園や山に積もった雪景色の写真に

懐かしい気持ちになる


「たまには帰って来いか」


手紙の内容の一文を声に出し

久しぶりに帰りたいと

心から思ってしまう


「たまには、有休を使うか」


そう呟き、もう一度だけ

絵はがきの写真を見つめ

携帯を手に握る


雪景色の絵はがきを見て

今年の田園や山も

きっと雪が積もっているだろう


雪掻きをする親父の姿を想像しながら

親父の家に電話を掛ける

『明日には帰るよ』と伝えるために

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