繰り返しⅦ
繰り返すあの光景。
そして、もう繰り返してはいけないあの光景。
ウルフ家を今度こそは守る。そう心に決め、落下していく。
いつも通り装備をつけ、今回も像をわざと避けて、村のど真ん中に着陸した。
前回より「気」が強いのか、無傷で済んだ。
そして、待つこと数十秒。声が響く。
「こんにちは!お姉ちゃん!」
「あぁ、こんにちは!」
笑顔で返す。
今回は、私が勇者だと悟られても、助けきるまでは、繰り返したのを悟られないようにする。
そう決め、会話を続ける。
「どうしたのかな…?迷子…?お父さんは?」
「迷子じゃないよ!ただ…空から降ってきて、更に無傷って…只者じゃないなって…」
ウルフェンスは最後の言葉を濁らせ、鋭い目つきで私を見た。
私は一瞬怯み、尻もちをついてしまった。
そのくらい威圧感が半端なかったのだ。
「あははっ!お姉ちゃん何もないところで転んだ〜」
笑顔で会話を続ける。
手を引いてもらい、私は立ち上がった。
「じゃぁ、私は行くよ〜っと…その前に、名前を教えてもらってもいいかな?また縁があるかもだし?」
「名前?いいよ〜!私はウルフェンス!お姉ちゃんは?」
私の名前聞かれ、いつも通り、あの名前を答える。
「アルフォートだよ!宜しくね!」
そう言ってウルフェンスに手を差し出し、握手を交わす。
そして、私が手を振ると、ウルフェンスも少し寂しそうに手を振った。
「またね!お姉ちゃん!」
「あぁ!またね!」
でも、笑顔で見送りをしてくれたため、私も満面の笑顔で手を振り、その場を去った。
「ふぅ…じゃぁ、次は…っと…村長の説得かな…?」
そう呟いて、頭の中にマップを作り出し、なんとかこの村の作りを思い出し、村長の家まで徒歩で行った。
村長の家は、山の上に近い場所にあり、村を一望できた。
村長の家から約5分の位置には、もう既に懐かしく感じてしまうあの神社があった。
「…っ!」
ウルフェンスとのあの出来事がフラッシュバックして、苦しくなった。
その苦しみを抑えながら、村長の家のドアをノックする。
「誰かいませんか〜?」
勇者は村をまわるのが当たり前で、山から、村を見渡そうと考えるのも当たり前だ。だから来た。とか言えば説得はできるだろう。
数秒待つと「ガチャ」とドアノブが下げられ、ドアが開く。
「すみません…遅れてしまっ…て…?」
私の顔を見ると、期待の眼差しでいつもの言葉を聞く。
いや、聞こえとした。のが正しい。
「まさか、あなたha」
「この村に落ちて、山から村を見渡そうと思ってきたのだが、この村の村長の家はどこだ?できるなら、家を数日間だけ借りたいのだが…」
そう問うと、村長は期待の眼差しを向けたまま答える。
「私が村長です!家は、この村の外周付近や、森にある家を自由に使ってください。人が多いところは、もう埋まってしまっていて…」
「いいよ。それで。鍵は、どうするの?」
「鍵…ですか?えっと…この、マスターキーをお使いください。勇者様」
そう言って、黒い鍵を渡す。
そして、私はすぐに言う。
「ありがとう。そして村長?私はまだ勇者だと言っていないんだが…?やはり、この服はわかりやすいか!?なら、武器と服も用意してくれると有り難いんだが…」
そう言うと一瞬冷たい目で見た目も、先程とにた、緩い目に変わり、笑顔で「少し待っててください」と、家の奥へ消えた。
村長は、キレイに畳んである緑の服と、細剣を持ってきて、
「どうぞこれを…」
と、優しく渡してくる。
私は笑顔で
「ありがとうございます!では!」
そう告げると、
「待ってください勇者様!最後に…あなたの名前を伺っても宜しいですか…?」
そう村長が聞いてきた。
「アルフォートだ。君は?」
ザ・女剣士という感じの口調で答えると、村長は答える。
「ロードと言います…これから…どうか…この村をお願いします…アルフォート様…!」
そう言ってロードは土下座をする。
私は手を振り「任せとけ!」とガッツポーズを作りながら、去っていった。
「取り敢えず、マスターキーもなんか手に入れちゃったし、神社いこか〜」
そう言って私は約徒歩5分の道を猛ダッシュで駆け抜け、約1分で神社までついた。
神社の障子には、南京錠が掛けてあり、固く、出入りなどできないようにされていた。
南京錠とその鎖はマスターキーで簡単に開いた。
「さぁ、ここが私の新しい家だ…!」
そうやって言いながら障子を横に勢いよく開く。
「バリバリ」という音がなり障子の木の部分の一部が折れてしまった。
取り敢えず、直すものも何もないので、今回は放置。
そう心に決めた時だった。
神社の押し入れがガタガタと鳴り始めた。
私は気を引き締め、押し入れに近寄り、引き戸を勢いよく引き、剣を抜き構えた。
そこには巫女姿の女の子がいた。
「だれ…?」
そうやって怯えた顔で女の子は聞いた。
私は笑顔で答える。
「私はアルフォート!勇者だよ!」
少女は勇者と聞くと、嬉しさを隠せないような喜びようで、笑顔に変わり、大声で私に話す。
「私を、助けに来てくれたの!?」
そうやって聞かれる。
別に断る理由は…今回はウルフェンスを助けるためにやるから少しはあるけど、特にはないため、話だけでも聞くことにした。
「いや、取り敢えず、前回ではそんなに話を聞けてないから、どうすればいいかくらいは教えてくれない…?」
そう言うと少女は笑顔を絶やさず、内容を話す。
「私のスキルがね、ある場所に封印されちゃったの!その場所はね、アイスウルフの一番おっきいワンちゃんがいるところなの!場所はわからないんだけどね!それだけはわかるよ!」
そう言われ、少し、嫌な予感がした。
一度凍傷で死んだ記憶を思い出し、手が震えた。
しかし、少女を不安にさせないため、私は笑顔でなでながら答える。
「そっか。そのワンちゃんはお姉ちゃんが倒してあげるよ!」
「ありがとう!勇者のお姉ちゃん!私の名前は、つくもっていうの!いつまででもいいから、助けてね!お願い!」
「わかった!じゃぁ、お姉ちゃんそろそろ行かないと!」
話を切るため、そう言うと、つくもは悲しんだ顔をして、にへらっとくしゃくしゃな笑顔を作り「またね」と手を振る。
私は手を振り返し、神社を出る。
「神社は住めないかな…?なら次は…っと」
そう呟きながら、村で一番大きく見える屋敷まで約一時間かけて歩いた。
「やっぱりここかな〜。まぁ、ホコリ臭いけど…どうせ数日しかいないし…」
そう呟き、ドアを鍵を開け、家の軽いチェックをする。
チェックを終えると、特に目ぼしいものはなく、普通の屋敷であった。
私は、武器の軽い点検を済ませ、村の周辺を周ることにした。
出てきたモンスターはすべて駆除するようにして、村を出ると、緑のウルフが、早速出てきた。
しかし、剣を構える前に、ウルフは距離を詰めてきたため、ワタシは素手で、攻撃を受けることにした。
攻撃を受けるも、ダメージ表示は一切現れず、私が、噛まれているうちに、逆の手で殴ると、ウルフの体は弾け飛んだ。
私は想像以上にあっけなくて、あっけにとられてしまった。
しかし、私は確信した。
これならば、ウルフェンス達を守れると。それだけの力があると。
毎日投稿目指してると質が落ちてきてる気がしてならない。
そして、昼に漫画を読んだせいで、それに準じた、似たような物語を書きたい!そう思ってしまった。
ため!数日かけて作っていこうと思う!