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久しぶりの再会。

「久しぶりだね! 優人!」

「お、おう……」


 俺の先程の奇行など無かったかのように振る舞うふわふわとしたゆるやかなパーマが掛かった髪を弾ませながら、その内面を示すかのように柔らかな笑顔を浮かべる男、俺の幼馴染である陸哉だ。

 合えて先程の事には触れないようにしてくれてるんだな……。今は逆にそれが痛々しくもあるから、いっその事、笑いものにしてくれた方がまだ助かる。


「ところで、さっきのポーズって某アニメアイドルのだよね?! いきなりでびっくりしたから最初は気付かなかったけど、さすが優人だなぁ! 好きなキャラになりきる練習なんて。でも、もっと腕を伸ばした方がいいんじゃないかな! 勢いももうちょっといるかも! いや~、やっぱ優人とじゃなきゃこういう話が出来ないよ」


 前言撤回。こいつナチュラルに突っ込んできた。しかも細かい指導付き。まぁ、俺とお前が仲良くなったのって共通の趣味のおかげだもんね……。けど、今はその話題は不必要かなぁ?


「いや、もうそれには触れないでくれるかな? てか、他に言うことあるだろ! 何で女になってんだとか!」

「あ、そう言えば女の子になったんだよね! めっちゃかわいいよ! 何のキャラのコスプレするの?!」

「あぁ、はい。ありがとね。いや、しないから」


 もう容姿の話についてはスルーしますね。後、お前の中で俺はどんなキャラになってるんだ……。


「それにしても学校でも話題になってるよ。皆が優人がいつ来るんだろって! 皆も会いたがってるから早く学校においでよ!」

「い、いや~、俺としては後一週間、いや、一ヶ月は間を置きたい所なんだが……」

「そんなに間を置いてたら俺たち卒業しちゃうよ! 授業もあるんだから優人も早く復帰しないと大変じゃない?」


 確かにそれはヤバい。勉強に関しては、三枝さんに見て貰ってたからある程度は大丈夫だと思うが、皆と比べると遅れているのは確かだろうし、気が進まないけどなるべく早く学校に行ったほうがいいよね……。


「あ、優人。このマンガ持ってたんだ。これ面白いらしいね! 今度貸してよ!」


 きょろきょろと部屋を見渡すと、勝手に本棚を物色し始める陸哉。それは買った覚えがないからお袋が用意した分だと思う。てか、お前は本当に話があっちこっち行くね……。あ、その少女マンガってあのマンガがすげーに選ばれてたやつじゃん。俺も後で読もう。


「優人は気にしすぎだって! 俺もいるから大丈夫だよ! 何かあったらフォローするし」

「そ、そっか。だけど、もし、もしの話だが、俺が皆からいじめられたらどうする……?」


 手にしたマンガをぱらぱらと捲っている陸哉に問い掛ける。ま、あのクラスの連中なら女になった事を弄られるくらいで、そんな事にはならないと思うけど、皆の俺を見る目が変わる事は確かであり、可能性が無いとは言い切れない。


「もし、仮にそうなったとしても、俺は絶対に優人の味方だし、親友であり続けるよ」


 俺がちょっとした冗談で聞いた事なのに、陸哉はマンガを捲っていた手を止めて、俺の正面に向き直ると、真剣な表情で真っ直ぐに俺の目を見て言い切った。


「そ、そっか。あ、ありがとう」


 思いのほか、真面目な答えが返ってきて面食らう俺だが、女になっても変わらない陸哉の態度に少し不安が和らぐ。面と向かっては言わないけど、もしもの時は頼りにするからな!


「とにかく! 週明けからは絶対に来てよね!」

「頑張るよ……」


 今日が土曜日であった事に感謝だな……。何とか気持ちに整理を付けて、週明けから本気だす、うん。


「うん、やっぱこのマンガ面白いよ! これ借りて返っていいかな?」


 先程の真剣さは何処へやら。再び興味がマンガへと移ったのか、再びマンガのページを捲り出す陸哉。俺よりも寛いでるけどここ誰の部屋か忘れてない?


「だが断る。俺が先に読んでからだ!」

「えー! じゃあ、俺が帰るまでに読んで!」

「なんでだよ……。そんなに面白いのか?」

「うん、優人も読んでよ! そして感想を語ろう!」


 そういえば、今まで少女マンガなんて読んだ事ないな。ちょっと目を通してみるのもいいかもしれない。ま、大した事ないだろと陸哉と一緒にマンガを読む作業へ入る俺。

 その後、マンガを読んでいたら一日が終わったのは語るまでもない。いや、本当に面白かったです……。

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