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わたし。

作者: ゆ

私には何も才能がない。そんなのわかっている。

それなのにいつもいつも自分はできる、いつかBIGになる。

そう考える毎日。何をやっても中途半端。学校だって

ろくに卒業できやしない。こんな自分は嫌だと思い何度泣いたことか。それなのにいつまで経っても落ち着かない。

これでいいのか、いや、だめだ。せめて就職はしなければ、

そう思う毎日。


いつからだろう、こんなにも人生を軽く考えはじめたのは。

小学生の頃はきちんと夢を持っていた。中学生になっても

ちゃんと夢は持っていた。でもこの頃からだろう。

中途半端になったのは。一応、部活動はしていた。

でも友達とお喋りをしてお菓子を食べて、テニス部だったのに

なにをしていたんだろう。私達のせいで廃部にだってなりかけた。前代未聞だろう。母にはきちんとしてるふりをしていたと思う。まぁ母のことだから気づいていただろう。それから引退して、高校は一応きちんと決めた。夢に近づくための保育の高校。

赤本は買ったものの開いていない、いつもそうだ、形だけ。

レベルが低かったので入ることはできた。ここからだ。

ここから私は落ちていった。高校に入りすぐいじめを受けた。

いじめといってもそんなにひどいものじゃなかった。無視程度だ。そんなに気にしなかったらすぐに終わった。

そこから高校ではあまり人と関わらないようになった。

すると男遊びが激しくなった。違うクラスから彼氏取るなよと

私のところにきたがそんなことはしていない。

学校生活はもう最悪だった。全然楽しくない。せっかくの高校生なのに。そして夢にも段々と離れていく。全然ピアノもできない。できないものはすぐ諦めるだめな性格だ。

でも高校一年生から続けているアルバイトだけは真面目に

していた。私の唯一変わらない続けてられているものだった。

彼氏だって常にいた。時には彼氏以外の男だっていた。

私は充実してるんだ。いわゆるリア充だ。とずっと思っていた。

高校には信頼できる友達なんて1人もいなかった。いや、いらなかった。地元の友達がいるから。そうやって友達のできない自分に言い聞かせていた。周りから見たら可哀想な子だったのかもしれない。そしてそのまま高校付属の短大へ進学した。

珍しく勉強だってきちんとした。一応、また夢を追うために入った短大だ。でも間違っていたのかもしれない。本当にしたいことではなかったのかもしれない。母は行って良かったと言ってくれているが、私はその時はそう思えなかった。短大は2年間だったというのに私の人生を左右するような2年間だったと思う。

入ってすぐは勿論、順調だった。はずだ。

最初は授業だってきちんと受け、実習にだってしっかりいった。

だが、1年生が終わろうとしていた2月、ここで私の人生が大きく変わったとも言える出来事が起こった。ただ、誰かのせいにするしかなかった。実習を途中で放棄して帰りそこから私は学校へ行く回数も減った。4つも資格を取れる学校なのに結局1つしか取ることが出来なかった。高いお金を払って貰っていたのになんてひどいことをしてしまったのだと今でも後悔している。

私は、一人でいるときはだいたい小説を読んでいた。それだけの理由で小説家になりたいといつしか思うようになっていた。

そして私は小説家の先生が来て教えてくれる学校へ通い始めた。

そこは当たり前だが自分で貯めていたお金をだした。週に一回しかない学校。私はまたすぐに行かなくなった。中途半端でなにもやり遂げることができない。こんな自分が嫌いだ。

私はフラフラとし始めた。色々なバイトをしてはやめて。

なにも続きやしない。そんな日々を続けて一年、もういい加減に

しないとダメだと思い保育の仕事に就こうとふと思った。

正社員では入らなかった。自分が臆病だからだ。パートで保育の仕事を始めることになった。遂に落ち着き始めたのだ。

落ち着き始めたといってもまだ続けて半年も経っていない。

その上、彼氏がいるのに好きな人が出来てしまったのだ。

いつもそうだ、そうやって自分の寂しさや隙間を埋めてしまう。

いつか罰が当たる。いや、もう当たったのか。心あたりはあるが

それでもまだ懲りていない。そしてまたなにもかもが中途半端に

なってしまうのだ。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 文章うまかったですよ。続きがみたい
2017/09/02 22:16 退会済み
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