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2.お前、無事か

「俺は、全然大丈夫だけど、おまえ今どこにいるんだ?」

 聡史の声は、少し慌ててるようだがいつもと変わらない。


「おまえこそ、どこにいるんだよ心配してたんだぞ」


「えっ、そうなの。おまえに三本足の鳥居を潜るって言ったろう、鳥居を潜ったんだよ。昼だけどな」

「ドキドキして鳥居の中に入ったら、真ん中にある社の中が見えたんだ。半分屋根が壊れてたろ」

「そしたらさ、その中に丸い石が置いてあってさ、薄汚れてたからよくわからないけど、字みたいなものが書いてあるんだ。ちょっと恐かったけど」

「それで、鳥居を抜けたんだけど、すげぇ拍子抜けしたよ」

「別に何もおこらなくてさ」


 大和は、聡史が淡々と喋っているのを聞いていた。


「それで、帰ろうと思って三本足の鳥居の横を通って、神社の表まで出てきたら空気がひんやりしているなと思ったんだ、地面をみたら砂利が濡れているからいつのまにか雨が降ってたんだな」

「表の鳥居を潜って、階段を降りた所で電柱のスピーカーから町内放送が流れて来たんだ。『大雨警報は解除されました』って」

「そしたら、ビックリしたよ、スピーカーの放送の直後、物凄い地響きが鳴って土煙が上がったから爆弾でも落ちたのかと思ったら、それがお前の家の方からだから、急いでお前んちに走ってきたら物凄い事になってて、人がいっぱいいるし」

「お前の家、裏山の土砂崩れで丸ごと土の中に埋もれてしまってるしな」

「それで、慌ててお前に電話したらお前が出てきたから、無事だったんだな」

「それで、どこにいるの?」


 何を言ってるんだこいつは、と大和は困惑して聡史の電話を聞いていた。

 すると、電柱のスピーカーから「大雨警報は解除されました、大雨警報は解除されました」と流れてきた。


「あっ、それそれ、それがさっき流れてきてたんだよ。んっ?」


 ブツッ


 「あれ、切れた」

 聡史は土砂に埋もれた大和の家の前でもう一度大和のスマートホンにダイヤルをしたが、ツーツー音しかせず、電話は繋がらなかった。

 周りでは、慌てて右往左往する人、呆然とする人達で騒がしい。

 聡史は、取り敢えず大和は、無事だと思って大和を探しに歩き出した。

 田圃を見てふと呟いた。


「カエルが静かだな。夏休みは、始まったばかりなのに」



 





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