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必殺学生人  作者: 神保知己夫
レポート用紙 1冊目
9/42

ラッキースケベ

 夜、〝ヴァン・ヘイレン〟(ハードロック)を聴きながら、また爆弾を作っていた。爆弾だけじゃなくて鉄砲も作っていた。これはまだ人に向けて使ったことはない。爆弾は子供だましだが、こっちはマジだ。一度木に撃ってみたらグーにした手が入るぐらいの穴が開いた。でも鉄砲をくくり付けて固定してた紐が全部ちぎれたから、反動も物凄いと思う。けど、これで清春を殺そうってわけじゃない。念のためってのもあるし、単におもしろいからやってるってのもある。作り方は日曜大工の店かなんかで直径が一センチくらいの鉄パイプを買ってきて、弾はパチンコの玉を削る。でも、パチンコの玉ってのは硬くて直径を二ミリ減らすだけでも何時間もヤスリでこすんなきゃならない。火薬は爆竹をほぐす。パイプだけじゃ破裂するから、ロープ巻いたり木に細長い穴開けて埋め込んだり竹かぶせたりしなきゃならない。

 パチンコの玉をガリガリこすってると、誰かドアをノックした。開けるとあの女だった。清春にからまれてた女だ。

「元気?」

 元気だけどな。昼間清春を蹴った感動が持続してるし。しかし、よくよく見ると頭悪そうな女だな。

「入ったら?」

 部屋に入ると、女はすぐ机の上のガラクタを見つけた。

「これなに?」

「爆弾。これであのヤンキーぶっ飛ばすんだよ。」

「なに、こじれちゃったの⁉」

 気分いいから寛容に教えた。俺がベッドに座ると女も隣に座った。

「ごめんね。あたしのせいで。」

 肩に手を乗せてきた。どうも勘違いしている。下から顔を覗き込んで心配そうな顔をしている。俺に気があるってより、同情してるんじゃなかろうか。

「でも、言うこと聞いてたほうがいいよ。怒らせたらなにするかわかんないし。」

「いや、そうじゃない。」

 こいつ、自分のために俺が清春とケンカしてると思ってんじゃないだろうか。それはダサイ。女ってのはけっこうダサイものが好きだったりするからダメだ。

「ね、そうしよ? ね?ね?」

 顔が近づいてきた。うわーこりゃせまってるんだ、やっぱ。考えたらこの女、夜に男の部屋に一人で来てるんだ。じゃ、最初からそのつもりだったんだ。でも、やっぱり惚れてるってのは違うような気がする。あのとき、俺がすごい落ち込んでたから、慰めにきたんだろうか。違う、やっぱりノリが変だ、この女。同情したぐらいでこんなコトするか、普通。

 結局、やることはやってしまった。名前も聞いたけど忘れてしまった。普通の女は門限とかあるから、この女もヤンキーだったのかもしれない。清春と関係あるのかとも思ったが、それはなかったようだ。


参考)

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%98%E3%82%A4%E3%83%AC%E3%83%B3

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