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9.月桜
静寂な夜の帳
月に恋した桜は
月光に照らされながら
人が訪れることなく
動物の息遣いも、虫の美しい音も
何一つ聞こえない
静寂で神秘的な
夜の丘の上に咲く
一本の虹色の花を咲かせる桜
その桜の花は
今宵も涙を流すかのように
虹色の花をゆっくりと散らす
今宵も美しく輝く月に
どこか儚げに舞い落ちる桜の花びらは
まるで虹色に輝く涙のように
ゆっくりと
ゆっくりと
桜の木から舞い落ちる
月に恋した桜は
今宵も
ただ愛した月を想いながら
静かに
その花を咲かせ続ける