作品タイトルは、属性がモリモリで長い方が分かりやすいってわかってはいたけどもう遅いです!
「ショータ、どうしてタイトル短くしてしまったんだい」
その声に驚いて目を開くと、パンダのぬいぐるみ(等身大)が悲しそうな表情で話しかけてきた。
「突然、そんなこと言われてもショータは戸惑うだけでしょ」と兎の獣人族(?)が言葉を返す
いや、ちょっと待てィ!ここどこだよ!
教会風な建物のなかに、いかにもな円卓があって。一番華美な席に座ってるし。。
昨日、作品を投稿して確かに寝たよね?
そんなことはお構いなしに兎の獣人(?)が言葉を続ける
「そもそも、ショータが主である以上はあんたにはタイトルに口を出す権利はないんだよ。わかってる?」
「もちろん分かってるよ。ショータが愛を込めてタイトルをつけてくれたことは。ただ、あまりにもタイトルが短すぎないか。貴女の作品のように僕も長くて分かりやすいタイトルが欲しかったな」とパンダのぬいぐるみが返答する。
「ホロッホゥ、トルトルよ1度落ち着きたまえ。弥生も、トルトルと話ばっかりしてたらショータが混乱してしまうんじゃ。」木彫のフクロウが口をひらく
なるほど、なるほど。わかってきたぞ、彼らは確かに私が書いたウェブ小説の登場人物だった。
そういえば、昨日投稿した小説の主人公はパンダのぬいぐるみトルトルだったな。
兎の獣人に見える弥生は、少し気の強いアンドロイドだね。。。木彫のフクロウは弥生の教育係でアイドスって名前だっけ。
「ようやく、理解してきたみたいだニャア。心の声が聞こえるのは我輩の特権。それは、主が一番わかってるだろう~。人を驚かすのは我輩の役目ニヒャヒャ」
半透明な三毛猫が2本足で私の肩に乗ってる。
何でこのタイミングでこの子が!?
ってか情報量と癖が強いなぁ。我ながら良くこんなにもキャラクターをデザインしたもんだ。
「ようこそ、ショータ。この場に貴方を迎えられたのは最大の喜びです。まずは、目の前の果物でも食べておくつろぎ下さい。」道化師の八十一が言う。
「クク、もてなしたいのはわかるけど、時間がないのよ。後にしなさい。本題に入らないと」
優しいが良く通った声が聞こえた。
エルフの一声に、静まり返りその場にいる皆がショータへ視線を向けた。
そこで初めてショータは、口をひらく
「リリアーナ、とりまとめありがとう。さすが銀河系の理事長だね。
この空間とか、来た手順とかわからないけど、
私の小説キャラがここにいること、ここにいられる時間が長くはないことはわかった。
リリアーナ説明してもらえるかな」
「勿論です。まずは、記念すべき10作品目の投稿おめでとうございます。
そして、10作品豊かなキャラクターやジャンル、タイトルをつけてくれてありがとうございます。
この場所は、主の夢の一部でこの空間コードネームは【ワンダー】。
寝ている間にこられる空間ですが、主がここに来れるのは、限られた条件を満たす必要があります。
条件は多いので全ては割愛しますが、主が作品を投稿した直後の睡眠であることや、満月が見える場所で寝ていること。作品タイトルも関係してきたりします。
夢の中ですが私達と主が話せている通り、主はこの世界を明晰夢のようにコントロールできないです。
来てくださったからには、やりたいことが3つあり。
まずは、お礼を言いたかった。
次に、私達のことをさらに知ってもらいたい。まあ会話を沢山したいってことです。
最後に、これはトルトルの願いですが、10作品目のタイトルを再検討してもらいたい。
私達の作品は、今まで長い作品タイトルをつけてもらえてましたが10作品目だけ驚異の5文字だったので変えてもらえればなと」
ここまでをアナウンサーのようなはっきりとした滑舌で言い終わると、
この場にいるキャラクター達が、一斉に頭を下げて笑顔で私に「ありがとう」と言ってくれた。
私は、少し照れ臭かったが嬉しかったし感動した。まさか創作物にお礼を言われる日が来るとは。。
いや、この構図は冷静に考えるとシュールだな。
というか、夢の中なら私が言わせてるのか?
こんなにも統率がとれてるってことはリハーサルとかしたのか?
半透明な三毛猫チャーシャと目があった。チャーシャはニヤニヤしながら微笑んできた。
ヤッバー、この子には私の声だだ漏れだったっ~。
気持ちを切り替え、本題に戻そう。コホン
「どういたしまして。
それなら3つ目の願いに早速取りかかろうか、そもそも『トルトル月』の何が悪いんだい?」
「ショータ、悪いんじゃないんだ。どちらかと言うと長いタイトルがなくて寂しいんだ。web小説は、長いタイトルで、好きなジャンルだったらまずは読んでもらえるだろう。そのなかで5文字で挑んだら開いてすらもらえないかもしれない。長いタイトルで作品デビューすることが僕の夢だったんだ。ショータはタイトルをいつも最後につけるだろう。今日の投稿前は本当にワクワクだったんだ。そもそも短いタイトルには何か狙いがあったのかい?」
「狙いはあったよ。長いタイトルは確かに読んでもらえるかもしれない。だけど展開は読めてしまうこともあるしそのタイトルを回収した後は、なかなか続けるのが難しいんだ。
そして、何より長いタイトルが溢れてくると埋もれてしまう。
だからこそ、挑戦として短いタイトルにしたんだ。長いタイトルに変更することは確かにできるけど、タイトル変更は混乱を招くからあまりやりたくない。目が覚めたときに、あまり読まれてなかったら変更するでいいならタイトル変更しようか。」
「なるほどね。そういうことだったんだ。確かに、短いタイトルは気になるよね。それでも僕は長いタイトルの憧れがあるからもし、伸びてなかったらお願いしたいな。」
「わかった。どんなタイトルか考えてみようか。トルトルは何かアイデアある?」
「うん!あるよ。僕なりに長いタイトルを考えてみたんだ。『食いしん坊のぬいぐるみパンダと共に異世界トンダラ人生イージーモードだった件』とか、『ぬいぐるみパンダと行く、自由気ままなスローライフ~食いしん坊だけど大活躍~』とか、『スキルぬいぐるみはトンデモスキル!?~一体しか召還できなくてもモーマンタイ~』とか。どうかな?」
「自分で大活躍とかいれちゃうタイプかぁ。主殿、ごきげんよう。ビックリして、突っ込まずにはいられなかったよ。」
と割り込んできたのは、蛇の妖精リャネクだ。
「やあ、リャネク。会えて嬉しいよ。元気そうだね。
タイトル名だけど、トルトルは良くそんなにスラスラとタイトルを考え付いたね。
せっかくトルトルが考えてくれたし、この3つを持ち帰って選ばせてもらうことにするよ。これで解決かな。
リリアーナまだ時間はあるかい?」
「主、残念ながら時間のようです。
また、会えると思いますよ。願いは通じますから。
次はメンバーを絞ってお待ちしておりますね。」
目が覚めて、アクセス数とブックマークを確認してみる。予想以上に、アクセス数が伸びていた。
うぅ、もう遅かったかぁ。スマナイ、トルトル
このまま行かせてもらうわ。