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バグのあるこの俺のRPG  作者: 赤羽 千菜
1/7

繰り返し

 俺はRPGゲームにハマっていた。

 いや、ハマっていたというより、これからもハマる…のほうが正しいかな?

 今までのRPGは、スマホだったり任○堂さんのやつだったり、なんとも言えない作業ゲーばかりだった。

 もちろん裏要素も全てクリアしたんだけどな?

 そんな俺が目につけた商品は、「魔王クエスト・勇者クエスト」という明らかにある会社のリスペクト作品だとわかる作品だ。

 俺がなぜそれに目をつけたか。それを言うと、「VR」「体感型RPG」この2単語を見つけたからだ。

 今までのRPGといえば、コントローラーをポチポチして、クエストや、素材集めだったりをしていたが、体感型といえば、唯一の醍醐味である「オーバーワールド」だったり、痛覚の表現。切り刻む感覚。その全てを味わえるものだと。そう思った。

 パッケージには魔王とは言えないような魔族の娘と、勇者の跡継ぎだと言うような金髪長髪の勇者の格好をした娘が描かれていた。

 裏面には、「セーブデータファイルは今までで一番多い78個!」「主人公を選べる物語」などなどが書いてあった。

 セーブデータファイルが多いことには困りはしないが、78個は少々多くないか…?そう思い、俺は7万8000円を出し、お釣りの654円を貰って商品と共に家路についた。

 俺は自転車にまたがり、力いっぱい漕ぎ続けた。

 俺の足は、毎日の数時間の自転車を漕ぎ続ける作業のおかげでそこらへんの一般人よりはかなり発達していた。

 筋肉がな?

 腕や肩周りは、毎日新しいゲームの購入等の運びでこちらもかなり筋肉がついていた。

 しかし顔と頭は冴えなかった。


「うるせーな!」


 そう頭の中で考えている俺に向かって叫んできた。

 たった数時間自転車を漕いだだけでいつの間にか自宅についていた。

 俺は「ただいま!」といい、自分の部屋に急ぐ。

 親に「ご飯は?」と訊かれるが、「いらない!」と言い返し、部屋にこもり、新しいゲーム機の説明書を読みながら、起動をする。

 俺はベッドに寝そべりゲーム機を頭につけ呟く。


「リンク」


 そうつぶやくと共に俺の視界、脳は侵食されていくかのように雲ひとつない青空に意識が飛ばされた。

 「ここは…?」と定番のセリフを呟こうとするも、身体もないため、音を発することができなかった。

 目線を何もない空中へ向けると、そこには「勇者クエスト」「新らしく」「続きから」の3項目が木の板のようなものに書かれたものが浮かんでいた。

 俺はない腕を「新しく」に伸ばす。

 そうすると俺の伸ばしたなかったはずの腕はいきなり現れた。

 その腕は、筋肉質だった今までの俺の腕なんかとまるで違う。

 華奢で触れたら壊れてしまいそうな腕に変わっていた。


「な、なにこれ!?」


 そう叫ぶ声は高く俺の中に響いた。

 身体は頭の先から足の先まですべてが構築されており、明らかに華奢な女の子…11歳くらいの娘に見えた。

 今まであった浮遊感がいきなり重く感じ、落下する感覚に見舞われる。


「ナニコレナニコレちょっと待ってねぇ!まっtetteba」


 最後はゲーム特有のブツ切れ音で俺の声が、女の子の声が響いた。

 俺は黒い空間へと流れ込み、そこにはおしゃれな文字で「Loading」とかかれていた。


「あー。ここから冒険が始まr」


 ここから冒険が始まるわけね。と言おうとすると再び落下し始める。


「うわああああああ!?まてまてまてまてしぬしぬしぬって!?」


 そう叫びながら俺は村に落ちた。

 天空から一気に落とされたのだ。

 ダメージ表示が書かれ、目の前が暗くなる。

 周囲の様子は、俺の周りに人が集まっている。

 そんな状況で一瞬の暗闇のあとに訪れる浮遊感と落下。


「はあああああああ?いきなり死んでまた同じことを繰り返すのkk」


 またもや感想を叫んでいるうちに村に落下した。

 今度は村の大きな像の持っている槍に腹を貫かれ、ダメージ表示。

 声も出ない。耳も聞こえない。周囲の様子は、よほど高いのか雲しか見えない。

 そして再び訪れる暗闇、浮遊感と落下。


「はははーまたか〜どうやって避けれb」


 今度もかなり強烈に地面に叩きつけられる。と思ったが、今回は村の周りに生えている大木のつるに引っかかり、なんとか生き残る事ができた。


「は?な、なんで生きたし…w運ゲーかぁぁぁ!?」


 そう叫ぶと、「グルルル」と、犬のうめき声の様な音がする。

 とりあえずそれは無視して俺は腕を振り、メニュー表示を出し、セーブをする。

 「SAVE1」にセーブをすると画面は消えた。


「これでセーブできたか〜。じゃぁ…どうするかな〜」


 そう言ってまたメニュー画面を開き、アイテム欄を見る。

 アイテム欄には「勇者の装備一式」と言うものがあった。

 俺はすぐさま自分の体を見ると、宙吊りで真っ裸でつるに釣られていた。


「ちょ、た、タンマタンマ」


 そう言って、アイテム欄の装備をタップすると女勇者の装備一式を装着した。

 俺の腰元には「勇者の剣」がかけており、それでつるを断ち切った。


「ふぅ。じゃぁ、隣の村に行きますk」


 ダメージ表示。

 周りを見ると巨大な犬が一匹。

 名前は「緑のウルフ」。

 そして再び訪れる暗闇には「LOAD」と「最初から」があった。

 俺はもちろんLOADを押すと、再び訪れるは浮遊感。


「なぁなぁ待てって!LOADしたじゃん!?」


 俺はとりあえず周りの風景を見渡しながら装備一式をつける。

 装備一式を着けると、バグかなにかかで直立状態に変わった。

 周りには、大きな塔が5つ。

 細い大きい塔が4つとぶっとい大きい塔が一つあった。

 そして、俺は察した。ぶっといのが魔王関係だ。と。


「はいじゃぁおつかれ!」


 それを言い切ると同時に響く足への大きなダメージ。

 左上にある体力ゲージに変動は無いが、体力ゲージの下に脚が真っ二つに折れている絵の表示があった。


「生きたけど…脚死んだんかーい!」


 そう叫ぶと不思議そうに落下物(俺)に集まる村人たち。


「あ、や、やぁ…」


 そう村人の一人に手を振ると、その中の明らかに村長。のような人物が、


「ま、まさかお主は…空から降る旅人。そしてそれは…その武器は…勇者様の証…」


 そう泣きながら呟き、俺に話しかける。


「この村、この世界を救いに来てくれたのですね!勇者様!」


 そう期待の眼差しを色々な人に向けられる。

 しかし、その距離は一定を保っていた。


「それより、助けてくれませんかね?」


 なぜなら脚が反対に真っ二つに折れた少女が地面を血だらけにしていたからだ。


「もちろん助けますとも!」


 そう快く言ってくれた村長が手を叩くと救急班のような人たちが集まり、俺を病院のようなものに運ぶ。

 数時間の手術の後、医者には「その脚はもう…すみません…」と言われてしまった。

 俺の服はいつの間にか変えられており、病院の外には定番ストーリーの桜の木が植えてあった。


「私が落ちてから何日が経ちましたか?」


 医者は息を呑んで言いました。


「2日…」


「なあああああああああ!?一日目から勇者が骨折して、完治不可能とかふざけてんの!?」


 医者は悪そうな顔をしながら何度も謝る。


「まぁいいよ。じゃぁ、装備返して」


 そう医者に手を出すと、医者は「まだ動いてはいけません!そんなに動いたら他の部位にも負担が…」という。


「そうか…あと何日、何ヶ月ここにいることになるんだ?」


 そう聞きながらメニュー画面を開く。


「そうですね…最低でも1ヶ月近くは…」


 そう普通に話すあたり、メニュー画面は他の人には見えてないようd


「まて。一ヶ月…?」


「はい。一ヶ月は…」


「死ぬ」


 そう言って俺は下を噛み切り、死んだ。

 再び訪れる一瞬の暗闇浮遊落下。


「あああああああああだるいだるいだるい!」


 そう言いながら装備をつける。

 メニュー画面のSAVEを押すと、セーブしたはずの「SAVE1」が消えていた。


「つまり…セーブのバグ…と」


 俺は空中で軽く動く練習をして笑った。


「面白いじゃねぇか…やってやるよ!」


 そう言って今まで、現実で見たことないほど大きな像に落下しながら手をかけ、指の一二本を捨て、速度を弱め、無事、村についた。


「案外かんたんに来れたな…」


 そうつぶやく俺の腕は。もうすでに折れていた。


「こんにちは!」


 ある女の子に話しかけられた。

 女の子のステータスを見る限り、年は7歳。


「はい。こんにちは!どうしたのかな?」


 そう背の低い少女視点に合わせて屈むと、少女は俺の左頬を殴り飛ばした。


「その汚ねぇ身体でこの村に入ってくんなこのゴミ野郎」


 そう中指を立てて俺に叫んでくる。

 俺のハートにダメージが!

 とか思っている間に


「なんとか言えこのクズ!」


 そう叫び、俺の腹に蹴りを入れる。

 大きなダメージ表示。


「あは。また死ぬのかぁ〜」


 そう呟くと少女は気持ち悪そうな顔で俺を見る。

 俺の意識が遠のき、再び訪れる暗闇、浮遊、落下。


「どれだけ繰り返せばさぁ〜?一歩進めるの?」


 そうつぶやき、かなり遠くにある海へ向かって突き進んだ。


「あっ?案外行ける?」


 ほんとにそう思えるくらい短く感じてしまった。

 水の中に大きな音を立てて飛び込むが、ダメージ表示や、悪いエフェクトはかかっていない。

 とりあえず浮き上がり、浜へついた。

 そこで装備を着ける。


「あー、装備着けてなかったのが役に立ったか〜。ゆうて、かなりギリギリで海に入ったなぁ〜」


 そう言って腰の剣に手を掛けながら、村へと向かう。

 村への道はなく、そこらへんの草木を切り倒しながら村へと直線で進む。

 途中で出る唯の「ウルフ」は、軽いバトルで済んだ。

 雄叫びを上げながら噛みつきに来る犬を剣で流す。そして、首を切り落とす。

 これは、小さい頃にハマっていたチャンバラのおかげで鍛えられた剣捌きのおかげだ。

 しかし、今は何十匹の数え切れないほどの犬ころに囲まれていた。

 しかも全部「緑のウルフ」というありえないほど強い化け物だ。


「やぁやぁ、ウルフさんたち〜俺と一緒にお茶でもしない?」


 そう叫びつつレベルの上がったステータスで犬ころにそこらへんの小石を投げつける。

 レベルはたった一時間で4レベルもアップ。

 なので犬ころは軽く倒せてしまう。

 はずだが「緑のウルフ」はそうもいかず、かなり硬いようだ。


「この命終わったな」


 そう呟き直に噛まれる音を聞き、噛み締めながらたくさんのダメージ表示とともに死んでいく。

 再び訪れるは暗闇浮遊落下。


「ふぅ。初めて長く生きたな。次は、村の池だ」


 そう呟きながら真下の村に見える池に突っ込む。

 ダメージ表示も悪いエフェクトも無いが、今回も人が集まる。

 前と同じようなセリフを長々と話され前回は「助けて」的なことを言ったところを俺は、


「残念ながら〜俺は〜いや、私は唯の旅人ですよ〜」


 そう笑いながら言うと。村長たちの目に光が無くなった。


「そうですか」


 そう村長が俺に聞こえる程度の声で呟くと周りの村人が、「余所者には死を…」と一体になり呟き、俺に向かって槍や、ナイフなど刃物を投げつけた。

 またもや多数のダメージ表示。


「はい死亡ー!」


 そう叫びまたもや再び訪れる暗闇浮遊落下。

 全ては同じだ。

 そしてあの村にはなにかある。

 そう思いながら俺はメニュー画面を開きログアウトをしようとする。

 しかし、ログアウトボタンが見当たらず困惑し、無駄に時間をかけ再び死んだ。

 再び訪れる暗闇浮遊落下。


「あぁ〜マジでだるいなぁ。どうしよう」


 そう呟きながら村を見ると、井戸を見つけた。

 俺はちょうど井戸に入るように調整しながら飛び込んだ。

 井戸はかなり深く、メニュー画面を開いて、装備一式をつけることができるほどだった。

 一瞬の直立不動が訪れると同時に壁に剣が突き刺さり、腹に少しのダメージが入るだけで、井戸の途中で止まることができた。


「はい!第一目標、村への到達!達成!そしてこの村にある謎の風潮を壊す。しかないよなぁ〜」


 そう呟きながら剣の角度を力任せでずらし、剣は井戸の壁をえぐりながらゆっくりと落下していく。

 久しぶりのおおおおおおお!

 小説をおおおおおおおおお!

 書いたあああああああああ

 約五ぜん文字!

 やばくね?

 ということでお久しぶりのかたは「久しぶり!」そうでない方は、「はじめまして!」かな!

 これはなんか、LINEで回ってきたこんなRPGは嫌だってのを題材にして作ってみたかな〜っていう感じかな。

 これ…嫌だけど…嫌じゃない!ってのを書きまくっただけ!

 なんか、こういうのを書きたかったのかなうちはw

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