~双方が為に~
男 「カタカタ・・・カタカタ・・・ポチッ」
男 「はぁ・・・また残業かぁ・・・」
御手洗 明 32歳 しがない中間管理職
毎日平凡と暮らしていく日々
たまの休みも夕方まで寝てからフラフラ一人飲みをしにいくか
おいしくお酒を飲む為にという安易な考えで自分の為だけのグラスを
作りに月1で通っているサンドブラスト教室。
あとは愛ネコハラミと戯れる事
こんな生活をただ繰り返す日々・・・・
こんな生活だが嫌いではないし苦にもならない
むしろこの生活リズムだけが救い
明 「このままの生活でずっと生きていくのも悪くないかな・・・」
こんな彼だが、どうしても耐え難いというか鬱陶しい事が一つだけある。
同僚A 「御手洗~先に帰るぞ、早く帰ってこいってカミさんが
うるさくてさぁ~」
明 「おぅ、お疲れ~」
同僚A 「お前も早く嫁さんもらって落ち着けよなー」
明 「はぃはぃ・・」
またこれだ、30過ぎたあたりからやたら周りから言われる結婚しない
のか発言。両親、兄弟、上司や同僚、友人と・・・・
結婚が良いもの思っていない俺にとっては苦痛でしかない。
もし結婚なんかしたら自由に生活出来なくなるじゃないか
それのどこが良いのか・・・理解できない。
明 (まぁ結婚どころか彼女すらいない俺がなに言ってるんだか・・)
「馬鹿なこと考えてないで早く終わらせて帰ろう・・・」
~次の日~
同僚B 「よ~御手洗おはよう!昨日も終電逃したか?」
明 「あぁ、おはよう、昨日は滑り込みで最終間に合ったよ」
同僚B 「そりゃ良かった笑 まぁ独り身だから何時に帰っても誰も何も
言われないしな!」
明 「うるさいよ、それより午後からの会議資料終わったのか?」
同僚B 「いや、その相談をしたくてさ!」
明 「今日は相談にのってやれるほど余裕ないから自分でなんとか
しろよ、じゃな」
同僚B 「なんだよ冷て~な~!おい!御手洗~」
今日は大事はプレゼンの資料をまとめ終えなきゃならないんだ。
明日はサンドブラスト教室、それを休日出勤なんかにしてたまるか!
後輩 「明先輩~プレゼンの最終資料まとめたので確認お願いします!」
明 「ご苦労様~あとは確認しとくからたまには早く帰りな~
まだ新婚なんだし」
後輩 「ありがとうございます、最近遅かったんで休日まで仕事だと
やばかったんですよ~」
明 「そりゃそうだ笑 また来週からも忙しくなるからしっかり休んどけよ」
後輩 「それはそうと、先輩は結婚しないんですか?」
明 「・・・・・ん?」
後輩 「ん?っじゃなくて笑、彼女さんとかいるんですよね?」
明 「いや、いないよ」
後輩 「そなんですか、よかったら嫁の友達とか紹介しましょうか?」
明 「ん~いいや笑」
後輩 「そっすかぁ、気が変わったら言ってくださいね、先輩には
お世話になってるんで、ではお先です」
明 「お疲れ~」(良い後輩だな笑)
~週末~
明 (さ~て、良く寝たし教室で先月のグラスを仕上げてそのグラスで
飲むぞ!)
「ハラミ~行ってくるよ~帰りにハラミの好きないつものご飯
買ってくるから良い子で待ってるんだぞ~」
ハラミ 「ミヤァァ~~ァ」
先生 「御手洗さんこんにちは、今日は最終仕上げですね」
明 「こんにちは、今日も宜しくお願いします、今日はこれで
風呂上りに飲むって決めてるんで!」
先生 「すごい意気込みですね!では慌てず綺麗に仕上げていきましょう」
明 (ふぅ・・・黙々と作業しちゃった、なかなかの仕上がりだな)
先生 「御手洗さん上手に出来ましたね~」
明 「ありがとうございます、集中しすぎて時を忘れましたよ笑」
女生徒 「可愛いですね~タヌキですか??」
明 「あ、いえ、うちの猫です・・・///」
女生徒 「あっ、ごめんなさい・・・そうでしたか・・」
明 「いえ、間違えてもおかしくないくらいポッチャリ
してますから笑」
女生徒 「そ、そうなんですね、可愛い~です///」
女生徒 「私なんて星を散りばめた柄にしたかったのですが
金平糖みたいになってしまって・・・」
明 「そんなことないですよ!綺麗に仕上がってると思います」
女生徒 「ありがとうございます!完全に失敗作だと思っていたので
少しうれしいです」
先生 「紗香さんはまだ始めたばかりだからこれからどんどん上手に
なりますよ!」
紗香 「はい!がんばります!」
明 (紗香さんって名前なんだ、何度かここで見かけたことはあったけど
まともに話たのは初めてだな・・なんかちょっとドキドキして
しまった・・・・)
~その夜~
明 (さて、晩酌の準備が出来たぞ!)
「ゴクッ・・・ゴクッ・・・」
「くぅぅぅ~~うまい!自分が手掛けたグラスで飲むのは
また格別だな!」
「ほら、ハラミ~お前の絵だぞ~~」
ハラミ 「ムシャムシャ・・・・」
明 「いつまで食べてるんだ笑」
明 (この唯一の楽しみがあるから明日からまた頑張れるんだ)
紗香 (~可愛いですね~タヌキですか??~)
明 (ふふっ・・・タヌキって)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
女 「それはそちらの不手際では?」
他部署人「そっ、それはそうかもしれんが」
女 「であればそれ相応の対処をとらざるえません」
他部署人「だからそこを相談にだね・・・」
女 「これ以上私に出来ることはありません、では」
他部署人「ちょ、ちょっと冴島君! 」
他部署人(なんだあいつは、本当に噂通りの冷徹女だ」
同僚女A 「冴島さんちょっと良いですか?」
美音 「なんでしょう」
同僚女A 「週末の部飲み会どうしますか?」
美音 「欠席でお願いします」
同僚女A 「は、はぃ、わかりました」
美音 「それよりお願いしていた資料は終わりましたか?」
同僚女A 「い、いえ・・まだ」
美音 「明日までには提出してください、訂正箇所もあるでしょうから」
同僚女A 「は、はぃ・・・」
同僚女B 「また冷徹の令子さんにやられてきたの?笑」
同僚女A 「あの人ほんと感じ悪いよ、あれじゃ誰も寄り付かないわ」
同僚女B 「男の前では180度違うかもよ~」
同僚女A 「それはそれで怖いんだけど・・・」
同僚女B 「まぁあの態度でついていける男なんていないでしょ」
同僚女A 「良い年ごろなのに結婚どころか男の影すらもないらしからね~」
同僚女B 「男なんかには頼らないってかぁ~笑」
同僚女A 「ただあの容姿だから男はすぐ寄ってくるだろうけど」
同僚女B 「同期のA君が言ってたけど何人もアタックしてみんな即玉砕
されてるらしいわよ」
同僚女A 「人気はすごいみたいだよね~でもありゃ付き合ったらムリムリ」
同僚女B 「だね~」
同僚女友「美音~お昼いこ~」
美音 「あぁ、京子」
京子 「あぁじゃないわよ、お昼行こなんて言うの私くらいしか
いないでしょ~が笑」
美音 「・・・・・」
京子 「はやく行かないと席なくなっちゃうよー」
美音 「はぃはぃ」
京子 「あんた、またカレー?」
美音 「いいじゃない、食べるの楽だし」
京子 「はぁ・・まったく女っけがないわね」
京子 「普通の女子ならパンケーキおいしぃ~~とか
言ってるわよ!」
美音 「それのどこが楽しいのよ」
京子 「まぁあんたに言ってもわからないわね」
美音 「・・・・・」
京子 「あ、そうそうあんたに言っても断るだろうけど
一応言うわね」
美音 「断るわ」
京子 「はやっ!ちょっと話くらいは聞きなさいよ」
京子 「明日の飲み会1人女の子が行けなくなっちゃったのよ」
美音 「なおさら断るわ」
京子 「だよね~まぁそうだとは思ってたけど」
京子 「まぁ、あんたが来たら男がみんなあんたにいっちゃう
だろうからそれはそれでこっちとしては
つまらないんだけどね」
美音 「興味ない」
京子 「はぁ・・ほんっともったいないわね~その美貌が
ありながら全く生かされていない
そのうち言われるわよ?冷徹の令子はレズですか?ってね笑」
美音 「特定の人がいるのってそんなに良いの?かえって邪魔よ
どうせ、女はこうあるべきみたいなこと言うだけでしょ」
京子 「今まで誰とも付き合ったことがないあんたが言ってもあまり
説得力ないわよ」
美音 「んんん・・・・」
美音 「わ・・私は私の考えで付き合わないのよ!必要ないわ
これからもね」
京子 「はぃはぃ、まぁあんたのそういう所嫌いじゃないけど~」
京子 「でも結婚しないのか?とか言われない?親や上司とかに」
美音 「言われない訳ないわ・・・っていうか京子もでしょ?」
京子 「まぁね~あたしはまだまだ色んな男を見たいってのも
あるからね~~」
美音 「・・・・・・・」
京子 「あ!もうこんな時間、あんたも早く食べ・・・・
終わってるわね」
美音 「行くわよ」
美音 「部長、来週の会議資料です」
部長 「ありがとう、さすが冴島君、仕事が早いね」
美音 「いえ、宜しくお願いします」
部長 「あ、それでこの前の話なんだが」
美音 (はぁ・・・・)
部長 「先方さんとの食事なんだがやはり君にも来てもらいたいんだ
部長 「向こうさんのたっての希望でね」
美音 「この間お断りしましたが」
部長 「そうなんだが仕事の一環として来てもらえないかね」
美音 「・・・・・・」
部長 「君もそろそろ結婚を考える歳だろうし」
美音 「結婚は関係ありません」
部長 「ま、まぁとにかく来てほしいんだよわかるだろ?」
美音 「・・・わかりました、仕事として行きます」
部長 「そうか!向こうさんも喜ぶ、では予定よろしく」
美音 (・・・・めんどくさい)
京子 「美音~あんたお見合いするんだって~?」
美音 「はぁ・・しないわよ」
京子 「だってM商事の社長の息子と食事いくんでしょ~??」
美音 「仕事だから仕方ないわ」
京子 「向こうはそうは思ってないわよ~」
京子 「とうとう身を固める時がきたってか~あはは~頑張れよ~」
美音 (うるさい)
~仕事帰り~
美音 (なんか疲れた・・・)
(夜ご飯どうしようかな・・コンビニのカレーでいっか)
(PPP~)
美音 (お母さんからだ)
美音 「もしもし?」
美音母 「あ、美音?あんた全然連絡くれないけど元気にしてるの?」
美音 「あ、うん、普通かな」
美音母 「なによ普通って!この前のお盆も帰ってこないし、たまには
顔くらいみせなさいよ!」
美音 「うん・・・ごめん、お正月には帰るから」
美音母 「お父さんも心配してるわよ?元気にしてるのかって」
美音 「元気だよって伝えておいて」
美音母 「それと、あんた良い人はまだいないの?そろそろどうなの
かしらってお姉ちゃんと話してたのよ」
美音 「またその話?そのうち・・・ね」
美音母 「そのうちそのうちって、お見合い話なら沢山あるのよ?」
美音 「だからそういうのはいいから、もう電話きるよ」
美音母 「あ、ちょっとみお・・・ガチャ」
美音 (もう・・・うんざり・・)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
明 (また一週間が始まったな・・)
後輩 「明先輩、おはようございます!」
明 「おぅ、おはよう」
後輩 「また一週間はじまっちゃいましたね~お休みは
ゆっくり出来ましたか?」
明 「まぁまぁストレスは発散出来たかな」
後輩 「お休みは何されてるんですか?」
明 「な、何って・・・」
(ありのままを言うのにはちょっと抵抗が・・・・)
「ん~映画観たり買い物行ったり、あ、ありきたりかな」
後輩 「そうなんですね~」
明 「そういうお前は?」
後輩 「お互いの実家行ったりあとは日用品や食材なんかのまとめ
買いとかですかね~」
明 (ん~それもなんだかなぁ~)
同僚B 「御手洗~今日たまには飲みにでもいこーぜ!」
明 「ん~そうだな」
同僚B 「じゃーいつもの駅前の居酒屋に7時な!遅れんなよー」
明 「了解」
~居酒屋~
同僚B 「さーせん~生1つ!」
明 「今日はよく飲むな~」
同僚B 「たまには飲ませろよ、日ごろ会社と家庭の間で俺の体は
ボロボロなんだ・・」
明 「あ・・あはは・・・」
同僚B 「あははじゃねーよ!お前も結婚すればわかる!良いも悪いも」
明 「まぁ~結婚にはあまり興味ないからなぁ」
同僚B 「な~にいってんだよ!まずは彼女だろうが!」
明 「そりゃそうなんだけど、そこまで欲してないというか・・」
同僚B 「お前なぁ~最近恋愛と疎遠だからって無欲にまでなって
しまったのか」
明 「この歳になると出会いも減るし紹介してとかめんどくさいんだよ」
同僚B 「・・・・・・」
同僚B 「よし!!」
同僚B 「この際だから相談所に行け!」
明 「はぁ?」
同僚B 「お前には刺激が必要なんだよ、刺激が!」
明 「だから願望がないんだって」
同僚B 「だから言ってんだよ!たまにはそういうお前にとって非現実的な
場所に行けば何か変わるかもしれないだろ?」
明 「いや、別に変えたい訳でも・・・」
同僚B 「たまには俺の言うことも聞けって!別に本気で結婚相手
探すとかじゃないし・・それに」
明 「それに?」
同僚B 「どうせ暇だろ?」
明 「おい!」
同僚B 「あははぁ~~まぁ冗談半分で行ってみろよ!」
明 「ん~考えとくわ」
~帰宅後~
明 「結構飲んだなぁ~」
(ポチポチ・・)
「結婚相談所・・・ねぇ・・これかぁ・・」
「へ~結構ガチな感じの割には金額はリーズナブルだな」
「まぁたまにはあいつの言うことに乗ってみるのも悪くないか」
(ポチ・・ポチ・・・ふぁぁ~眠い・・・)
~次の日~
同僚B 「よ・・よぅ・・」
明 「おはよう、どしたんだ?」
同僚B 「完全に二日酔いだ」
明 「お前飲みすぎだよ、そりゃ二日酔いにもなる」
同僚B 「だな・・まぁ久々に色々話せて楽しかったよ、じゃまたな」
明 「あぁ、また・・・あいつ大丈夫か?」
(ピロ~ン)
明 (ん?メール?)
(この度はY社ザ・ファンタジーにご登録頂き誠にありがとう
ございます、つきましては・・・・・・)
明 (なにこれ・・・・あ・・思い出してきた、昨日酔っ払った
勢いで登録したような・・・・ポチポチ・・・・やっぱり)
(来週末か・・・まぁ何も予定はないし次あいつと飲んだ時の
話のネタにでもする為に行ってみるかな)
~イベント当日~
明 (うあぁ~結構人来てるもんなんだなぁ)
(こんなにパートナー難民がいるもんなんか・・・なんか
帰りたくなってきた・・)
(PPP~)
明 「もしもし?」
同僚B 「もしもし?御手洗?どうよ~イベント行ってるんだろ?彼女
出来そうか?」
明 「まだ始まってないけど、周りはなんか本気モードな感じだよ」
明 「俺みたいな結婚願望まるでなし、ただ興味本位だけで来てる
人なんていない感じだよ」
同僚B 「まぁそー言うなってとりあえず色々な女性と話しすれば気持ちも
変わるかもしれないだろ?」
明 「まぁ・・社会勉強だと思って参加してみるよ笑」
同僚B 「今度飲んだ時にでも詳しく教えてくれよな~」
明 「あぁそれじゃな」
(本気でパートナー求めてる人もいるんだから失礼のない
ようにはしよう・・・)
女 (・・・・・・・・・・・・)
司会者 「さ~皆さんこれから1対1での10分間フリータイムで~す!」
明 (まじかぁ~なに話せばいんだろうか・・・)
イベ女1「こんにちわぁ~~~」
明 「あ、こんにちわ」
イベ女1「お仕事は何されてるんですかぁ~?」
「ご両親とお住まいですか?ご兄弟は?」
「私いくつに見えます?趣味は海外旅行とあとぉ~~」
明 「あ・・・あははぁ・・・」
(ムリムリ・・・・ガツガツ感半端ない)
司会者 「では10分経ちましたので席替えタイムでーす」
イベ女2「ムシャムシャ・・・」
明 (な・・なんかすごい食べてるんですけど・・・)
明 「あの、御手洗明と言います、お、美味しそうに食べますね」
イベ女2「ムシャムシャ・・・あぁ・どーも」
明 (なにこれ・・・・)
イベ女3「やっぱり~結婚って憧れますよね!綺麗なウェディングドレス着て~」
「素敵な家庭を気付いて~」
「いつまでもイチャイチャしたいですぅぅ~」
明 「そ、そうですね」
(この人どう見ても俺より20は年上だろ・・・)
司会者「では皆さんまた隣の席に移ってください~」
(次の人で最後か、終わったら帰ろう。。もう十分満足したし)
明 (え??すごい綺麗な人だな・・こんな所に来る必要ないだろうに)
女 「・・・・・・・・・・・」
明 「こ、こんにちは御手洗明と言います宜しくお願いします」
明 「このイベント初めてでまだ不慣れですが・・・」
女 「・・・・・・・・・・・」
明 「結構イベント参加される方が多いんで・・」
女 「・・・んしてもらえませんか?」
明 「え?よく聞こえなくて、なんですか?」
女 「私と結婚してもらえませんか?」
明 「・・・・・・・・・・・・え?」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
部長 「では冴島君、18時にX店でよろしく」
美音 「はぃ、わかりました」
~X店にて~
先方社長「お待たせしたね」
部長 「いえいえこちらこそ今日はお誘い頂きありがとうございます」
先方社長「これからもお宅とは良い関係を築いて行きたいからね」
部長 「もったないお言葉ありがとうございます」
先方社長「久しぶりだね冴島君」
美音 「お久しぶりです、いつもお世話になっております」
先方社長「今日はかたい話はぬきにして食事とお酒を楽しもうじゃないか」
「お前も早く座れ」
社長息子「はい」
部長 「どうも~ご無沙汰しております」
社長息子「こちらこそ、今日は冴島さんまで来て頂いてありがとうございます」
美音 「こちらこそありがとうございます」
先方社長「では乾杯しようじゃないか、乾杯!」
先方社長「しかし冴島君は見れば見るほど魅力的な女性だね私がもっと
若かったら黙ってはいないよ、あははは」
美音 「ありがとうございます」
社長息子「本当にお綺麗です、頭もキレるし仕事にも無駄がないと聞いています」
部長 「そうなんですよ、彼女が居てくれるおかげでどれだけ助かっているか」
美音 「・・・・・・」
先方社長「出来ることなら君を我が社へ迎え入れたいくらいだ」
部長 「それは困りますよ笑」
先方社長「ところで冴島君、君には特別な人はいらっしゃるのかね?」
美音 「・・・・・・なぜそのような事をお聞きになられるのでしょうか?」
先方社長「まぁそんなに構えないでくれたまえ」
先方社長「とは言え、こんな席を無理やり作ってもらったんだ、遠回しな
話し方はやめよう」
先方社長「うちの息子と結婚を前提に付き合ってはもらえないだろうか」
社長息子「社長!いきなり何を!」
先方社長「お前をみればすぐわかる、冴島君の魅力に惹かれているんだろう?」
社長息子「・・・それは」
先方社長「お前に惹かれる女性が沢山いるのは知っている、でもお前はまったく
興味をもたない。でも冴島君だけは違うだろ?冴島君がいるから
今日だってここに来た事くらいわかってるんだ。でなければ
お前がこのような席にくる訳がない。」
社長息子「・・・・・・・・・」
先方社長「どうかね冴島君、真剣に考えてみてはくれないだろうか」
部長 「良いお話じゃないか!冴島君、聞くところによると君ほどの女性に
特別な人がいないという噂は有名だよ」
美音 「・・・・・ます。」
全員 「ん?」
美音 「ごめんなさい、特別と言いますか、結婚を考えている人がいます」
先方社長「・・・・そうなのか、聞いていた話とは違っていた。冴島君失礼な話に
なってしまい申し訳ない。お前にも恥をかかせてしまったな」
社長息子「いえ・・・そんなことは。冴島さんほどの方にお相手がいない訳がない
とは思っていましたので・・正直ショックは隠しきれませんが・・・」
美音 「申し訳ありません」
先方社長「君が謝る事ではないよ、さぁ変な雰囲気にはなってしまったが
折角の料理だ食べようじゃないか
美音 「・・・・・」
~解散後~
美音 (勢いであんなことを言ってしまった・・・・・どうしよう)
(でもあれくらい言わないともっとめんどくさい話になってたし)
(はぁ・・・・おなか減ったな。。なに食べてたかよくわからなかったし)
(・・・・・カレー買って帰ろう)
~次の日~
京子 「はぁ~~~~???断っただぁ???」
美音 「・・・・・・・」
京子 「しかも結婚を考えてる人がいる??」
美音 「・・・・・・・」
京子 「どこのどいつよ!?」
美音 「そんなのいる訳ないでしょ」
京子 「わかってるわそんなこと!ダテにこれだけ長く付き合ってないわよ!」
美音 「あ・・・ぁ・・・ごめん」
京子 「はぁ・・・まぁあんたの気持ちもわからなくはないし
状況が状況なのもわかる」
京子 「でもあそこの息子っていったら・・わかるでしょーにもったいない!」
美音 「そういう問題じゃないわ」
京子 「あんたらしいから変に裏切られなくてホッとしている
気持ちもあるけど・・・」
京子 「さて・・・・」
美音 「ん?」
京子 「ん?じゃないわよ、結婚相手どうするのよ?」
美音 「・・・・・・・どうしよう」
京子 「あんたらしくない言動ね」
京子 「一つだけ方法があるけど・・・・?」
美音 「・・・・なんか怖い。」
京子 「まず聞いておきたいんだけど」
美音 「うん」
京子 「あんた結婚しろしろってまわりから言われてうんざりしてるんだよね?」
美音 「うん」
京子 「今後も結婚にはまったく興味はないっと。。」
美音 「うん」
京子 「しかも今回の件を解決したいんだよね?」
美音 「うん」
京子 「そうとなれば答えは一つね」
美音 「???」
京子 「結婚するしかないわね」
美音 「は?」
京子 「結婚しても今の生活にほとんど影響のない人を探して結婚しちゃうって話」
美音 「なにいってるの?」
京子 「だってそれしかないでしょ?結婚する予定があるって言ってしまった以上
しないとまた社長息子アタックしにくるわよ?
それに周りからも言われなくなるじゃない?一石二鳥って話よ」
美音 「それはそうだけど」
京子 「ほんっともったいない話よ、代わってもらいたいくらいだわ」
美音 「・・・・・・・・・・」
京子 「とにかく!明日から相手探しよ!てっとり早いのは相談所ね!
帰ったらすぐ登録しておくこと!良いわね?」
美音 「そんなにうまういくかし・・」
京子 「良いわね!??」
美音 「はぃ・・・」
~帰宅後~
美音 (やっかいなことになっちゃた・・・)
(自分でまいた種だからしかたないんだけど・・・)
(結婚なんてシステムがあるから悪いのよ)
(とりあえず言われた通りにやってみるしかない・・・登録は・・・)
「あーーー!もう飲まないとやってられない!」
(プシュッ!ゴクッ・・ゴクッ・・・パァ~~)
(カタカタ・・・カタカタ・・・)
(とりあえず登録は完了・・・・・どうなっちゃうのかなぁ・・・・)
~次の日~
(ピロ~~ン)
(この度はY社ザ・ファンタジーにご登録頂き誠にありがとうございます
つきましては・・・・・・・・・・・・・・・・・)
美音 (いきなり来週かぁ~なんか憂鬱・・・いくしかないわよね。。)
~イベント当日~
美音 (うわぁ・・すでに無理なオーラがすごいこの会場)
(京子にはあぁは言われたけどとてもそんな相手を見つけられるなんて
出来そうもない)
(目当ての人がいなかったとか言うしかないわね)
男 「・・・・周りはなんか本気モードな・・・・・」
美音 (ん?)
男 「・・・・・・・俺みたいな・・・・・興味本位で・・・・」
美音 (!!!)
男 「社会勉強だとおも・・・・・・」
美音 「・・・・・・・」
男 「あぁそれじゃな。」
美音 「・・・・・・・・いた」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
女 「この後少し時間ありませんか?」
明 「あ、ありますけど今、け・・結婚って言いませんでしたか?」
女 「詳しくは別の場所でお話します、あなたもこの場に耐えられないように
見えますので」
明 「あ・・・・はぃ」
~喫茶店にて~
明 (なんか変なことになったなぁ・・でも間違いなく結婚してくださいって
言ってたし・・・・しかもこんな美女が
(俺・・・・たぶん・・・変な壺売られるんだ・・・・・)
女 「いきなりでごめんなさい、冴島美音と言います、歳は28歳です。」
明 「あ、御手洗明、32歳です」
美音 「あの・・・・ですね」
美音 (やばい・・・なんて話たら良いかまったく考えてなかった・・・)
明 「あの・・・・・僕になにか売るつもりとか・・・ですか?」
美音 「ふぇ??」
明 「いきなりあなたみたいな美人な方が結婚してくださいっていうし
二人になるように会場から離れたし、それしか思いつかなくて」
美音 「・・・・プッ・・フフフ」
美音 「違います笑・・なにを言い出すのかと思いましたよ」
明 「あ・・違うんですか?よかった・・」
美音 「遠まわしに話するのが苦手なのでご了承ください」
明 「あ・・はぃ」
美音 「御手洗さん、結婚する気ないのにイベントに参加されましたよね?」
明 「え??あ、、はぃ・・・ってなぜわかったんですか?」
美音 「盗み聞きするつもりはなかったのですが、イベントが始まる前に
どなたかと電話でお話してるところを聞いてしまって」
明 「聞かれちゃってましたか・・・すごく失礼なお話ですよね・・
真剣に参加されてる方もいらっしゃるっていうのに」
美音 「それに関しては私には非難できません、私も似たような思いで
参加しましたから」
明 「そうなんですか?」
美音 「はい、それでここからは私の想像でお話させていただきます」
明 「・・・・・・・はぃ」
美音 「結婚する気はないけど結婚相談所に誰かに無理やり行かされた」
美音 「32歳でイベントにきて社会勉強のつもり的なノリで参加」
美音 「容姿も極端にもてなそうな感じではない」
明 「・・・・・・・・」
美音 「あくまで可能性としてですが、結婚に魅力は感じないが周りから
結婚しないのかとよく言われしかたなく参加した・・・・・・
私の推理どうでしょうか?」
明 「・・・・・ほぼ当たってます。あの・・占い師の方ですか?」
美音 「だから、変なものも売らないし、占い師でもないです!」
明 「ぷぷっ・・売らないと占いを掛けたんですね!お上手です!」
美音 「ちがっ!違いますよ!別にダジャレを言っているわけではないです!」
明 「あ、そうだったんですね、すみません。」
美音 (もぅ・・調子くるうなぁ・・)
美音 「あなたも私も結婚生活には興味はない、でも年齢的に
周りから嫌というほど追いつめられる」
明 「ごもっともです」
美音 「なので籍はいれるけど、いままでとなんら変わりのない生活をおくる・・」
明 「・・・・・・・・」
美音 「言っている意味わかりますよね?」
明 「はい・・なんとなくは・・」
美音 「ですから、もう一度言います」
美音 「私と結婚してくれませんか?」
明 「あの・・ひとついいですか?」
美音 「なんでしょう?」
明 「別に籍を入れる必要はないんじゃないでしょうか?周りには
結婚しているってことだけにすれば・・」
美音 「それではダメです、本当に結婚して籍をいれてなければどこかで
ボロがでます会社にも、お互いの家族にもそのうちバレます」
明 「・・・・・・ゴクッ」
美音 「私の提案は以上です。」
明 (たしかに・・・・この先も誰かと一生とか考えてないし、かといって
周りからは今以上にうるさく言わるだろう。ならいっその事仮でも
結婚しているとしておけばストレスもだいぶ無くなる・・・・・)
明 「・・・・・・・・・・・・・・」
美音 「・・・・・・・・・・・・・・」
明 「わかりました。結婚しましょう。」
美音 「え??ほんとうにそれで良いのですか?」
明 「え?あなたが言い出した話ですよね?」
美音 (本当に結婚することになると思わなかった・・・・・)
(でもここまできてもう後戻りなんて出来ない・・)
明 「これから宜しくお願いします」
美音 「こちらこそ宜しくお願いします」
~こうして奇妙な結婚生活がはじまる~
明 「とりあえず籍は入れましたが、これからどうしていきましょうか・・」
美音 「そうですね、住まいは今まで通り別々で生活」
美音 「最低限以外は干渉しあわない」
明 「本当に籍だけいれてあとは今までとなんら変わりない感じですね」
美音 「それはそうです、その為の結婚ですから」
明 「ではなんら変わりなく生活できるわけですね」
美音 「そうでもないですよ、式は挙げなくて良いにしてもお互いの親への
挨拶や上司、同僚への顔合わせ等、最低限やることはあります。」
明 「あぁ・・そうですよね・・・しかし冴島さん色々なところに気付きますね」
美音 「その呼び方も気を付けないとだめですよ、親族の前で冴島さんはないです」
美音 「私は明さんと呼ばせていただきます、御手洗さんは美音とでも
呼んで頂いて結構です」
明 「呼び捨てはちょっと抵抗があるので僕も美音さんと呼ばせて
いただきますさん付けする旦那さんもいると思いますので。」
美音 「なんでも良いです」
美音 「それとお互いの連絡先は交換しましょう少なからず色々やり取りは
あるでしょうから」
明 「そうですね、周りにはもう話して良いですよね?」
美音 「そうしてください、あとは顔合わせ等の時に合流して
やり過ごしましょう」
明 「了解です」
美音 「では・・私はこれで何かあったら連絡ください」
明 (仮とはいえ、世間一般では俺・・・結婚したんだよな・・・・)
~駅前の居酒屋にて~
同僚B 「おう!お前から誘ってくるとはめずらしなこの前のイベントの話か?」
明 「あぁ、そうなんだけどさ、俺、結婚した」
同僚B 「は?何言ってんだ?」
明 「だからこの前行ったイベントで知り合った人と結婚したんだよ」
同僚B 「嘘だろ?」
明 「まじだよ」
同僚B 「だってお前、イベント行ったの先週の話だろ?」
明 「そ、そうなんだけどさ、な、なんていうかな・・・この人だ!って
思ったっていうか」
同僚B 「それにしたって会っていきなりかよ!普通付き合ってからだろ」
明 「だ、だからお互いにビビッってきたというか」
同僚B 「お前・・・・」
同僚B 「意外と情熱的なのな」
明 「俺も意外だったよ・・・」
同僚B 「じゃー結婚式前に一度紹介しろよな」
明 「式はやるつもりないんだ」
同僚B 「そうなのか向こうさんはそれで良いって?」
明 「あぁ」
同僚B 「まぁ式やらないのなんて最近ではめずらしくもないしな」
明 「ち、近いうちに紹介するよ」
同僚B 「びっくりしたけどとりあえずおめでとう!今日はお前のおごりな!」
明 「・・・・・・・・・・・・・・・・」
京子 「ま、まさか本当に結婚するとはね・・・・・」
美音 「私もびっくりしてる」
京子 「まぁこれであんたも晴れて人妻ってことね」
美音 「変な言い方しないで、あくまでも籍を入れただけで他人よ」
京子 「世間一般では立派な人妻にはかわりないでしょ」
美音 「ま・まぁそうだけど」
京子 「あんたに先越されるとはねぇ~~」
美音 「京子が勧めたことじゃない」
京子 「そうなんだけどまぁ半分冗談~みたいな笑」
美音 「・・・・・・・・・・あんたね」
京子 「でも結果オーライじゃない、これでもう結婚しろとか
言われなくなるわよ」
美音 「まぁそうだけど」
京子 「まだなにかあるの?」
美音 「会社には言ったんだけど、まだ家族には言ってなくて」
京子 「それは早く言ったほうがいいわね色々と順番がちがうけど・・・」
美音 「今日にでも言おうと思ってる」
同僚女A「冴島さん結婚したって話きいた?」
同僚女B「聞いた聞いた、びっくりしたよ」
同僚女A「まったく噂すらなかったのになんだかんだ宜しくやってたのね~」
同僚女B「冷徹冷子は今日で引退かなぁ~笑」
同僚女A「どんな物好き男なのかしら」
同僚女A「すぐ別れるんじゃない?アハハ~」
美音 「同僚女Bさん、この書類誤字脱字が多すぎですちゃんと確認してから
提出してください、時間の無駄です」
同僚女B「あ、はい、すみません」
美音 (フンッ)
~その夜~
(PPP~)
美音母 「もしもし美音?めずらしいいわね、そっちから電話してくるなんて」
美音 「そうだね・・実は折り入って話があって・・・私・・・結婚した」
美音母 「な、、、なに言ってるのよ!結婚したい人がいるとかじゃなくてもう
したって事!??
美音 「う・・うん」
美音母 「・・・・・・あんたにはほんとに呆れる」
美音 「お、お母さんだって早く結婚しなさいって良く言ってたじゃない!」
美音母 「そうだけど、順序ってものがあるでしょ!!」
美音 「・・・・・・・・」
美音母 「とにかくお父さんやお姉ちゃんにも言っておくから近いうちに
二人できなさいよ!」
美音 「・・・・・うん」
美音 (はぁ・・・と、とりあえず何とかなったけど・・・これからが大変だ
明さんには連絡しておかないと)
明 (ん?美音さんからメールだ)
美音 (明日、話したい事があるので夜どこかでお会いできませんか? )
明 (どうしたんだろう、何か問題かな、同僚Bにも合わせる話したいから
丁度よかった。 了解です、よかったら夜ご飯でも食べながらは
どうですかっと)
美音 (わかりました、では19時に駅前のファミレスではいかがでしょうか?)
明 (了解です、宜しくお願いします)
明 (あれ以来会ってないから久しぶりな感じだな、一応夫婦・・だもんな)
~ファミレスにて~
美音 「お待たせしました」
明 「あ、こんばんは」
明 (やっぱりすごい綺麗な人だな・・・・スーツ姿がまた素敵だ)
美音 「どうかされましたか?」
明 「いぇ・・別に・・それでお話とは?」
美音 「明さんご両親にはお話されましたか?」
明 「あ、はい・・すごく驚かれました、しかもまずは会わせてからだろ!
だの式はどうするだのって、もう・・・・」
美音 「私の方もです」
明 「あ・・あはは~ですよね」
美音 「まぁこれは想定の範囲内ですからあまり驚きもしませんが
行く事にはなります」
美音 「顔合わせに行く順序はどちらからでも良いですが」
明 「まずは美音さんのお家からで良いですよ」
美音 「わかりました、ではうちからいきましょう、ただ〇〇県なので
土日で行く感じになってしまいますが大丈夫ですか?」
明 「明日の土曜日は昼に予定があるので来週なら大丈夫ですが」
美音 「わかりました、では来週予定しましょう、明さんのお宅はどちらなの
ですか?」
明 「うちは○○町なので30分もあれば行けます」
美音 「ではその次の週あたりでお伺いさせて頂く感じで宜しいですか?」
明 「そうですね、それで大丈夫です」
明 「話も終わったことですし、何か食べませんか?」
美音 「そうですね」
明 「すみませ~ん、ハンバーグ定食と~」
美音 「カレーライスお願いします」
明 「結婚して以来、周りからは驚かれてばかりですよ笑」
美音 「始めはそうですね、まぁそのうち落ち着いて、私たちが求める通り
もう周りからは言われなくなります」
明 「そうですね、あ、今度同僚が会わせろって言われてるのですが・・・・・」
美音 「・・・・・・・・わかりました」
明 「ありがとうございます」
美音 「食べ終わりましたし、行きましょうか」
明 「あ・・はい・・・」
レジ 「お会計1952円になりますご一緒で宜しいですか?」
明 「あ、ここは僕が出します、いっしょで・・・」
美音 「別々でお願いします」
明 「あ、ここは僕誘ったのでご馳走しますよ」
美音 「いえ、奢られる義理はありませんので」
明 「あ・・・あ・・そうですか」
(PPP~)
美音 「ちょっとごめんなさい、もしもし、お姉ちゃん?どしたの急に?」
明 (結婚してるとはいえまぁ結局は他人だからね・・・・でもなぁ。。)
美音 「え???え???・・・・・・・」
明 (どうしたんだろ、トラブルか何かの電話かな)
美音 「ちょ・・ちょっとおねぇ・・ガチャ」
明 「ど・・どうしたんですか?」
美音 「・・・・・・明日、、両親と姉がこっちに来るって・・・・」
明 「ふぇ?」
明 「明日ですか・・僕はどうしたら・・・」
美音 「・・・・・・・・どうしよう。」
明 「・・意外です」
美音 「な、何がですか?」
明 「あ、いえ、いつも冷静なんで慌てるところもあるんだなぁと思って」
美音 「そ、そんなつまらないこと言ってないであなたも考えてください!」
明 「まぁとりあえずベンチにで座ってからにしましょう」
美音 「・・・・・はぃ」
明 「はい、コーヒー」
美音 「あ・・・」
明 「これは奢りですよ、僕が勝手に買ったんでいらなかったら
捨ててください」
美音 「・・・・・いただきます」
二人 「ゴク・・・ゴク・・・ふぅ」
明 「まずご家族には僕たちがどこに住んでるってことになってるん
ですか?」
美音 「・・・良いところが見つかるまで、二人で私のマンションに
住んでいる事になってます。」
明 「その家に皆さん居らっしゃるってことですよね?」
美音 「はぃ」
明 「確認なんですけど、明日僕も皆さんに会うってことになるので
あれば美音さんのお家に僕が入るってことになりますがそれは
大丈夫ですか?」
美音 「!!!」
明 「それが無理なのであれば外で食事にするとか」
美音 「二人の生活が見たいから、うちに行きたいって・・・」
美音 「しかたないですね、了承します」
明 「わかりました笑」
美音 (男性が家に・・・・・・・・)
明 「それと一緒に生活しているっぽく見せるためには全部とは言わ
ないけれど男性物の生活用品とか置いとかないとですね。」
美音 「た、たとえば?」
明 「そうですね・・洋服や靴、歯ブラシくらいは置いておかないと
ですかね」
美音 「・・・・・」
明 「明日は何時にくるんですか?」
美音 「12時くらいにうちに来るっていってました・・」
明 「では明日午前中にでも美音さんのおうちの近くまで持って
いくので適当に置いといてください」
美音 「はぃ・・・」
明 「あとは話合わせとかなければならないことってあります?」
美音 「特にはありませんが・・・出会って間もなくして結婚したって
ことになってるくらい・・・」
明 「わかりました、話しを合わせるようにしますね」
明 「明日は昼から少し用事がありますんで16時くらいに美音さんの
お家にいくようにします」
美音 「よ、宜しくお願いします。」
明 「さて、帰りましょうか、少し遅くなってしまったんで駅まで送ります」
美音 「あ、ありがとうございます」
~その夜~
美音 (なんでいきなりくるのよ・・・・・しかもお姉ちゃんまで・・)
(今回凌げばしばらくは来ないだろうし、どうにかごまかそう・・)
(明さん、冷静だったな・・・いつもはふわっとしてるのに)
(・・・・・・・/// なに馬鹿なこと考えてるんだろ・・・)
~訪問当日~
明 「とりあえずこれをお家に置いといてください」
美音 「わかりました」
明 「16時くらいに一度メール入れてからインターホン鳴らしますね
それじゃ!後ほど」
美音 「お願いします・・・」
(ピンポーン)
美音 「ほんと急に来るわね・・」
美音姉 「やっほー久しぶり~悪いわねー新婚生活邪魔しちゃって~」
美音 「ほ、ほんとよ」
美音姉 「しかし男っ気がまったくなかったあんたがねぇ、ところで旦那は~?」
美音 「し、仕事で16時くらいに帰ってくるわ」
美音姉 「じゃーそれまで色々と話し聞かせなさいよね~」
美音母 「ちょっとお姉ちゃん玄関で話てないで早く入りなさい!お父さんも!」
美音父 「お前らが邪魔で美音が見えないじゃないか」
美音 「今、お茶入れるね・・」
美音姉 「なんか久しぶりに来たけど相変わらず殺風景な部屋ね、旦那も
地味な感じなの?」
美音 「失礼ね、必要ないものはいらないだけ、明さんもそういう人なの」
美音母 「突然結婚したなんていうから、、まったく、、待ってようかと
思ったんだけどお姉ちゃんが、待ってるといつまでも来ないわよって
言うから来たって訳」
美音 「ちゃんと紹介しに行く予定だったわよ」
美音姉 「どうだか~」
美音 「それよりお姉ちゃん、旦那さんと雄太くんは大丈夫なの?」
美音姉 「大丈夫大丈夫、うちはちゃんと旦那の教育なってるからね~」
美音 「・・・・・あっそぅ」
美音父 「今日は明君には会わせてもらうけど、近いうちに向こうのご両親にも
ちゃんと顔合わせさせてくれよ」
美音 「わ、わかってる」
美音母 「向こうのご両親にご挨拶はいったの?」
美音 「来週行く予定、明さんのご両親は近くに住んでるから・・・」
美音母 「ちゃんとご挨拶してきなさいよ!」
美音 「だからわかってるって!」
美音 (結婚したらしたでめんどくさい・・・・)
美音姉 「あんたちゃんとご飯作ってあげてるの?ってか作れるの?」
美音 「つ・・作ってるわよ・・一応」
美音姉 「へぇ~顔は姉の私からみても何万人かに一人ってくらいの顔だけど
男っけなしで家庭には不向きの人間だと思ってたわ」
美音母 「ちょっとお姉ちゃん言い過ぎ!美音だって家庭的なところは
あるわよ!掃除だって几帳面だから丁寧だし、ただ・・・
料理は・・・・ねぇ・・」
美音 「だからちゃんとやってるって!」
美音姉 「それにしては料理道具があんまり見当たらないけど?」
美音 「!!!」
美音 「ちゃんとあるわよ!」
美音 (よく見てるなぁ・・・男性物散らばせといてよかった。。。。)
(ピロ~~ン)
明 (もう少ししたらあインターホン鳴らしますね)
美音姉 「なになに~今から帰るよメールですか~初々しいね~」
美音 「そんなんじゃないわ」
美音父 「明君はお酒は飲むのか?」
美音 「た、多少なら飲む・・・かな」
美音父 「良かった、一緒に飲む為にこれ持ってきたんだからな~」
美音母 「これで良しっと、ある程度は作って持ってきてるからあとは美音が
作りなさいよ」
美音 「きょ、今日の夜は外食かと思って材料買ってきてないよ」
美音母 「え~なによもぅ、折角なんだからお家で食べましょうよ」
美音 「じゃぁあとでコンビニでも行ってくるよ」
美音姉 「新婚の旦那にコンビニとかありえね~~」
美音 「今日はしょうがないじゃない!」
(ピンポーン)
美音 (来た・・・・)
明 「はじめまして、御手洗明と申します」
美音 (スーツで・・・)
美音父 「初めまして、美音の父です」
美音母 「母です」
美音姉 「姉で~~す!」
明 「この度はろくに挨拶のもいかずいきなり籍まで入れてしまい申し訳
ありませんでした」
明 「非常識なのは重々承知の上です本当に申し訳ありません」
美音母 「良いのよ~美音と一緒に決めたことなんでしょうからそれに
そちらのご両親にもまだ挨拶してないんでしょ?」
明 「はい、近いうちすぐ行く予定です」
美音父 「まぁもういまさら咎めるつもりはないよ、とりあえず足をくずしなさい」
明 「失礼します」
美音姉 「なによ~挨拶も来ずにいきなり結婚するくらいの男だからもっとダメな
人かと思ったら、ちゃんとしてるじゃない~」
美音 「ちょっとお姉ちゃん失礼じゃない!」
明 「いや、実際大事な娘さんと許可なく結婚したんだから何言われても
しかたないしもし僕に娘がいたとしたらやっぱり良い気はしないから」
美音 「・・・・・・」
美音父 「まぁもういいじゃなか!とりあえず明君、飲もう!」
明 「はい!」
美音父 「いやはははぁ~明君~、美音をよろしくたのむよ~~~」
明 「もちろんです」
美音姉 「明~お前なかなかの男じゃねーか~!ウップゥ、どんどん飲めや~」
明 「まさかお姉さんと同い年とは~」
美音姉 「良い奥さんもらったな~オイ!こんな美人稀だぞ稀!」
美音 「みんな飲みすぎ・・・」
美音母 「うぅぅ~ZZZ」
美音 「もう適当に雑魚寝して・・・・」
明 「美音さん、みんな寝たので僕はこのまま帰ります。朝一で仕事に
行ったとでも言っておいてください」
美音 「え、でもこんな時間じゃ、朝までいてもらってかまいませんよ」
明 「そういう訳にもいきませんよ、そこら辺からタクシー拾うんで
大丈夫です」
美音 「・・・・・・・・・・・・・そうですか」
明 「来週はうちの方、宜しくお願いします、じゃ!」
美音 「今日は、あ、ありがとうございます」
明 「・・いえいえ、仮でも夫婦ですから笑」
美音 「・・・・・・・・」
同僚B 「御手洗~」
明 「お前か、おはよう」
同僚B 「お前かーじゃねーだろ、恋のキューピット様だぞ!」
明 「・・・・・・まぁたしかに」
同僚B 「っで、いつ会わせてるんだ?」
明 「今週ならどこでも大丈夫そうだけど」
同僚B 「じゃー明日、いつもの居酒屋でどうだ?」
明 「あ、あそこ~?まぁ聞いてみるよ」
同僚B 「んじゃよろしくな~」
明 「はぁ・・・・気使うなぁ」
(ピロ~ン)
美音 (明さんからだ)
明 (明日、この前言っていた同僚との顔合わせどうかなと思ってメール
しましたがご予定はどうでしょうか?)
美音 (しかたないわよね・・・・・了解ですっと)
明 (よかった~)
~いつもの居酒屋~
同僚B 「おせーぞ御手洗!」
明 「悪い悪い」
同僚B 「あれ?奥さんは?」
明 「仕事で遅くなるから直接ここにくるって」
同僚B 「じゃー先に飲んでまってよーぜ。」
明 「そうだな」
同僚B 「んで、どんな人なのよ?」
明 「俺とは不釣り合いなくらい綺麗でしっかりしてる感じの人かな」
同僚B 「ふ~ん、年下だっけ?」
明 「あぁ4つ下かな」
同僚B 「お前、仕事の時やいざというときは頼りになるけど普段はダラダラ
だからそういう人の方が良いな」
明 「なんかムカつく言い方だな」
同僚B 「本当の事だろ笑、まぁ綺麗かどうかは俺が判断してやるぜ!」
明 「お前なんで上からなんだ、お前に評価されたくないわ」
同僚B 「まぁまぁ」
美音 「こんばんは」
明 「こんばん・・・お疲れ様」
美音 「遅れて申し訳ありません」
明 「全然、うちらも今来たところです」
同僚B 「・・・・・・・・・・・・・・・・うそだろオィ」
美音 「??」
同僚B 「まじか!御手洗!なぜこんなモデルのような女性がお前の・・・・」
明 「い、いや、、嘘じゃなくて・・一応奥さん」
美音 「はじめまして御手洗美音と申します」
同僚B 「び、びびった・・・」
明 「ま・・とりあえず乾杯しようか」
三人 「乾杯~」
同僚B 「美音さんほんとにこいつとで良かったんですか?美音さんなら
もっと良い人が」
明 「おい!俺にも彼女にも失礼だ」
同僚B 「だってよ、いまだに信じられない訳よ・・・」
同僚B 「こいつのどこに惹かれて結婚を決めたの?」
美音 「一目惚れです」
明 「!!笑」
同僚B 「ひあぁ~~~お前・・・幸せ者だな」
明 「ま、、まぁ」
同僚B 「俺が相談所勧めたんだから感謝しろよな!」
明 「わ、わかってるよ」
美音 「この方が電話でお話されてた人なんですね・・・ボソ」
明 「そうです・・・ボソ」
同僚B 「でも美音さん、そんなお綺麗なんだから相談所なんかに行かなくても
言い寄る男はいくらでもいると思うんだけど・・・」
美音 「・・・・・・・友達の付き合いで参加したのですがそこに明さんが
いらして一目惚れしたのです。」
同僚B 「・・・お前一目惚れされる感じには見えないんだけどな」
明 「まぁ人それぞれ好みが違うから」
同僚B 「まぁそうだな、美音さん、こいつこんなんですがいざって時は
頼りになるし人のことを思いやれる良い奴なんですこれからも
こいつの事宜しくお願いします」
美音 「 ・・・はいわかりました」
~解散後~
明 「美音さんすみませんでした、あいつかなり酔っ払っちゃって」
美音 「大丈夫です、明さんの事信頼してる感じでしたし良い方じゃ
ないですか」
明 「ま、まぁそうですね」
美音 「それより来週の明さんの実家に行く件についていくつかお聞き
したいのですが」
明 「はい」
美音 「あらかじめ知っておいたほうが合わせやすいと思いますし」
明 「前にも言いましたが実家は○○町で、そこに親父が住んでます」
明 「母は長らく入院してます、もう3年くらいですかね」
美音 「・・・・そうですか」
明 「あと5個下の妹がいるのですが嫁いで今は○○県にいますちょいちょい
こっちには来てます」
美音 「では、来週は実家のお父様とお会いしてからお母さまの所にいく
感じで良いでしょうか?」
明 「母の所にも行ってくれるんですか?」
美音 「もちろんです、一度はちゃんと挨拶しておかないと」
明 「そ、そうですねではそうしましょう」
美音 「ではまた来週、詳しい時間等はメールでやりとりということで」
明 「了解しました」
美音 「では」
明 「美音さん!」
美音 「?」
明 「今日は付き合ってくれてありがとうございました」
美音 「・・・・・・おやすみなさい」
明 「おやすみなさい」
~明家挨拶日~
明 (ちょっと早く来過ぎたかな)
美音 「こんにちは」
明 「あ、こんにちは、早いですね」
美音 「明さんこそ、それではいきましょうか」
明 「その紙袋は?」
美音 「流石に手ぶらって訳にもいきませんから」
明 「あ、ありがとうございます」
明 「ただいまー父さんー」
明父 「おう!早かったな!」
美音 「はじめまして、冴島美音と言います」
明 「今は御手洗美音さんです」
明父 「ちょ、ちょっと明こっち来い」
明 「え?なに?」
明父 「お前、あんなベッピンさんどこで知り合って結婚までしたんだ?」
明 「あ・・あははは(もう慣れっこになってきた)」
美音 (???)
明父 「騙されてるとかじゃないだろうな・・・ボソ」
明 「父さん失礼だよ!騙されてなんかないし、俺の奥さんだよ」
美音 「・・・・あの」
明父 「あ、すまんね~美音さん、ささっ、こっちでお茶でも」
美音 「お邪魔します」
美音 「これ、つまらないものですが」
明父 「わざわざ申し訳ないね、ありがたく頂きますよ」
明父 「しかしほんと突然だったからびっくりしたよ、母さんはそうでも
ない感じだったけど明妹なんて、お祭り騒ぎだったぞ」
明 「突然連絡しちゃってびっくりするよね・・・ごめん」
美音 「本当に申し訳ありませんでした」
明父 「いや、もういいんだよ、それより明が結婚したってことがうれしいし
なによりこんな素敵な女性がお相手とは・・・・」
美音 「いえ、そんなことは」
明父 「正直、明の結婚は半分諦めていたんだよ、こんな性格だから結婚は
向いてないって思いこんじゃってるからな」
明 「・・・・・・」
明父 「でも実際美音さんと結婚した、これから色々辛いことや大変なことが
あると思うがそれと同じくらい良い事や楽しい事が待ってると
思ってもらいたいんだよ」
明 「父さん・・・」
美音 「こちらこそ宜しくお願いします」
明父 「これから母さんの所へいくんだろ?父さん一緒には行けないけど
母さんには伝えてあるから」
明 「あぁ、じゃー行ってくる」
美音 「お邪魔しました」
明父 「またいつでも来てくださいね」
美音 「・・・はい」
美音 「お父様、明さんの結婚すごく喜んでましたね」
明 「そうですね、美音さんのご家族もそうですけど、周りの人は
そうなんでしょう」
美音 「まぁその為の結婚ですから」
明 「そうですね」
~病院~
明 「ここです」
美音 「はい」
明妹 「あーーお兄ちゃん!」
明 「お前、来てたのか?」
明妹 「もちろんよ、やっとお兄ちゃんが結婚したんだもの相手さんにも
会いたいじゃない?お母さんの顔も見たいし!」
美音 「はじめまして」
明妹 「・・・・・・・」
明妹 「お兄ちゃん、こちらの方は?」
明 「俺の奥さんだよ」
明妹 「・・・・いやいや、冗談はやめてよ」
美音 「本当です」
明妹 「えーーーーーー?」
明母 「ちょっと明妹ちゃん?~ここ何処だと思っているの?騒いでないで
入ってきてそこに明もきてるんでしょ?」
明妹 「あ、ごめんなさい」
明 「母さんどぅ?調子は?」
明母 「今日はかなり楽なのよ、天気も良いし、それでそちらの方が美音さん
かしら?」
美音 「はじめまして、冴島美音と申します」
明母 「こんにちは、明の母です。わざわざここまで来ていただいて
ごめんなさいね」
美音 「いえ、本当はもっと早くにご挨拶に来なければ行けなかったのですが」
明母 「色々な事情が二人にはあるんですからそんなのは良いのよ」
美音 「・・・・・すみません」
明妹 「それにしてもびっくりだよねーこんな素敵な人がお兄ちゃんの・・」
明 「うるさいなぁ」
明母 「明妹ちゃん、その話はもうおしまい!」
明妹 「はぁぁ~ぃ」
明母 「あらためて、二人とも、結婚おめでとう!」
明 「あ、ありがとう」
美音 「・・・ペコリ」
明 「それじゃぁ俺たちはそろそろ行くね」
明母 「久々に沢山お話したから時間が経つのがはやいわね」
美音 「失礼します」
明母 「美音さん?」
美音 「はぃ」
明母 「あまり無理しないようにね」
美音 「???」
美音 「はぃ・・失礼します」
明 「今日はありがとうございました」
美音 「とりあえずこれでお互いの家族との顔合わせも無事におわったので
しばらくは大丈夫ですが、定期的に会うことにはなると思います」
明 「そうですね、お正月とかもありますし」
美音 「まだ少なからずお互いの家族、仕事等情報交換が必要だと思うので
食事がてらお話しませんか?」
明 「そうですね!行きましょう、あ、その前にちょっとそこの
ペットショップに寄ってもいいですか?」
美音 「構いませんが、何か飼ってるんですか?」
明 「はぃ、5歳になる猫が一人」
美音 「そうなんですね」
明 「女の子なんですが、よく食べるんですごく大きいんですよ」
美音 「そうなんですか・・・お名前は?」
明 「ハラミです!!!」
美音 「そうですか(なぜハラミ??)」
明 「お待たせしました、いきましょうか」
明 「またカレーですか?」
美音 「食べるのが楽だから好きなんです」
明 「そうなんですね・・・おいしいですしね」
美音 「・・・・・・・・・・」
美音 「ところでお母様なんですが・・・・・・」
明 「・・・・何万人かに一人の難病だっていってました」
美音 「・・そうですか、ごめんなさい、聞くつもりはなかったのですが」
明 「いいんですよ、仮とはいえ、夫婦ですからそのあたりの情報は
知ってないとかえっておかしいですし」
美音 「・・・・・・」
明 「正直、いつどうなるかわからないと言われています」
明 「でも母さんはいつも前向きなので時々病気なのを忘れて
しまうんですよ~」
美音 「そうなんですね」
明 「今日は本当にありがとうございました、母も少しはホッとして
くれたと思います。」
美音 「いえ、別に・・・」
美音 (本当に聞くつもりはなかったんだけど、最後のお母様の言葉が・・)
明母 (あまり無理しないようにね)
美音 (どういう意味なんだろう・・・なにか無理してるように見えたのかな)
明 「ではまた何かあったらお互い連絡しあいましょう」
美音 「はい、それでは」
~美音帰宅後~
美音 (ふぅ~気持ちよかった~たまにはちゃんとお湯に浸からないと
疲れがとれないわ)
(プシュッ!ゴクッ・・ゴクッ・・・おいしぃ)
(とりあえずこれで暫くは大丈夫かしらね・・・・あれ?)
(明さんのTシャツ・・この前返し忘れたんだ・・
今度の時に返せばいいよね・・)
~明帰宅後~
明 「ただいま~ハラミ~~」
ハラミ 「ミヤァ~~~」
明 「ほれほれ~~いつものおいしいやつだぞーー」
ハラミ 「ムシャムシャ、ウミァ~~~~アァ」
明 「ほんと美味しそうにたべるなぁ~おんなじものばっかり食べてるのに」
明 「・・・・・美音さんもカレーばっかり笑 お前ら似てるかもね」
ハラミ 「ミヤァ??」
明 「なんでもないよ笑」
美音 「クシュン!」
「湯冷めかしら・・・)
京子 「美音~お昼いこ~~」
美音 「うん」
京子 「・・・でどうなのよ~~」
美音 「なにが?」
京子 「またまた~新婚生活よ~」
美音 「ゲボッ・・・なに言い出すのよ」
京子 「なにって普通の事じゃない」
美音 「お互いの家族と顔合わせしたくらいで生活自体はなにも
変わってないわよ」
京子 「まぁそうなんだけど、嫌々でもその旦那さんとは色々お話は
してるんでしょ?」
美音 「そりゃそうよ、お互い色々打ち合わせしなければならないし」
京子 「でも、特定の男性とまともに話さないあんたがそれだけ話したり連絡先
交換したり挙句の果てには家にまで招いたんでしょ?」
美音 「必要なことだからよ!」
京子 「にしたって~なにか心境の変化がないってこともないんじゃないの?」
美音 「なにもかわらないわ」
京子 「自分では気づかないものよ」
京子 「かわらないのはあんたのカレー好きな事だけ!笑」
美音 「明さんにも良く言われる」
京子 「ほら~~~!」
美音 「な、なによ!?」
京子 「前までは明さんの「あ」の字も話題にでなかったしましてや二人で
食事した話とかすらしなかったのにねぇ~~」
美音 「そ、そんなことないわよ」
京子 「んん??そうかなぁ~~??」
美音 「うるさいなぁ!もうこの話はおしまい!」
京子 「はぃはぃ、てかそろそろ私にも紹介しなさいよ、向こうの友達には
会ったんでしょ?」
美音 「・・・・・・・」
京子 「なんで黙るのよ!」
美音 「なんか危険な気がする・・・」
京子 「ちょっと!何がよ!向こうのキューピットに会ったんだから今度は
こっちのキューピットの番でしょ!」
美音 「わ、わかったわよ、聞いてみる」
京子 「よろしい!飲めるところでよろしく~~」
美音 「はいはい」
(PPP~)
明 (美音さんからだ、電話なんてめずらしいな)
明 「もしもし?」
美音 「美音です、そちらはかわりないですか?」
明 「はい、特には」
美音 「実はこちらからはお願いしたいことが」
明 「なんでしょうか?」
美音 「この前そちらのキューピットなる同僚Bさんとお会いしたじゃ
ないですか?」
明 「あ、はい」
美音 「今度はこちらのキューピットが会わせろと・・・」
明 「あ・・・あははぁ・・・」
美音 「笑ってる場合じゃなですよ、こっちのキューピットは癖が強いのと
全ての事情を知ってるんです」
明 「え?仮の結婚ってことも?」
美音 「もちろんです」
明 「すべて知ってる上で会う感じなんですね・・・」
美音 「はい」
明 「初めてのパターンですがなにか打ち合わせ等したほうがよいですか?」
美音 「特にはないんですが、色々と明さんにガツガツ質問してくるかも
しれないので適当にあしらってください」
明 「・・・・適当に・・できるかなぁ」
美音 「あまり深入りして墓穴掘らないように」
明 「はぃ、気を付けます」
美音 「では日時と場所はまた連絡します。」
明 「了解です」
美音 「では・・ガチャ」
明 「大丈夫か・・俺・・・」
~サンドブラスト教室~
明 (さて、今日もがんばるぞ!)
先生 「御手洗さんこんにちは、今日はどの柄にしましょうか~」
明 「こんにちは、今日は猫用のご飯のお皿にまたうちの猫の写真を柄に
しようと思ってます」
先生 「良いですね~ハラミちゃん愛されてますね!」
明 「もうハラミなしでは生きていけないですよ~」
紗香 「こんにちは~」
明 「あ、こんにちは~」
紗香 「今日も猫ちゃんの柄ですか?」
明 「そうしようかと、タヌキじゃないですからね笑」
紗香 「もぅ~~あれは~///」
明 「あはは・・紗香さんはどんな柄に?」
紗香 「悩んでるんですよね~」
明 「僕はいつもハラミばっかりですよ」
紗香 「猫ちゃん、ハラミって名前なんですか??」
明 「そうなんです」
紗香 「なんかかわいいです!」
明 「ありがとうございます、なんとなく付けた名前なんですがすごく
しっくりくるんですよね笑」
紗香 「ハラミちゃんって感じです!」
先生 「そろそろはじめますよ~」
明 「今日はここまでかな・・・疲れた~」
先生 「お疲れ様でした~また次回続きがんばりましょう!」
明 「はい、お疲れ様でした」
紗香 「御手洗さんお疲れ様でした!」
明 「お疲れ様でした!」
紗香 「あの・・・このあとなんですがお茶するくらいの時間って
ありませんか?」
明 「ん?あ、大丈夫ですよ」
紗香 「このあと姉とこのあたりで待ち合わせしてるんですが30分くらい
遅れるって連絡があって」
明 「お付き合いしますよ笑」
紗香 「あ、ありがとうございます///」
~喫茶店にて~
紗香 「御手洗さんって器用ですよねー」
明 「そんなことはないですが、あーいう作業嫌いじゃないんですよ」
紗香 「私なんて今日も指切っちゃうしなかなか上達しないです・・・」
明 「まだ通って何回もやってないんだからしかたないですよ」
紗香 「私って得意なこともなにもなくて、だから思い切ってやってみようと
思い入ってみたんですが・・あはは・・なかなか・・」
明 「そんなことないんじゃないですか?まぁ僕も特にやることもなく暇
なんで入ったようなものなんですが・・笑」
紗香 「そ・・そうなんですか///」
(PPP~)
紗香 「あ、ごめんなさい、もしもし?お姉ちゃん?りょうかい・・・」
明 「お姉さん来たって?」
紗香 「はい、今日はありがとうございました ペコリ」
明 「いえいえ、僕はもうちょっとここでお茶していくんでどうぞ!
あ、お会計はしときますんで大丈夫ですよ」
紗香 「私が誘ったんでダメです」
明 「さすがに年下の女の子に奢ってもらう訳にはいかないよ笑」
紗香 「でも~」
明 「いいからいいから」
紗香 「あ、ありがとうございます」
明 「いってらっしゃい!」
紗香 「あの~御手洗さん」
明 「はぃ?」
紗香 「またお茶して・・もらえますか?」
明 「・・・もちろん!」
紗香 「ありがとうございます!!ては行ってきます!」
明 「・・・・・・・・・・・」
明 「これって・・・不倫??になるのかな?」
~居酒屋にて~
明 (なんか緊張するなぁ)
明 (全ての事を知ってる人でさらにガツガツ系・・・・・大丈夫かな)
美音 「お待たせしました」
明 「あ、こんばんは」
京子 「どもぉ~~」
明 「はじめまして、御手洗明と言います」
京子 「はいはい~知ってますよ~美音の旦那さんでしょ~?」
美音 「きょ、京子~」
京子 「間違ってはいないでしょ?ね~明さん~」
明 「あぁ・・ま・・まぁ」
美音 「まったく・・・」
京子 「っでね~~美音は会社ではいっつもこんな感じだから」
明 「まぁ想像は容易にできます笑」
美音 「想像しなくていいですから!」
京子 「ただね~容姿がこれだからすぐ男は寄ってくるわけよ~この前も
取引先の次期社長に気に入られちゃってね~~」
美音 「よ、余計なこといわないでよ!」
明 「そ・・そうなんですかぁ~」
明 (そりゃ~そうだよなぁ~こんな人を周りがほっとく訳がない)
京子 「でもね~本人がまったく結婚というか男に興味がないから
困ったものなのよ」
美音 「別に迷惑はかけてないでしょ!」
明 「あははは~~~」
京子 「どしたの?旦那さん?」
明 「あ、いやなんか僕の知らないところでも美音さんは
美音さんなんだなと笑」
美音 「どういう意味ですかそれは!」
明 「あ、すみません」
京子 「・・・・・・・・・・」
京子 「ねぇ、明さん、明さんの中での美音はどんな感じの人に見える?」
美音 「ちょ、ちょっと!」
京子 「あんたは黙ってなさい!」
美音 「・・・・・・・・」
明 「ん~そうですね~いつも冷静で頭もよくて近寄りがたいのオーラを
出してるんですけど」
明 「急に対応出来ない事が起きるとプチパニックになるというか
いつもとのギャップがすごくてそれがちょっとおもしろい
というか笑」
美音 「面白がらなくていいですから!」
京子 「ちょっと美音うるさい!!」
美音 (京子・・目が怖い・・)
京子 「それから?」
明 「あとは~急に素直になるところとかもあってあとは意外に義理堅くて」
京子 「・・・・・・・・」
明 「カレーとダジャレが好きな女性ですかね笑」
美音 「・・・・うぅぅぅぅ)
京子 「なるほどねぇ~」
美音 「なにがなるほどなのよ」
京子 「おい明!今日はとことん飲もう!」
明 「きゅ、急に呼び捨て!」
美音 「ちょっと京子いい加減にしなさいよ」
京子 「美音、とりあえず今日はあんたも飲みなさい!いつもお酒
好きなのに飲まないんだから」
明 「え?美音さんお酒好きだったんですか?」
美音 「・・・・別に嫌いなんて言ってません」
京子 「そんなことはいいから!店員さん~レモンサワー3つ!急いで!」
明 (明日・・・会社行けるかな・・・これ・・・)
~次の日~
明 「うぅ・・頭痛てー、完全に二日酔いだ・・最後の方なんて
記憶が曖昧だし・・・」
(美音さんも結構飲んでたなぁ~顔真っ赤だったし、可愛かったな~)
(ピローン)
明 (美音さんからだ)
美音 (昨日はお疲れ様というか色々とごめんなさい、京子があんなに
暴走するとは思わなくて)
明 (こちらこそありがとうございました、最後の方はあまり記憶
がないです、美音さんは大丈夫でしたか?結構飲んでるように
見えましたが・・・)
美音 (・・・・・・大丈夫な訳ない。)
明 (あはは~そりゃそうだ)
京子 「美音~~おっは~」
美音 「んー・・おはよぅ」
京子 「なによ~二日酔い?」
美音 「久しぶりにあんなに飲んだのよしょうがないじゃない」
京子 「だらしないわね~それより今日のお昼話があるからいつもの
喫茶店で待ち合わせね」
美音 「なによあらたまって」
京子 「いいからいいから、じゃーお昼ね~」
美音 「わかった・・」
~昼休み~
京子 「美音ーこっちこっち~カレー頼んどいたよ。」
美音 「それで話ってなによ?」
京子 「いやぁ~昨日は楽しかったね~明の奴大丈夫だったかなー」
美音 「あんた飲みすぎ!それに呼び捨てにしないでよ!」
京子 「いいじゃない別に!しかしなかなかいい奴だったよ!」
美音 「・・・・・・・」
京子 「それにあんた、あいつの前では良くしゃべるじゃない」
美音 「そ、そんなことないわよ」
京子 「あんたね~私との付き合い長いのよ?その私が言ってるんだから」
美音 「そ、それは・・」
京子 「あんたはどう感じてるか知らないけど仮とはいえ、ちゃんと
あんたのこと見てるじゃない」
美音 「なにが?」
京子 「はぁ・・これだからあんたは」
京子 「昨日、美音はどんな感じの人に見える?て、あいつに聞いたの
覚えてる?」
美音 「うん」
京子 「同じ質問を私がされたら同じこと言ったわよ」
美音 「・・・・・・・」
京子 「それに、あんたの容姿については一切話でなかった、あんたの
内面の事だけよ?」
美音 「そう・・・だったかしら」
京子 「はぁ・・・なんかこの前の社長息子よりももったいない気が
してきたわ・・・ボソ」
美音 「なに?」
京子 「なんでもないわよ、もうお昼休み終わるからいくわよ!
ダジャレ王さん!」
美音 「!!!」
美音 「ダ、ダジャレなんて言ってないから!ほんとだから!
ね、ちょ、ちょっと!」
美音 (今日はなんか疲れた、二日酔いだったし)
(早く帰ってお風呂に入ってすぐ寝よう)
? 「ミヤァァ~オォォ」
美音 (ん?なにか聞こえた気がするんだけど・・キョロキョロ)
? 「ミヤァァ~~~オ」
美音 (あ、子猫だ)
子猫 「ミヤァァァ~~オォォーーー」
美音 (こんな小さな子が精いっぱいの声で・・・・完全に一人だ
親とはぐれたのかしら)
美音 (ごめんね、うちでは飼えないしどうすることもできないの)
美音 (・・・・ごめんね)
子猫 「みぃ・・・・ヤァ・・・」
美音 (この子、もう動く力もないし声も限界、ていうか目が
閉じちゃってる)
美音 「大丈夫??」
子猫 「ヤァ・・・」
美音 (どうしよう・・・・だめだこのままじゃこの子死んじゃう・・)
(こんな時間に病院なんて・・・・)
(!!!)
(ハラミ!明さんなら)
(PPP~)
明 (美音さんからだ、どうしたんだろ)
明 「もしもし、どうしたんですか?」
美音 「もしもし明さん、子猫が、子猫が今にも死んじゃいそうで・・・
どうしたらいいか」
明 「ちょっと落ち着いて、子猫拾ったんですか?」
美音 「いや、帰り道にポツンと一人でいて周りに親らしき猫もいなくて
目も閉じちゃってて今にも死んじゃいそうなの・・・・
ど、どうしたら・・・」
明 「とりあえず今すぐ行くから、場所は?・・・・・」
美音 「大丈夫だよ、すぐ助けに来てくれるから・・死んじゃだめ、頑張って」
子猫 「・・・・・ァァ」
美音 「早く・・・明さん・・」
明 「美音さん!」
美音 「明さんこっち!」
明 「おぃ、大丈夫か?」
子猫 「・・・・・ァ」
明 「ハラミが行ってる病院は緊急もやってるから連れて行こう!」
美音 「ど、どうやって」
明 「タクシー捕まえよう」
明 「運転手さんこっち!!」
運転手 「動物は困るよ、ダメダメ」
美音 「そ・・・そんな」
明 「なにいってんだ!命にかわりはないだろ!このまま死んだらあんたの
会社に電話して、嫌っていうほどクレームいれるぞ!」
運転手 「そ、そうは言われても・・・」
明 「いいから乗せろ!!」
運転手 「わ、わかりましたよ、早く乗ってください」
明 「ありがとうございます・・・」
美音 (・・・・・・・・・・・・・・・)
獣医 「正直難しかもしれません、衰弱度と猫風邪もひいてます
とりあえずしばらくは入院させましょう」
明 「はい・・お願いします」
美音 「・・・・お、おねがいします・・グスン」
明 「・・・大丈夫ですか?」
美音 「なんとか生きてもらいたいです・・・」
明 「大丈夫ですとは、いきれませんがやれることはやったのであとは
あの子の生命力を信じましょう」
美音 「・・・はぃ、助けてもらってありがとうございます」
明 「・・・・・・」
~数日後~
獣医 「とりあえず命の危険性は大丈夫そうです、目も時期に開くとは思い
ますがもうしばらく入院したほうが良いですね、まだ自力でご飯は
食べれないので」
明 「そうですか、ありがとうございます。明日また様子見に来ます」
美音 (よかった・・・)
明 「良かったですね!」
美音 「はぃ、色々とご迷惑かけちゃいましたね」
明 「いえいえ、それより今後あの子どうするつもりなんですか?」
美音 「はぃ・・私もあの後色々と考えたのですがうちではペットNG
なので・・・・これ、作ってみたのですが・・」
明 「里親募集ですね!」
美音 「はぃ、病院にもすぐに貼ってもらったり、ネットで色々と
やってはみたのですが」
明 「見つからないですか?」
美音 「・・・はぃ」
美音 「このまま見つからなければ、ペット可の所に引っ越そうかとも
考えてます・・」
明 「・・・・・・・・そ、そういえば~」
美音 「・・・?」
明 「ハ、ハラミがそろそろ妹がほ、ほしいって言ってたなぁ~~」
美音 「!!」
明 「なので、うちで引き取らせてもらっても良いですか?」
美音 「明さん・・・」
明 「い、いやハラミがそう言ってたんですよ」
美音 「ありがとぅ・・・」
明 「な、名前、どうしましょうかね!」
美音 「実はもう決めてあるんです」
明 「お!どんな?」
美音 「・・・たらこ」
明 「たらこ・・・・っふふ」
美音 「笑うと思いましたよ」
明 「あ、ごめんなさい、でもなぜたらこなんですか?」
美音 「なんとなくです」
明 「ハラミと同じですね笑」
~引き取り当日~
美音 「明さん、すみません部長につかまっちゃって遅れました・・」
明 「大丈夫ですよ、それよりほら」
たらこ 「ミアァァ~~~ァ!」
美音 「たらこ!」
明 「もう心配ないってそれどころか元気ありすぎって言ってましたよ」
美音 「よかったー」
明 「このまま、たらこのご飯とオモチャ買って帰ろうと思うのですが
一緒に行きませんか?」
美音 「もちろんです、私、買ってあげたいし」
明 「沢山買いましたね笑」
美音 「ハラミちゃんにもお世話になるし、ハラミちゃんの分も」
明 「ありがとうございます」
明 「良かったらハラミに会っていきますが?たらことの初対面
でもありますし」
美音 「・・・・・・」
明 「あ、男の部屋に行くのはあれですね笑、すみませんでした・・・
沢山写メ送りますね!」
美音 「・・・行きます」
明 「わ、わかりました」
~明宅~
明 「ただいま~ハラミ~~」
ハラミ 「ミアァァ~~~」
美音 「お、お邪魔・・します」
明 「あ、適当にしててください、汚くてすみません・・」
明 「ほら~たらこ~出て良いぞ~」
たらこ 「ミヤァ~~」
ハラミ 「ミヤァ~~」
美音 「あ、二人でくっつきあってます!」
明 「ハラミが受け入れてくれたんですね!えらいぞ~ハラミ」
ハラミ 「ミヤァ~~」
美音 「ハラミちゃんありがとう」
明 「美音さん良かったらご飯たべていきませんか?」
美音 「明さんが作るんですか?」
明 「はい、あるもので作りますが、得意料理があるんですよ」
美音 「・・・ではお言葉にあまえて」
明 「じゃー適当に二人と遊んでてください」
美音 「はぃ」
明 「できましたよー」
美音 「オムライスですね」
明 「結構自信あるんですよ~どうぞ」
美音 「では・・・いただきます」
(お、おいしい・・・・)
明 「ど、どうですかね?」
美音 「す、すごくおいしいです・・・」
明 「よかった~」
美音 (無心で一気に食べてしまった)
美音 「ごちそうさまでした」
明 「おいしそうに食べてくれて作った甲斐がありました」
美音 「明さん料理上手なんですね」
明 「いえ、オムライスだけです笑」
明 「母が良く作ってくれて唯一教えてもらった料理がこれなんです」
美音 「そうなんですね」
ハラミ 「zzz」
たらこ 「zzz」
美音 「二人とも寝てる・・・落ち着いたんだ・よかった」
明 「もう大丈夫ですね、たらこの面倒は僕とハラミでみますから
心配しないでください」
美音 「ま、また会いに来ても良いですか?」
明 「もちろんです」
美音 「ありがとうございます、、では私はそろそろ」
明 「駅まで送っていきます」
美音 「はい・・」
美音 「部長、会議資料まとまりました」
部長 「ありがとう、ところで冴島君、結婚生活はどうだぃ?」
美音 「・・・・ふ、普通です」
部長 「普通か、君らしいな」
美音 「・・・・」
部長 「君みたいな女性を奥さんにしたんだ、旦那さんも鼻が高いだろ!」
美音 「そんなことはないと思います、では」
同僚女B「ん?」
同僚女B「冴島さん、ハンカチ落ちましたよ」
美音 「ん?ありがとうございます」
同僚女B「!!!」
同僚女B「・・・今、ありがとうって・・・」
同僚女A「まじ?あの冷子さんがお礼言うなんて・・・・」
同僚女B「結婚して丸くなったのかしら」
同僚女A「男次第で性格変わるっていうからね~」
京子 「美音~今夜飲みにいこー」
美音 「今日はちょっと用事があって」
京子 「明とデート?」
美音 「そんなんじゃないけど」
京子 「そんなんじゃないけど、明と会うのね~」
美音 「ま、まぁ」
京子 「仲が良いことで~じゃー明に宜しく言っといて!」
美音 「うん、わかった」
京子 (ずいぶんと素直になったわね笑)
明 「美音さん、こっちですー」
美音 「ごめんなさい、遅くなてしまって」
明 「いえいえ大丈夫ですよ」
明 「とりあえず何か注文しましょうか、美音さんはカレーですか?」
美音 「・・・あ、いや、あ、カレーでお願いします。」
明 「これ見てください!ハラミとたらこが抱き合って寝てるんですよ!
美音 「ほんとですね!可愛い・・・・」
明 「だいぶ二人とも慣れて、今では同じトイレですることもあるんですよ」
美音 「そうなんですね、またご飯買っていきますね」
明 「ありがとうございます」
美音 「ちょっとお手洗いに行ってきます」
明 (美音さんほんとにカレーが好きなんだな、今度練習してみるかな笑)
紗香 「あ!御手洗さん!こんばんは!」
明 「あ、紗香さん!偶然ですね!」
紗香 「はい!学生時代の友人とばったりあってそのままお茶しようって
ことなって~」
明 「そうなんだ~!僕も・・・・し、知り合いと食事に・・」
紗香 「そうなんですね~」
美音 (あれ?・・・・知り合いかな?二人とも楽しそうに話してる・・)
美音 (とっさに隠れちゃったけど・・・べ、別に隠れる必要ないわよね)
紗香 「じゃーまた教室で!お茶してくれる件も忘れないでくださいね///」
明 「了解!じゃーまた~」
美音 「お知り合いですか?」
明 「あ、習い事の教室でよく会う生徒さんなんですよー」
美音 「そうですか、ずいぶん仲がよさそうに見えましたが」
明 「え?あ、そうですかね、前に終わった後にお茶したくらいですけど」
美音 「ふーん、そうですか」
明 「あ、はぃ・・・」
明 (なんか急に不機嫌になったような・・・・)
美音 「では私はこっちなので、おやすみなさい」
明 「は、はい、おやすみなさい」
美音 (・・・・・・・)
美音 (なんか・・・・モヤモヤする・・・)
~次の日~
京子 「んで昨日は明とどうだったのよ~~?」
美音 「別に、特になにもないわよ」
京子 「・・・・ふーん、喧嘩でもした?」
美音 「べ、別にしないわよ、喧嘩するほどの仲でもないし」
京子 「あんたってほんとわかりやすいわね」
美音 「な、なにがよ」
京子 「まぁいいわ、それより聞いた?」
美音 「何?」
京子 「人事異動の話よ、本社から例の田村がこっちにくるって話」
美音 「あぁ、詳しくは聞いてないけど」
京子 「あんた気をつけなさいよ、なんでもあいつ仕事はできるけど
かなりの女好きらしいから」
美音 「関係ないわ」
京子 「あんたを見て黙ってるとは思えないけど」
美音 「わ、私、人妻よ?
京子 「あれ?そうだったっけ?笑」
美音 「そ、そうよ!」
京子 「そんなのあいつには通用しないかもしれないわよ。良い女なら
人妻だろうが関係ないって感じらしいし」
美音 「・・・・」
京子 「とにかく忠告したからね、まぁ何かあったら旦那に相談しなさいよ」
美音 「・・・・・」
部長 「すでに皆さんには連絡してあるが今日から田村君が異動でうちの
課にきたのでよろしく頼む」
田村 「しばらくこちらでお世話になるので皆さんよろしく」
田村 (ほぉ~上玉発見)
美音 (・・・・・・すごい見てる)
田村 「冴島さん、今日から宜しく」
美音 「宜しくお願いします」
田村 「冴島さんは旧姓なんでしょ?今は?」
美音 「御手洗です」
田村 「ふーん、そんなんだ、冴島さんもかなり仕事が出来るって聞いてる
から一緒に仕事できるのが楽しみだよ」
美音 「私は普通です」
田村 「またまたご謙遜を、まだここの事はわからないことだらけだから
色々と教えてほしいな」
美音 「私のわかる範囲であれば」
田村 「さっそく今夜食事でもしながら色々と話しでもしない?」
美音 「それは困ります」
田村 「なぜだい?」
美音 「私、結婚してますから」
田村 「だから何?」
美音 「だ・・・だから勤務時間以外でほかの男性とは」
田村 「別に不倫になるわけじゃあるまいしただ食事して話する
だけじゃない?」
美音 「・・・・・とにかく行きません」
田村 「ほー、まぁいいよ、次の機会にでも」
美音 「・・・失礼します」
美音 (なんなのあの人・・・)
京子 「さっそく狙われたわね笑」
美音 「私の一番嫌いなタイブ」
京子 「あんたじゃなくても嫌なタイプよ笑」
美音 「男なんてみんなあんな感じだけどね」
京子 「あら?明は違うんじゃない?」
美音 「・・・・・・・まぁ」
京子 「明が旦那でよかったわね!笑」
美音 「あ、あくまで仮よ」
京子 「はいはい・・」
美音 「・・・・・・・」
美音 (今日もなんか疲れた・・・)
(ピロ~ン)
美音 (明さんからだ・・・動画??)
明 (こんなところまで登れるようになりました!)
美音 (たらこすごい~!)
明 (いつでも会いに来てくださいね!)
美音 (ありがとうございます)
美音 (ちょっと癒されたかな//)
~次の日~
田村 「冴島さんおはよう」
美音 「おはようございます」
田村 「今日も綺麗だね、旦那さんがうらやましいよ」
美音 「・・・・・・・・・・・」
田村 「ところで今夜の予定は?」
美音 「予定がありますので」
田村 「そんなに警戒しないでくれよ、今日じゃなくてもいいんだけど
近いうちにコミュニケーションとして一度食事にいこうよ
部長も一緒だし」
美音 「・・・・・・・」
田村 「これも仕事だと思って、今週末どうかな?」
美音 「・・・・わかりました」
田村 「OK~じゃー週末に、楽しみにしてるよ」
~週末~
美音 「お待たせしました」
田村 「お疲れ様、さぁ座って」
美音 「あの、部長は」
田村 「来れなくなったって」
美音 「!!!」
美音 「なら帰ります」
田村 「ちょっとちょっと、ここまで来てそれはないだろ少しくらいいだろ」
田村 「本当に部長は都合悪くなったんだよ」
美音 (絶対嘘)
田村 「これから仕事やりづらくしたくないだろ?だから少し付き合えよ」
美音 「・・・・・すぐ帰りますから」
田村 「ふふ、、何飲む?」
美音 「水で」
田村 「ワインを頼んだんだ、一杯くらい飲みなよ」
美音 「結構です」
田村 「冷徹女は卒業したってきいたけど?」
美音 「なんの話ですか?」
田村 「会社中の噂だったみたいじゃん?君が冷たい女だったけど結婚して
丸くなったって話」
美音 「別になにも変わってませんしあなたにそんなこと言われる事
ではありません」
田村 「まぁまぁ、それで旦那とはどうなの?うまくいってる?」
田村 「不満があるなら俺に言ってよなんでも聞くよ?」
美音 「あなたには関係ないです」
田村 「ほー、まぁ旦那に物足りなかったら俺はいつでもいいよ、満足させて
あげれるから」
美音 「結構です」
田村 「まぁ落ち着けって、別に喧嘩しに来たわけじゃないだろ」
美音 (ほんと最低なやつ)
田村 「一杯くらい飲めって、それ飲んだらお開きにするからさ」
美音 「・・・・・・・・・・」
美音 「ゴク・・ゴク」
美音 「では私はこれで」
田村 「ちょっとすぐってのはダメだよ、あと5分くらい話はしよう」
美音 「・・・」
田村 「でさぁ~~・・・・・・」
美音 (自慢話ばっかり・・・・こんなやつがなんでモテるんだろう)
田村 「すごいだろ~~~」
美音 「では私はそろそ・・・・・フラッ・・・あれ・・」
田村 「・・・・・・ふ」
田村 「大丈夫かい?ちょっと飲みすぎたんじゃないかな?」
美音 (どうしたんだろ・・・急に頭がグラグラする・・・・)
田村 「ふふふ、ちょっと違うところで休憩でもしていこうゆっくり
出来るところで」
美音 (!!この人なにか飲み物に・・・・・ダメだ・・・体が・・・・)
田村 「僕が支えてあげるから、さ、お店でよっか」
美音 (い、嫌・・・絶対いや・・・・)
田村 (こんないい女となんてなかなかないぜ・・・ふふ)
美音 (だ・・だれか・・・・・)
田村 「暴れんなよ・・・口止めであんたの裸の写真でも撮らせてもらう
からな・・ボソ」
美音 (た・たすけて・・・・・・いや・・・・・)
明 「お前、なにしてんだ?」
美音 (!!!え?)
田村 「誰よ?」
明 「誰よ!じゃねーよ、美音の旦那だよ!」
田村 (!!!)
美音 (あ・・・・・明さん・・なんでこんなとこに・・・)
田村 「い、、いや、彼女がちょっと飲みすぎたみたいでね・・」
京子 「飲みすぎたねぇ~~~あんた美音のグラスに変なの入れたでしょ」
田村 「なに言ってんだよ、へんな言いがかりつけんな」
明 「美音さんこっちに・・・もう大丈夫だから・・・ボソ」
美音 (・・・・・・・明さん・・・)
明 「あんまり暴力とか嫌いなんだけど、ここ人もあまりいないし流石に我慢
出来そうもないんだけど京子さんどう思います?」
京子 「こんなホテル街じゃ~そんなに目立たないんじゃない?笑」
明 「だね~~てことで・・・・・ボカッ!!!!ガゴ!!」
田村 「い・・・痛って~~お、お前こんなことしてタダで済むと
おもったら・・・・」
京子 「は~~~い!これ見て~~~、あんたが美音のグラスに
変なの入れてる動画~」
田村 (!!!)
京子 「あと、入れる前の美音に対するパワハラ的な発言も録音して
あるから~」
田村 「・・・・・・くそ」
明 「くそじゃねーよ、このクズが、今度俺のかみさんに近づいたら
こんなもんじゃすまさねーからな」
田村 「わ・・・わかったよ・・・・」
~公園~
京子 「どう?少しは落ち着いた?」
美音 「うん、もう大丈夫・・・でもどうして」
京子 「今日の食事の話聞いてたのよ、結構社内でもみんな話してたからね。
んでこんな事になると思ったから明に連絡して見張ってたって訳」
美音 「・・・・そか」
明 「とりあえず無事でよかった」
美音 「ごめんなさい、こんなことになるとは思わなくて」
明 「そりゃ思わないよね・・でもこんな怖い思いしたから変にトラウマに
ならなければ良いけれどって・・それが心配で」
京子 「たしかに、でもそこは美音が乗り越えないとね・・あとは誰かがその
トラウマを消し去るくらいの愛で包んであげれば大丈夫よ笑」
明・美音「・・・・・・・・・」
京子 「な~~んてね!」
京子 「私はこれで帰るから明、ちゃんと美音送ってあげなさいよ」
明 「もちろん」
美音 「京子・・・ありがとう・・・」
京子 「ふふ、、大事な親友の為だからね!じゃね~~ あとは
最終仕上げだね・・ボソ」
明 「歩けます?」
美音 (・・・コクッ)
明 「じゃーゆっくり帰りましょっか」
美音 「あ、明さん・・・」
明 「ん?」
美音 「・・・・今夜・・・明さんの家に・・・泊めてもらえませんか?」
明 「え!?」
美音 「・・・・なんかすごく不安で」
明 「そ、それはわかりますがうちに泊まるのは」
美音 「そ、そうですよね、ごめんなさい」
明 「いえ、僕は構わないんですが・・そういうつもりはもちろん
ありませんし」
美音 「?」
明 「美音さんさえ良ければきてもらっても良いです」
美音 「ほんとうですか?あ、ありがとうございます」
~明宅~
明 「二人とも~美音さんきたよー」
ハラミ 「ミアァァ~~~ァ!」
たらこ 「ミィィィ~~」
美音 「おいで~~、ナデナデ」
明 「とりあえずコーヒーでも入れますね」
美音 「あ、はぃ、ありがとうございます」
美音 (流れで来ちゃったけど・・行きたいって言ったのは私だし・・)
(ただ・・一人でいるのは・・・・)
明 「コーヒー入りましたよ」
美音 「ありがとうございます」
明 「ちょっとは落ち着きましたか?」
美音 「おかげさまでずいぶん楽になりました」
明 「あんなことがあったんですからそりゃ怖かったですよね・・・・」
明 「あいつ、ほんとクズな奴だ」
美音 「私も部長がいない時点ですぐ帰ればよかったのですが」
明 「美音さんが悪い訳じゃないですよ」
美音 「でも本当に助かりました、びっくりしましたけど」
明 「僕も京子さんから連絡来てあの現場みたときはびっくりしましたよ」
美音 「フフッ・・明さんまさか殴るとは思いませんでした」
明 「あ・・あはは・・なんか頭が真っ白になっちゃいまして」
美音 「京子にもお礼言わなきゃ」
明 「そうですね、京子さんにはまだやることがあるでしょうし」
美音 「??」
明 「まぁそのうちわかりますよ笑」
明 「そ、それでですね・・本当に泊まっていきますか?」
美音 「やっぱりお邪魔ですよね、タクシー拾って帰るんで大丈夫です」
明 「いえ、こんなとこでよければ泊まっていってください」
明 「と、とりあえずお風呂入れてきますんで・・・・・」
美音 「あ・・はぃ」
明 「あと、ベット使ってくださいシーツやカバーの替えのがあるので」
美音 「いえ、ソファーで十分です」
明 「さすがに女の子をソファーで寝かす訳にはいきませんから笑」
美音 「あ、ありがとうございます」
明 「お風呂入りましたよ、タオルとあと・・・新品のTシャツと
短パンしかないんですが良ければこれに・・」
美音 「///・・・はぃ・・・」
明 「中のシャンプーとか適当に使ってください」
美音 「は・・・はぃ」
美音 (ま、まさかこんなことに・・・でも泊まるってことはお風呂とか寝る
場所とか用意するんだよね・・・なんか申し訳なかったな・・
あの時はちょっとパニックになってたからかな・・・普通なら
考え付くわよね・・・)
(はぁ~温かい~なんかすごく落ち着くなぁ・・普通なら落ち着いて
いられる状況じゃないのに・・)
(男の人の家に泊まりに来て・・しかもお風呂入って・・着替えまで
でも・・・・か、仮でもふ、夫婦だし少し甘えても良いよね///)
明 (美音さん長いな・・・寝てるのかな)
(ガチャッ)
明 「!!!」
明 「湯加減とかあの・・・色々大丈夫でしたか?」
美音 「はぃ・・//」
明 「やっぱり少しTシャツ大きかったですね」
美音 「そ・それはそうですよ//」
明 「でも・・あの・・・なんか似合います」
美音 「そ・・・そんなに見ないでください!」
明 「あ!ごめんなさい・・・・」
美音 「あ、明さんもお風呂入ってください」
明 「はぃ、ではちょっと入ってくるのでハラミとたらこと
遊んでてください」
美音 「は・・はぃ・・//」
明 (ま・・・まさかこんなことになるとは・・・しかもあの美音さんが
うちに泊まりにくるなんて・・・・・)
(・・・このお湯美音さんも入ったんだよな・・・気分的に温泉より
色々と効果ありそう・・・・ほのかに良い匂いまでするし・・
気のせいだけど・・・)
(・・・・・が・・我慢しろ俺・・紳士的に・・・)
明 「上がりましたー」
美音 「は、はい!」
明 「どうしたんですか?」
美音 「い、いえ・・・別に」
明 「そろそろ寝ましょうか、今日は何かと疲れましたし・・・」
美音 「そ、そうですね」
明 「美音さんはベッドどうぞ、同じ部屋にはなっちゃいますけど・・
なにかあったら言ってください」
美音 「あっ・・ありがとうございます」
明 「じゃー電気消しますね、おやすみなさい」
美音 「おやすみなさぃ」
明 「・・・・・・・・・・・」
美音 「・・・・・・・・・・・」
明 「・・・・・・・・・・・」
美音 「・・・・・・・・・・・」
美音 「寝ました?」
明 「いえ・・・」
美音 「ふふ・・・なんか変な感じですね」
明 「そうですね笑」
美音 「このまま少しお話しませんか?」
明 「良いですね」
美音 「この約2カ月間色々ありましたね・・・」
明 「そうですね、美音さんと出会って・・いきなり結婚して・・・」
美音 「お互いの両親、同僚に顔合わせして」
明 「美音さんのご両親とお姉さんが来るってなった時はどうしよう
かと思いましたよ笑」
美音 「あれはびっくりしました・・・でも明さんすごく落ち着いてた・・」
明 「そんなことないですよーただいつも冷静な美音さんがアタフタ
してるのみると、なんか落ち着くんですよねー」
美音 「なんで落ち着くんですか!!」
明 「あ・・あはは」
美音 「ふふっ」
美音 私、結婚とか本当に興味ないというか・・男の人が基本嫌いなんです」
明 「そ・・そうなんですね」
美音 ううん・・ちがうかな・・・人が・・あまり好きじゃないのかも」
明 「・・・・・」
美音 「だから一生、一人が良いんです」
明 「はい」
美音 「京子ははじめからガツガツ私に入り込んできて・・でも今は
唯一の大事な友達です」
明 「良い人ですもんね!京子さん、酔っても面白いですし」
美音 「でも明さんはなんか不思議な人ですね」
明 「そうですか?普通だと思いますが・・」
美音 「普通ですね笑」
明 「それ・・褒めてる感じではないですね笑」
美音 「ふふ・・ですかね」
明 「僕も人は嫌いではないのですが、結婚に興味がないというか」
明 「人に左右される生活って嫌だなって」
美音 「・・・・・・」
明 「もちろん彼女がいればそれは良いと思いますが若い時と
今では状況が違いますし」
明 「もし今彼女が出来れば結婚を意識する年齢ですから・・
そうなれば相手に申し訳ないというか・・・」
美音 「そうですよね」
明 「なので僕はこのままの生活で良いと思ったんです」
明 「そうしたら急にダジャレ王が求婚してきた次第です笑」
美音 「だから・・・・もう・・笑」
明 「でも美音さんほどの人なら言い寄る人沢山いそうですよね」
美音 「学生時代から数えたらもう記憶にないくらいの人数です。
私のどこが良いんだか・・・」
明 「顔とスタイルじゃないですかね・・」
美音 「そ・・それだけ・・・・ですか」
明 「十分じゃないですか笑」
美音 「せっかくなら内面的に惹かれてほしいじゃないですか」
明 「それは・・美音さん基本簡単に本性見せないからでは・・・」
美音 「だから・・・・ですかね笑」
明 「だからですね笑」
美音 「くしゅん」
明 「寒いですか?」
美音 「大丈夫です」
明 「では・・・今から温めてあげますよ」
美音 「!!!」
美音 「ちょっ・・え??・・・・」
明 「ハラミ、たらこ行け!」
ハラミ 「ミアァァ~~~ァ!」
たらこ 「ミィィィ~~」
美音 (二人とも私の両脇に・・・・温かい・・)
明 「あったかいでしょ?いつも僕こうやって寝てるんですよ」
美音 「はい・・モフモフしてて気持ちいです」
明 「美音さん、なんか変な勘違いしませんでした?笑」
美音 「し、してません!!」
~翌朝~
美音 「ん、ん~~」
明 「あ、起きました?」
美音 「あ、はぃ、お、おはようございます///」
明 「朝ごはん作ってるので洗面台やタオル適当に使ってください」
美音 「あ、ありがとうございます」
美音 (なんか朝になったら急に現実って感じがしてはずかしい・・・)
明 「今日が休みならよかったんですけどね~」
美音 「あ、替えのTシャツと短パンありがとうございました」
明 「そこのカゴに入れておいてください」
明 「さて、ご飯できましたんで食べましょう!」
美音 「いただいます・・」
明 「こんなのですみません、一応焼き魚やってみたのですが」
美音 「おいしいです、すごく良い味です」
明 「ぷぷ・・・流石です」
美音 「な、なにがです?」
明 「良い味、アジだけに!って」
美音 「ちょ・・・ぐ、偶然ですよ!狙って言った訳ではありません!」
~美音会社~
部長 「え~、急なんだが、田村くんが異動することになった」
美音 (・・・・・・・急に)
京子 「美音おは~~」
美音 「あ、おはよう、昨日はほんとありがとう」
京子 「良いって事よ!それよりあんた昨日と同じ服だけど、そういうことで
良いのかな?」
美音 「そ、そういうことってなによ」
京子 「明んち泊まったってことじゃないの?」
美音 「うぅ・・・ま、まぁ泊めてもらったけど」
京子 「とうとうあんたもってことね笑」
美音 「べ、別に何もないわよ、変な事いわないで」
京子 「え??男の家に泊まってなんにもなかったの?」
美音 「な、なにもないわよ!」
京子 「はぁ・・あんたもあんただけど、明も明ね・・よく我慢したわ・・」
美音 「それよりあいつ異動だって」
京子 「異動じゃないわ、クビよクビ」
美音 「え?」
京子 「あいつの言動に迷惑している女の子たちから署名もらって訴えたのよ」
美音 「すご・・・ぃ」
京子 「んで、とどめの昨日の録音と動画」
京子 「社会復帰できないようにしてやるわ・・・ふふふ・・・」
美音 「・・・・・・あ・・あはぁ・・」
~美音宅~
美音 (ふぅ・・・疲れた・・今日は早く寝よう)
(・・・・・・・)
(明さんちのマットレス寝やすかったな~今まで感じなかったけど
うちのちょっと柔らかすぎな気がする新しいのに替えようかな)
(どこで買ったんだろう・・・今度聞いてみよう・・・)
(・・・・・・・・・・・・・・・・・・)
(今聞いてみよう・・・)
(昨日はありがとうございました、朝ごはんとても美味しかったです
それで、明さんちのベットのマットレスがすごく寝やすかったのですが
何処で買われたのですか?・・っと)
明 (美音さんからだ)
(マットレスかぁうちのが体に合ったのかな)
(〇〇店の2階で買ったんですよ、よければ買うの付き合いますよ)
美音 (本当ですか?では週末にいきたいのですがご予定は?)
明 (午後から予定があるのですが午前中なら大丈夫です)
美音 (では週末に、ありがとうございます!)
明 (このマットで・・・・寝たんだよな・・・・・ドキドキ・・・)
~週末~
明 「こんにちは、早いですね」
美音 「こんにちは、付き合って頂くのに待たせる訳にはいきませんよ」
明 「ではいきましょっか!」
美音 「はい」
明 「あ、美音さんこっちこっち!」
美音 「これですね~」
明 「おんなじの売っててよかったー、美音さんちょっと横になってみて
感触確かめてみてください」
美音 「では・・・ゴロン」
明 「どうです?」
美音 「これです、すごく体にフィットする感じが良いです!」
明 「そうなんですよ!まぁまぁ値段は張りますが・・・」
美音 「あまりお金使わないのでちょっと贅沢してみてもよいかなって」
明 「美音さんあんまり物欲とかなさそうですもんね笑」
美音 「あまり気にならないといいますか・・・ブランド品とかも
自分で買ったことないですからね・・・・必要ないんです」
明 「美音さんらしい感じですね笑」
美音 「それ・・・褒めてはいないですよね?」
明 「そ、そんなことは・・・・」
美音 「とりあえずこれ買ってきます」
明 「このあとお昼でもいきませんか?」
美音 「はい」
明 「お腹へった~ここの味噌ラーメンおいしいんですよ!」
美音 「そうなんですね、あまりラーメン屋さんとか入らないので」
明 (なんかラーメン食べる姿も品があるなぁ・・・・)
美音 「なんですか?」
明 「あ、いえ・・・」
美音 「ところでこの後ご予定があると言ってましたがどこかに
お出かけですか?」
明 「はい、習い事の日なんですよ」
美音 「前におっしゃってましたね、何を習っているんですか?」
明 「サンドブラストって知ってます?」
美音 「いえ」
明 「ガラスのグラスやお皿に柄を貼ってというか切って専用の機械で
色付けさせていくみたいな・・・」
美音 「どうして習おうと?」
明 「いやぁ・・一人なんで休みの日なんか特にすることもないのでお酒が
飲めるグラスを作りたいなというただそれだけで・・・」
美音 「明さんらしいですね笑」
明 「あ、もしよければこのあと一緒に体験してみませんか?」
美音 「特に予定はないのですが、いきなり行ってお邪魔じゃないですか?」
明 「大丈夫ですよ、体験無料って言ってましたから」
美音 「そうですか・・では行ってみます」
~教室にて~
先生 「御手洗さんこんにちは」
明 「あ、こんにちは今日も宜しくお願いします」
明 「今日は、体験したいって人を連れてきたのですが」
美音 「よろしいのでしょうか?」
先生 「はい!もちろん!興味を持っていただけただけでうれしいですよ」
美音 「ありがとうございます」
先生 「ではやっていきましょう!」
明 「まずはどの形のグラスにするかと柄を決めましょう、美音さん
どれにします?」
美音 「この柄、素敵なのでこれにします」
明 「こ、これ結構難しいですが・・もうちょっと初心者向けのが」
美音 「そうですか?そんなに難しそうに見えなかったので」
先生 「ではそれでやってみて難しそうなら御手洗さんに手伝って
もらいましょう!」
明 「ひぃ~~」
明 (・・・・・・)
美音 (・・・・・・)
明 「美音さんすごく上手ですね、こういうの得意なんですか?」
美音 「いえ、得意ってほどでもないです」
明 「学生時代の工作成績とか満点数値だったのでは?」
美音 「まぁ・・そうですね」
明 「って美音さん頭も良いからオール満点って雰囲気ですね笑」
美音 「ま・・・まぁそんな感じですかね」
明 (冗談で言ったんだけどマジか・・・・すごいな・・)
美音 (家庭科だけ違うとは・・・・・言えない・・・・)
紗香 「御手洗さん、こんにちは!」
明 「あ、こんにちは~」
紗香 「今日もハラミちゃんの柄ですか?」
美音 「!!」
明 「そうなんですよ、どうしてもハラミになっちゃいますね」
美音 (この前楽しそうにお話してた人・・・)
紗香 「ところでそちらのすごい綺麗な方は御手洗さんのお知り合いですか?」
明 「あ、はい体験どうかなとおもぃ・・」
美音 「妻です」
明 「!!!」
紗香 「あ、、み、御手洗さんご結婚されてたんですか?」
明 「あ・・いや・・・あの」
美音 「新婚ホヤホヤです」
明 (え?!)
紗香 「そ・・そうだったんですね・・私全然しらなくて・・・」
明 「あ・・あはは・・・そうなんですよ・・」
紗香 「すごくお綺麗で女性の私からみてもすごく魅力的な方です」
美音 「・・・・・そんなことはないです」
明 (美音さん急にどうしたんだろう)
紗香 「ではまた!美音さんも次は色々と女性の磨き方とか教えてください!」
美音 「・・・・また」
明 「び、びっくりしましたよ」
美音 「何がですか?」
明 「あ、いやその・・」
美音 「事実を言っただけです、それに周りにもちゃんと理解してもらわないと
困ります」
明 「あ、いや、」
美音 「明さんもちゃんとはっきり言ってもらわないと、あの子明さんを
意識してましたよ」
明 「あの・・・そうではなくて・・・」
美音 「だいたい、明さんは普段ふわっとしすぎというか、みんなに優しすぎ
なんじゃないですか?」
明 「そ、そんなことはないと思いますが、僕がビックリしたのはですね」
美音 「か、仮とはいえ、私と籍をいれてるんですから、変な期待とか
持たせたらどうするんですか?」
明 「そうではなくて、僕がビックリしたのは・・・」
美音 「なんですか?!」
明 「ホヤホヤって最近耳にしないなって笑」
美音 「そこですか!!?」
明 「あ・・・・あは・・・」
明 「でも美音さんがあんな勢いで話するのはじめてみましたよー」
美音 「・・・・・・・そうですかね」
美音 (なんか・・・モヤモヤする・・・この前もそうだったっけ)
明 「あ!美音さん見て!あの屋台のおでん屋さん惹かれませんか?」
美音 「ま・・・まぁ」
明 「ちょっとだけ付き合ってもらえませんか?」
美音 「熱燗飲ませてくれるなら良いですよ」
明 「もちろんです!」
美音 「ふふふ・・」
明 「おでんすごく美味しかったですね」
美音 「はい、味がよく染み込んでて美味しかったです」
明 「では僕はこっちなんで、またなにかあったら連絡ください!」
美音 「はぃ、おやすみなさい」
美音 (なにかあったら・・・・か・・・)
~次の日~
上司 「冴島君、ここの数字間違ってるぞ」
美音 「も、申し訳ありません。すぐに修正します」
上司 「君がミスするのを初めて見たな、珍しいこともあるもんだ」
美音 「・・・・・・」
京子 「美音~お昼いこー」
美音 「うん・・・・」
京子 「カルボナーラ1つと、あとカ・・・」
美音 「オムライスください」
京子 「めずらしいわね」
美音 「あ、た、たまには・・・ね」
京子 「モグモグ」
美音 「モグモグ」
美音 (明さんが作ってくれた方のがおいしぃな)
京子 「さて・・・っと」
美音 「なに?」
京子 「聞かせてもらおうかしらね」
美音 「な、なにを?」
京子 「あんたの中の色々よ」
美音 「なによ・・それ」
京子 「私がわからないとでも思ってる?」
美音 「なんのことよ」
京子 「いいかげん怒るわよ?」
美音 「・・・・・・・」
京子 「・・・・はぁ」
京子 「口にしたくないなら私が言ってあげるからあんたは
頷くだけでいいわ」
京子 「明の事でしょ」
美音 「・・・・・・・・・・コクリ」
京子 「当初の予定とは大きく心境がかわった、明と接するうちに
どんどん惹かれていくようになった」
美音 「・・・・・」
京子 「こ~ら」
美音 「・・・・・コクリ」
京子 「でも自分の気持ちはそうじゃないと思い込まないと今までの自分が
自分じゃなくなってしまう・・・それに明にこの結婚の本当の
秘密を提案したのは自分だからこのままじゃないと・・・て」
美音 「・・・・・コクリ」
京子 「あとは・・・・怖いのね」
美音 「!!」
京子 「もし明に本当の事を言って万が一拒否されたときの事を考えると」
美音 「・・・うん」
京子 「だったら仮でもこのままでいたほうが良いと思ってるのね」
美音 「・・・・・コクリ」
京子 「はっきり言うわね、そのままで良いと思ってるならそのうち
あんたおかしくなるわよ」
美音 「・・・・・」
京子 「もう全部言わなくても自分自身でわかってるとは思うけど」
京子 「まぁ~あんたの気持ちもよくわかるけど時間を掛ければかける
ほどもっと膨らんでいくわよ」
美音 「・・・・・」
京子 「下手な事は言えないけど、私なら今すぐにでも気持ちを
伝えにいくわね」
美音 「・・・・そう」
京子 「でもあんたが男性に惹かれて一人前に恋してるのすごく
うれしいよ」
京子 「どんな結果になっても私は応援してるからね、当たって砕けろよ!」
美音 「く、砕けるんだ・・・」
京子 「あはは~~例えよ、た・と・え!」
美音 (京子はあぁは言ってたけどすぐに気持ちを伝えるなんて私には無理)
(はぁ・・・・・モヤモヤする)
(ピローン)
美音 (あ、明さんからメール)
明 (明日のお休み何されてますか?たらこの猫タワーを買いに行こうと
思ってるんですが一緒に選んでもらえませんか?)
美音 (やった・・・会える)
(予定はないのでご一緒しますっと)
(ドキドキする・・何着ていこうかな)
~買い物~
明 「お待たせしました、美音さん早いですね」
美音 「こんにちは、で、電車一本早いのが乗れたので」
明 「そなんですね、では買いに行きましょう」
美音 「・・・・はぃ///)
明 (ん?なんかいつもと様子がちがうな、顔も赤いし・・・)
美音 (なんか顔みれない・・・)
明 「美音さん今日の服、すごくオシャレな感じで似合ってますね」
美音 「あ、あまり見ないでください」
美音 (やった・・・・・)
明 「あ、この辺りですね、背が低いやつが良いかなって思ってる
んですが」
美音 「これなんかどうですか?」
明 「あ、これ可愛いですね、ハンモックもついてるし」
明 「じゃーこれにします!」
美音 「私、買います」
明 「いいですよ、僕の家の家具なんですから」
美音 「そ・・・そうですか・・」
明 「美音さんはたまに会いに来てくれれば、たらこも喜びますから」
美音 「はい!行きます」
明 「このあとお昼どうですか?」
美音 「と、とくに予定もないので大丈夫です・・・」
明 「近くにおいしいラーメン屋さんがあるんですよー」
美音 「た、楽しみです」
明 (美音さんやっぱりどこか調子悪いのかな)
明 「ここです!よかったー、丁度2席空いてました、はいお水」
美音 「ありがとうございます」
明 「ここのこってり味噌ラーメンがおいしいんですよ、美音さんも
同じので良いですか?」
美音 「はぃ」
明 「おっちゃん、こってり味噌2つ!」
オッチャン 「はいよー、ほー今日はえらいベッピンさん連れてるなー」
美音 「・・・・・///」
明 「あ、あはは、、まぁね」
オッチャン 「いつもは一人ぼっちだから新鮮だな、にーちゃん、ガハハ」
明 「うるさいよ笑」
明 「いただきますー」
美音 「いただきます」
明 「どうですか?
美音 「すごくおいしいです」
明 「でしょー!一度食べたらまたすぐ食べに行きたくなるんですよー」
美音 (!!!)
明 (ん?)
明 「おいしかったー」
美音 「ごちそうさまでした」
オッチャン 「ありがとよーベッピンさん、またきてな!」
美音 「はぃ」
美音 (必ずまたすぐ来ますよ、オッチャン)
明 (なんか思い詰めた感じだな・・美音さんの口には合わなかったか
明 「美音さん、大丈夫ですか?」
美音 「な、なにがですか?」
明 「なんか今日あまり元気がないというか、顔も赤いですし」
美音 「ふ、普通ですよ」
明 「風邪とかひいてるのかなって思いまして」
美音 「いえ、、全然元気です」
明 「なら良いんですけど」
美音 「・・・・・・・・・」
明 「さて、この後特に予定はないので僕はこのあたりプラプラしようかと
思ってます」
美音 「そ、そうなんですか」
美音 (用事は終わったし・・・・一緒にいる理由ないよね・・・)
明 「美音さんは・・・帰られますか?」
美音 「・・・・ん?」
明 「ん?」
美音 「あ、明さんわ、わたし最近あれに興味を持ちまして・・・」
明 「バッティングセンターですか?」
美音 「は、はい。やってみたいんですが、よくわからないので
お時間あれば・・」
明 「いいですね!いってみましょう!」
美音 (よし!)
明 「でもまさか美音さんがバッティングセンターに興味があるとは」
美音 「い、以前から気にはなっていたんですが」
美音 (あの看板バッティングセンターだったんだ)
明 「やるのは初めてですか?」
美音 「はい、なのでお手本お願いできたらと」
明 「まずはここにお金を入れてしばらくすると球が飛んでくるので」
(カキーン!)
美音 「おぉ・・・・」
明 「久しぶりだな~」
(カキーン!)
明 「まぁこんな感じです、では美音さんもやってみてください!」
美音 「は、はぃ」
明 「ここに立って良く球をみてですね」
(カキーン!)
明 (まじ・・・・)
美音 「なかなかのスッキリ感ですね」
(カキーン)(カキーン)(カキーン)
明 (ほぼ芯でとらえてる・・・)
美音 「終わったみたいです、ストレス解消になりますね」
明 「美音さんってほんと何やらせてもすごいんですね」
美音 「そんなことはないですよ」
明 「この前の教室でもそうでしたけど運動神経まで良いとは・・・」
美音 「これくらいは普通だとおもいますが・・」
明 「あ、あのちょっと興味がでたので聞きたい事があるのですが」
美音 「な、なんですか?」
美音 (な・・・なんだろ// 私に興味って・・・)
明 「美音さんってどこの大学を出たのですか?」
美音 「え?」
明 「いやぁ・・・ほんとなんでも出来そうなんで相当学力もあるのかなと」
美音 (なんだ・・・・)
美音 「〇〇大学ですけど」
明 「ひぃー」
美音 「なんですか?」
明 「超一流ですね・・・・」
美音 「普通です」
明 (ったくこの人は・・笑)
明 「いやぁ~久々に体動かしたから明日が怖いな~あ、明後日かな笑」
美音 「ふふ、そうですね」
明 「美音さんも結構やってましたもんね」
美音 「時間が経つのが早かったです」
明 「ですねー」
美音 「あ、明さん」
明 「はい?」
美音 「付き合って頂いたお礼と言ってはなんですが、夜ご飯ご馳走
させてください」
明 「奢りはともかくとしていきましょう!ビールがうまそうです!」
美音 「はい!・・あ、、はぃ、ではどこにしましょうか」
明 「ではお礼として僕が行きたい場所でも良いですか?」
美音 「良いですよ」
明 「この前いったおでん屋さんで!」
美音 「ふふふ・・・喜んで」
~美音帰宅後~
美音 (・・・・・すごく楽しかった)
(ここ何年か味わったことがないってくらい・・楽しかった)
(午前中から買い物して、おいしいラーメン食べて、バッティング
センター行ってクレーンゲームも面白かったな・・・初めてだらけだ)
(ふふふ・・・明さんちょっと酔ってたな・・・会社の愚痴なんて聞いた
ことなかったのに)
(でも愚痴言ってくれるってことはちょ、ちょっとは信頼してくれてる
のかな)
(・・・・・・)
(やっぱり、このままの関係じゃ・・・・)
(もっともっと・・・・明さんと・・・)
~明帰宅後~
明 「ハラミ~たらこ~ただいま~~」
明 「今日はちょっと飲みすぎちゃったよ~」
ハラミ 「ミヤァァァ~~」
たらこ 「ミアァァァ~~」
明 (今日はすごく充実してたな~)
(美音さんがバッティングセンターに興味があるとは)
(ラーメン屋では悪い事したかなって思ったんだけど・・・でも
楽しそうに見えたからとりあえず良かった)
(おでん屋でもあまり口数は少なかったけどすごくやさしい顔で
話聞いてくれたし)
(なにより・・・・・・可愛かったな・・・)
(最低限だけしか会わないって言う話だったけど最低限以上は会ってるし
美音さんもそこまで嫌々って感じには見えないな)
(今以上に仲良くなれたら良いのにな・・・・って何考えてんだ俺は)
(仮でもあの人と夫婦になれただけでもラッキーだよ・・・・
酔ってるな俺・・・寝よう)
~美音会社~
美音 「京子お昼いこ」
京子 「あんたから誘うなんてめずらしいわね~」
美音 「そう?」
京子 「差し詰め、明の話かな」
美音 「べ、別にそういうわけじゃないわよ」
京子 「へいへぃ、お熱いことで」
美音 「・・・・・・・」
京子 「ナポリタン一つと」
美音 「カレーライスお願いします」
京子 「やっぱりカレーなんだ笑 あの一回だけのオムライスはなん
だったのよ」
美音 「別になにもないわよ、あの時は頼んでみようって思っただけ」
京子 「ふーん、っで明とはどうなのよ」
美音 「どうって普通よ、この前はじめてバッティングセンター行った
なかなか楽しかったわ」
京子 「それから?」
美音 「そこ行く前に明さん行きつけのラーメン屋でおいしいラーメン食べて」
京子 「・・・・・」
美音 「クレーンゲームして、夜になっちゃったからおでん屋で少し
お酒のんだくらい」
京子 「それって普通にデートじゃないのよ」
美音 「デ・・・デート・・//」
京子 「なに良い歳してデートって言葉で赤くなってるのよ」
美音 「な、なってないわよ、それにデートじゃないし」
京子 「でもそれって別に仮夫婦のための作戦会議で会ってたって訳じゃ
ないでしょ?」
美音 「ま・・まぁ」
京子 「最低限しか会わないんじゃなかったっけ?」
美音 「う、、うるさいな・・」
京子 「あはは、ちょっと今のは意地悪だったかな」
美音 「ほんとよ」
京子 「んで?このままでいいの?」
美音 「・・・・・まぁ」
美音 「まだしばらくは・・・って思う」
京子 「そっか、まぁあんたのタイミングで岐路に立てば良いと思う」
京子 「それまでは夫婦ごっこ?恋愛ごっこ?を楽しみなさいな」
美音 「ごっこ・・・・」
京子 「ごっこじゃくなることを本当に願ってるよ」
美音 「・・・・・・」
美音 (京子の言ってることはまったくの正論)
(うん・・・私だってわかってる)
明 「お前ほんと良く飲むよなぁ~」
同僚B 「この社会を乗り切るには人間にもガソリンが必要なんだよ、ガソリンが」
明 「まぁその気持ちはよくわかるが」
同僚B 「んでどうよ?新婚生活は?」
明 「ま、まぁ普通かな」
同僚B 「なんだよ普通って、あんな見たこともない美女を奥さんにしてからに」
明 「普通は普通だけど最近・・・あ、まぁ穏やかだよ」
同僚B 「ふーん、ほんっとうらやましいわ、あんだけ綺麗で頭もよさそうだし」
明 「○○大学卒だからそりゃ頭もキレるよ」
同僚B 「ま、まじかよ、ってかますますなんでお前なんだ?って思うわ」
明 「・・・・・だな」
同僚B 「なんか裏があるんじゃないか?」
明 (ドキッ!)
同僚B 「え?なにその反応」
明 「なんでもないよ、なんだよ裏って」
同僚B 「お金目当てとか」
明 「俺より稼いでるんじゃないかな」
同僚B 「たしかに笑」
明 「まぁいんだよ、普通に生活できれば俺はそれで」
同僚B 「そんなの子供が出来たらいってられなくなるぞ」
明 (子供・・・ねぇ・・・・)
同僚B 「・・・なんかほんと色々うらやましいわ」
同僚B 「なんかむかつくから今日もお前の奢りな」
明 「なんでだよ!」
美音 (今日も疲れたな・・・明さんからは連絡ないし)
(特に作戦たてる用事もないから連絡することも出来ないし・・・)
(はぁ、お腹減ったしカレーでもたべ・・・そうだ・・・・・)
(・・・・・これなら・・いける)
(ピローン)
明 (美音さんからだ)
美音 (明日のお休みお時間ありませんか?前に行ったこってり味噌ラーメンが
食べたいのですが、一人で行くにはちょっと行きづらくて
おっちゃんさんとも約束しちゃいましたし・・・)
明 (美音さん気に入ってくれてたんだ、不評な感じがしてたから・・
よかった~)
明 (もちろんご一緒させていただきますよ!っと)
美音 (作戦成功・・・・)
(あとは・・食べ終わってからバイバイは嫌だから・・考えろ・・私)
(・・・こんな経験がないから何して良いのかまったくわからない)
(ピローン)
美音 (ん?)
明 (もしそのあと予定がなければ、近くにスーパー銭湯があるのですが
一緒にどうですか?露店風呂もあるし、色々なマッサージ施設やら
岩盤浴やらもあって一日楽しめますよ)
美音 (お~いいじゃないですか明君・・笑)
美音 (了解です、ではその予定でお願いします)
明 (のってくるとは思わなかった笑)
~次の日~
明 「あれ・・今回は僕のが早いと思ってたんですが・・・」
美音 「た、たまたま早く着いただけです」
明 「そうですか、ともあれお待たせしました」
美音 「今日は付き合て頂いてすみません、どうしても食べたくなって
しまって」
明 「いや、気に入ってもらってうれしかったです!」
美音 「そ・・・そうですか//」
オッチャン 「お!ベッピンさんまた来てくれてうれしいよ!」
美音 「お約束しましたし、美味しかったので」
オッチャン 「うれしいねぇ~チャーシューおまけしちゃうよ」
美音 「良いんですか?ありがとうございます」
明 「おっちゃん、俺には?」
オッチャン 「ん?そんなのある訳ね~だろ~、ベッピンさんだけだ」
明 「えぇ~~~」
美音 「ふふふ」
美音 「美味しかったです、ごちそうさまでした」
オッチャン 「いつでも来てくれよ~またサービスするから」
美音 「ありがとうございます・・・ペコ」
明 「美音さんもカレー以外にはまる食べ物が出来て良かったです」
美音 「そんな毎日カレーばかりは食べてませんよ!」
明 「ま、まぁそうでしょうけど・・・じゃなければそんなスタイル維持
出来ないでしょうし」
美音 「ちょ・・・どこみてるんですか!」
明 「あ、いやそーいうつもりじゃないですよ」
美音 「ふふ・・わかってますよ」
明 「ふぅ~」
美音 「それで、その銭湯とはあそこですか?」
明 「そうですそうです、たまにくるんですがリラックスできますよ」
美音 「楽しみですね」
~風呂上り~
明 「美音さんこっちこっち」
美音 「お待たせしました」
明 「風呂上りのビールはいかがですか?」
美音 「飲まない選択肢はないですね」
明 「よくわかってらっしゃいます」
明&美音「ゴク・・・ゴク・・・ぷあぁ~)
明 「うっま!」
美音 「明さんほんと美味しそうに飲みますね」
明 「美音さんこそ」
明 「この前家に泊まりに来たときも思ったんですが美音さんすっぴんでも
ほぼ変わらないんですね」
美音 「ちょ・・あまり見ないでください!」
明 「あ、すみません」
美音 「もぅ・・30過近いと色々気になるんですから」
明 「美音さんでも気にするんですね」
美音 「当たり前ですよ」
美音 「あまり気にしたことないけど・・・・)
明 「この後どうします?マッサージとかやられてきては?」
美音 「明さんは?」
明 「さすがにアロマなんちゃらのマーサージはやらないですよ笑
マンガコーナーで待ってます」
美音 「なら、私もマンガ読みに行きたいです」
明 「え?いんですか?」
美音 「はい、マンガも読んでみたいですし」
明 「ではいきましょう!」
美音 「すごい数のマンガですね」
明 「そうなんですよーもう何時間でもいれちゃいます」
美音 「明さんのおススメはどれですか?」
明 「そうですねーこれなんかおもしろいですよ!何回読んだことか」
美音 「ではこれ読んでみます」
明 「じゃー僕はこれにしようかな」
美音 「リクライニングも良い感じで心地よいですね」
明 「たまには良くないですか?」
美音 「そうですね」
明 「一人でこれなそうならお付き合いしますよ笑」
美音 「・・・・考えておきます///」
美音 (結構はまって読んじゃった、あれから3時間も経ったのか
明さんは・・・・)
明 「・・・zzz」
美音 (ふふ・・・寝ちゃってる・・・もう少しこのままでいっか)
明 「・・・ふにゃふにゃ」
美音 (・・・・・普通に夫婦かカップルだよね、周りから見たら・・・)
(・・・このままの関係でいたいけど・・本当にそれでよいのかな)
明 「さて、マンガも読んだし帰りましょうか」
美音 「明さんほぼ寝てましたけど笑」
明 「あ、、そうでしたね・・・笑」
美音 「今日も色々とありがとうございました、楽しかったです」
明 「こちらこそ楽しかったです、またいきましょう!」
美音 「はい・・では私はここで」
明 「はぃ気を付けて、おやすみなさい」
美音 「・・・おやすみなさい」
美音 (会えば会うほど・・帰りが無性に切なくなる・・・・)
美音 (何も考えずに来てしまった・・・・・)
「コンコン」
明母 「どうぞー」
美音 「失礼します」
明母 「あら~美音さん来てくれたの?」
美音 「いきなりで申し訳ありません」
明母 「いいのよ~美音さんは娘なんですからそんなこと気にしないで」
美音 「ありがとうございます」
明母 「あれ?一人?」
美音 「あ・・・きょ、今日は一人で来ました」
明母 「・・・・そう、ま、そんなとこ立ってないでこっち座りなさいな」
美音 「はい」
明母 「本当にうれしいわ~美音さんが一人でも来てくれて」
美音 「・・・・・・良かったです」
明母 「・・・・・」
明母 「それで・・明と何かあったの?」
美音 「・・・いえ、いつも通りで変わりありません」
明母 「なら良いんだけど、美音さん何か私に話があってきたんじゃない?」
美音 「・・・・・いえ」
明母 「私ね、入院生活が長いから人の表情でだいたいのことはわかるのよ?」
美音 「え・・・そ、そうなんですか・・」
明母 「嘘笑」
美音 「・・・・・」
明母 「明はどう?迷惑とかかけてない?あの子ふわっとしてるでしょ?
だから心配なのよ笑」
美音 「いえ、明さんには良くしてもらってます」
明母 「何か不満があったら言ってね、私からガツンと言ってあげるから」
美音 「・・・・・・」
美音 「お、お義母さんあの・・」
明母 「無理に今じゃなくても良いのよ?」
美音 「え?」
明母 「そんな深刻な顔してるんですもの私に言いづらいことでも
あるんでしょ?」
美音 「・・・・はぃ」
美音 「でも・・今言わないと・・私が後悔してしまいそうで・・それに」
美音 「・・・お義母さんに聞きたい事もありまして」
明母 「聞きたい事?」
美音 「はぃ、初めて挨拶させていただいた時の帰り際」
美音 「あまり無理しないように・・と言われたのが気になりまして」
明母 「・・・・・」
美音 「私、無理してるように見えましたか?」
明母 「あら、そんなこと気にしてたのね」
美音 「・・・・・・」
明母 「特に深い意味で言った訳じゃないのよ」
明母 「ただ・・心底、結婚して幸せって感じには見えなかったの」
美音 「!!」
明母 「ごめんなさいね、親としてこんなこと言ってしまって」
美音 「・・・いえ」
明母 「ただ、あなたの悩みや、質問は真剣に、そして正直に答えたい」
美音 「・・・・・お義母さんに全てお話しします、本当の事を」
~美音は全てを明母に伝える~
明母 「・・・・・・」
美音 「ごめんなさい・・・」
明母 「うふふ~あははは」
美音 「え?」
明母 「まるでドラマのようなおもしろいお話ね!」
美音 「・・・これが真実です」
明母 「そう~、その話に明がのっかったのね笑」
美音 「・・・・・はぃ」
明母 「あの子らしいわ~うふふ」
美音 「お、怒らないのですか?」
明母 「怒らないわよ~二人で決めた事なんでしょうし」
美音 「・・・・・・」
明母 「それに、自分たちの為って言ってたけど、あなたのご両親や私たちに
心配かけまいとしてやったことでもあるんでしょうから」
美音 「そ・・それは・・ま・・まぁ」
明母 「それで?」
美音 「え?」
明母 「黙っている事への罪悪感だけでここに来ただけじゃない様に
見えるのよね・・・」
美音 「・・・・・・はぃ」
美音 「明さんへの気持ち・・・・偽りの夫婦・・・」
美音 「いえ、曖昧な言葉はやめます」
美音 「明さんと接していくうちに、本気で彼に惹かれました」
明母 「・・・・・」
美音 「このことをなぜお義母さんにお話ししたくなったのか自分でも
わかりません」
美音 「でも、あの時のお義母さんの言葉・・・・」
美音 「今、この関係に対して私、無理してる・・・偽りはもう嫌だと・・・」
明母 「あなたはどうしたいの?」
美音 「・・・明さんの本当の特別になりたいです」
明母 「ならそうなれるように行動なさい」
明母 「あなたが今までどのように生きてきたか私にはわからないけれど
明と出会って正直な気持ちをさらけだしたんですもの、頭で考えないで
本能のままでいんじゃないかしら?」
美音 「お義母さん・・」
明母 「やらないで後悔するよりやって後悔したほうがかっこいいでしょ?笑」
美音 「はい・・・ありがとうございます」
明母 「明には内緒にしておくからまた一人で来てお話きかせてね!」
美音 「はぃ!」
美音 (お義母さんに話してよかった・・・・)
(・・・・・・・・よし)
~美音会社~
京子 「美音~おひ」
美音 「京子、お昼行きましょ」
京子 「あ、う、うん」
京子 (どうしたんだろう・・・なんか・・あるわね)
美音 「京子にお願いがあるの」
京子 「めずらしいわね」
美音 「京子の言ってた通り・・明さんとこのままの状況を続けていくことが
つらくなったの」
京子 「・・・・それで」
美音 「だから・・・この関係をやめようと思う」
京子 「え?でもあんたそれでいいの?」
美音 「うん、もういい」
京子 「それで私にお願いとは?」
京子 「わかった、でも本当にそれでいいのね?」
美音 「うん」
京子 「了解・・・」
美音 「ごめんね、こんな事頼んで」
京子 「いいってことよ、これでもあんたのこと親友だと思ってるんだからね」
美音 「京子・・・ありがとぅ」
(ピローン)
明 (美音さんからだ)
美音 (明日、仕事終わりお時間ありませんか?お話したい事があります)
明 (また何かの打ち合わせが必要になったのかな?了解ですっと)
明 (最近、頻繁に会えてうれしいな・・・美音さんは・・・・
どう思ってるんだろう・・)
美音 (・・・・・・・・・・・・)
~ファミレスにて~
明 「お待たせしましたすみません、ちょっと遅れてしまって」
美音 「いえ」
明 「今日はどうしたんですか?また何か打ち合わせが必要なことでも
あったんですか?」
美音 「・・・・・・・・」
美音 「明さんとのこの関係終わりにしたいんです」
明 「え???」
美音 「私から提案して、明さんのご家族まで巻き込んでしまって本当に
申し訳ないと思ってます」
明 (な・・・なんで)
美音 「私の勝手な言動で明さんに迷惑かけるこになって本当にごめんなさい」
明 (う・・うそ・・だろ・・・)
明 「あ、あの、なぜ急に」
美音 「・・・・・・ごめんなさい」
明 「だ・・だれか好きな人が出来たとか・・・ですか?」
美音 「・・・・・・」
美音 「私はこれで・・・」
明 「あ、ちょ、ちょっと待って・・・」
明 (そんな・・・・・いきなりすぎるよ・・・)
~明帰宅後~
(・・・・ガチャ)
ハラミ 「ミヤァァァ~~」
たらこ 「ミヤァァァ~~」
明 「ただぃま・・・」
明 「二人とも・・・ごめんな・・俺、美音さんに振られちゃったよ」
ハラミ 「ミアァ?」
明 「振られるもなにも、そもそもそんな関係ではなかったってことだよな」
明 「自分でもここまでショックを受けるなんて・・・思わなかった・・・」
たらこ 「ミアァ~ァ」
明 「・・・・・・・・・・」
~次の日~
同僚B 「よう!幸せいっぱいの御手洗君じゃねーか」
明 「・・・あぁ」
同僚B 「なんだなんだ~そんな凹んだ顔しやがって」
明 「あ、いや・・・なんでもないよ」
同僚B 「なんかあったら相談しろよ!先に結婚した先輩が夫婦円満の秘訣を
おしえてあるからよ!」
明 「ああ・・そうだな」
明 (なんかまだあいつに報告する気にならないや・・)
(ピローン)
明 「・・・・京子さんからだ)
京子 「元気~今日さ暇?飲みにいこーぜ!)
明 (美音さんからは聞いてるはずだし気を使ってくれたのかな・・・)
~居酒屋にて~
京子 「遅いぞー」
明 「あぁ・・すみません」
京子 (相当ダメージでかそうだな・・・)
京子 「とりあえず生とおかわりくださ~い」
明 「美音さんから話聞きましたか?」
京子 「あぁ・・聞いたよいきなりで明もびっくりしたでしょ」
明 「・・・・まぁ」
明 「俺、なんかしたのかな・・・・」
京子 「明は何も悪くない、ただ・・・」
明 「ただ?」
京子 「あの子が不器用なだけ・・・・かな」
明 「京子さんは事情知ってるんですよね?」
京子 「え!?」
明 「教えてください・・誰か好きな人が出来たとかですか?」
京子 「ま・・・まぁ詳しくは私も知らないのよ・・」
明 「そうですか」
京子 「まぁさ、結局のところ偽りは偽りってことよ」
明 「・・・・」
京子 「これで明もまた独り身なんだから良い人見つけなよ」
明 「もともとそんな気はないし、特に今は考えられないかな」
京子 「美音に本気になってたってことだね」
明 「・・・・・・・ですね」
京子 「私なんかどう?結構尽くすタイプよ」
明 「気を使ってくれてありがとう」
京子 (結構本気で言ったつもりなんだけどな・・・・)
明 「これ・・・・美音さんに渡しておいてくれますか?」
京子 (離婚届け・・・)
明 「僕のは書いておきました、提出は美音さんにお願いすることになって
しまいますが」
京子 「・・・わかった、渡しておくわね」
明 「お願いします」
京子 「ところでさ、明、美音と出会ったイベントあったじゃん?」
明 「はぃ・・・それがなにか?」
京子 「わ、私も一回行ってみたいんだけどさ、一人だと勇気がいるのよ」
京子 「だから、明一緒にいってくれない?」
明 「いま・・・とてもそんな気分じゃないんだけど・・・」
京子 「気分転換よ!いいじゃない、一回くらい付き合てくれても」
明 「・・・・ん~わかりましたよ」
京子 「よっしゃ、じゃー次の出会いイベント日よろしくね!」
明 「了解・・・・」
~イベント当日~
京子 「ひえぇ~結構人来てるのね~」
明 「前に来た時より多いかもしれない・・・」
京子 「私もここで運命の人と出会うことになるのかも~」
明 「だといいですね~」
京子 「なんだよ~明もせっかく来たんだから楽しみなさいよ」
明 「あ・・あははぁ・・・」
明 「この後、1対1での10分間フリータイムがあってそこで色々
お話するんですよ」
京子 「へぇ~なんか緊張するわね」
明 「京子さんでも緊張するんですね」
京子 「あんたね、私をなんだと思ってるのよこれでも純な乙女なのよ」
明 「そうでしたか笑、でも京子さんならみんなアタックしてきますよ」
明 「ほら、何人かこっちみてます京子さんを見てるんですよ」
京子 「あら~~なんか目線が怖い・・・」
明 「そろそろはじまりますね、僕はこっちなんでがんばってください!」
京子 「了解、あんたもね・・・・」
イベ女1「お仕事は何されてるんですかぁ~?」
「結婚って幸せな気分にさせる言葉ですよね~~」
明 「あ・・・あははぁ・・・」
(一度味わってるとはいえ、やっぱりこの雰囲気無理だ~)
司会者 「では皆さん10分たったので席替えタイムでーす」
イベ女2「やっぱり結婚って~憧れますよね!綺麗なウェディングドレス着て~」
イベ女2「素敵な家庭を築いて~」
イベ女2「いつまでイチャイチャしたいですぅぅ~~」
明 「そ、そうですね・・」
(ってかこの人、前の時も居たよな・・・・)
(京子さんは大丈夫かな)
イベ男1「な~んて素敵な女性なんだ、運命を感じました!お付き合いして
いただけませんか~?」
京子 「いや、無理ってかあんたに運命を1ミリも感じないんだけど」
イベ男2「あ・あ・あ・あ・ああの・・・趣味はなんですか?僕は・・
映画鑑賞とか・・・・」
京子 「あんた映画鑑賞とか嘘でしょ、そんな女性寄りな話無理にしないで
本当の自分出しなよ、そーいう所に女は惹かれたりするもんよ」
イベ男3「うひぉ~ちょーまぶいっすね!俺なんかどっすか??」
京子 「はぁ??とりあえずそこの池の鯉、飲み込んでこいや」
明 (あはは・・・さすがだな)
明 (やっぱりここの雰囲気は合わないな・・京子さんいには悪いけど次の人で
帰らせてもらおう・・)
女 「・・・・・はじめまして」
明 「え?!!・・・なぜ・・・」
女 「趣味は最近バッティングセンターとマンガにはまってます」
明 「あ・・・・・あ・・・」
女 「好きな食べ物はカレーライスとオムライス、それと店主のおっちゃんが
チャーシューをサービスしてくれるこってり味噌ラーメンです」
明 「なぜ・・・ここに・・」
女 「好きなタイブは普段ふわっとしてるくせにいざと言うときはすごく頼りに
なって、すごく優しく一緒にいるだけでなぜか幸せな気分にしてくれる
猫とおでんが好きな男性です」
明 「・・・・・・・・・グスッ」
女 「あなたの事も知教えてください」
明 「・・・・趣味は最近もう一匹増えた愛ネコと戯れることで・・・」
明 「性格はのんきと良く言われます」
女 「・・・・・・・・」
明 「好きな食べ物は好きな人とおいしいお酒を飲みながら食べるおでん」
女 「・・・・・ぐすん」
明 「好きなタイプは普段は頭も良くクールでなんでも完璧にこなすのに
予想外の事が起きるとアワアワしてしまう、カレーとダジャレが
好きな占い師です」
女 「・・・・うぅぅ・」
明 「美音さん・・・」
美音 「私はあなたの事が好きです・・・本気で好き・・」
明 「僕もです」
美音 「あの時とは意味が違うのでしっかり聞いてください」
明 「はい」
美音 「私と結婚してもらえませんか?」
明 「こちらから是非お願いします!」
美音 「明さん・・・・・・・」
京子 (これで偽りじゃなくなったわね・・もうこれはいらないっと)
離婚届け (ビリビリ・・・・)
~イベント後~
明 「でもほんとびっくりしましたよ」
美音 「私の中でケジメをつけたかったんです」
明 「別れを言われたとき本当にショックだたんですから」
美音 「・・・ごめんなさい」
美音 「でもショックって聞いてちょっとうれしい・・かな笑」
明 「まったく・・・笑」
美音 「京子にも協力してもらって・・・ほんと感謝してる」
明 「そうですね、なんだかんだあの人がいたから今の僕らがあるような
ものですから」
美音 「なんか急にお腹へっちゃいました」
明 「お!奇遇ですね、僕もです」
美音 「そうですね~」
明&美音「おでん!!」
明 「あはは・・・」
美音 「うふふ・・・」
明 「ではいつものところ行きましょっか」
美音 「はい!」
美音 「あ、食べ終わったら帰り明さん家に寄ってもいいですか?ハラミちゃんと
たらこにも会いたいですし」
明 「もちろんですよー」
美音 「それと・・・・」
美音 「明さんはソファーで!」
明 「!!!」
美音 「うふふ・・・」
明 「よ、喜んで!」
~完~