食わせる者
食わせる者
新暦1年3S1白樺1月1日夜
「じゃあ馬で逃げよう」この戦いで実践訓練を得た兵はレベル5になった。
「俺が2レベル?やったぁ。ついにレベルが上ったな」俺は嬉しい。
「あのう。エルフの旦那。俺等ナントナーク王国のエルフです」
エルフの村に移民要求してきたが討伐軍を討ち破ったせいで人が集まる。
「魔力の水晶玉で30万ディルス儲けたけどどうする?」
取り敢えずこの辺りに済む和牛捕えてドロップアイテム蓄えようぜ」。
火傷のダメージで本調子ではないので定期訓練だけ行い薬草採集だ。
エルフの一族は群れ単位での移民は拒否して個人レベルに民を受け入れた。
だが移民の数を200名に制限した辺り人口増やして乗っ取られるのが。
怖いのかと思ったが我々も山賊退治でこの辺りの勢力を糾合しないと。
「その心配はございません。我ら山賊連合600騎はガゼルに従います」
600騎と言っても兵力に使えるのは200騎くらいだろうな。
「え~と自分は惰弱騎士なので期待には答えられないと思うのだが」
一応惰弱騎士アピールであるが俺はチハヤちゃんと戦う気ないんだよなぁ。
「食わせてもらえれば働きます。盗みを止めろと言われれば更生します」
「分かった。取り敢えず食料集めに励んでくれない?」
「食料事情悪いんですか?取り敢えず秘境ギロチンムーアにおいで下さい」
俺に気を使ってギロチンムーアに合わせてくれるらしいが逃げないとな。
「取り敢えず。部下のレベルを上げないとどうにもならんぞ」
俺も頭は悪いし不器用だから部下の訓練など出来ないが直属の部下300。
ギロチンムーアがどれだけ凄い魔術師か知らんが取り敢えず引っ越そう。
全く俺の部下も300越えたし非戦闘員も700人に増えた。
「取り敢えず食料だ。兵士諸君には食料の調達を頼む」
「良いのか?ここでチハヤ国軍に攻められたら」
「今攻められたら300名の兵でチハヤ国軍1万に勝てるか?」
今必要なのは食料であるのだ。
食料?
「ギロチンムーアに多少の蓄えはあります。我らのボスギロチンムーア」
そのギロチンムーアは配下の山賊が俺の部下になって怒らないのか?
「直接配下になってる訳ではないですから」
どういう意味だ?
「貢物送るかわりに魔法で農作物の管理をしてもらってるんですよ」
うちの農地石高なら5千石は超えるぞ。
だからたまに来る隊商や冒険者を討伐して得た金貨と武具。
「鹿が出た。好戦的な鹿ですな。下手するとこちらまで怪我人が」
幾ら動物愛護でも人間の恐ろしさは叩き込んでおかないといけない。
「ちょっと待てぃ。その鹿は我々熊の餌だぁ」熊がジャンプして鹿に。
飛びかかったがあの熊の方が害獣としては強敵だなと思うガゼル。
「食べ残しで良ければお前らにくれてやる。素材は売れるんだろ?」
熊が交渉を持ちかけてきたのだが熊語を話す者はエルフしかいない。
「なんて言ってるんだ?」エルフの部隊長に聞くのだが。
「米をくれれば人間の里にはでてこない」熊だって生きるのに精一杯だ。
美味い飯が食えれば人間の領域に手を出すことは滅多にない。
熊はいや熊に限らず全ての生物に当てはまるものだが縄張りがある。
そりゃプランクトンとか虫レベルは知らんが補給類や爬虫類とかなら。
後魚類とかもだが縄張りを定め縄張りからでてきた獲物のみを狩れば。
野獣と人間の共存は可能である。
俺が言ったんじゃないぞとガゼルは吠える。
他人の小説家の受け売りだが人間の住処に来ないと誓えば食べ物やろう。
「誓う。ところで増えすぎた鹿や猪狩るかドロップアイテムあれば」
「金とやらに交換してもらえるんだよな?違うか?」
コイツ人間と協定を結んで交易で食い扶持稼ぐつもりなのか?
「違わない。金さえ用意できるなら食料を分けよう」ガゼルは言い切る。
ドロップアイテムが幾らでも手に入る国で動物虐待してもしょうがない。
「でも人間は肉食獣なので肉を食わないのは少数派であるな」
俺も肉は食うが鹿や猪肉より牛のドロップアイテムが欲しいのだ。
「まあ何で食い扶持が増えるんだよ?」
俺の財産管理してるの柚木だが異世界風味の紅茶とかで空腹を誤魔化す。
飢餓輸出という奴だが勿論飢えるほどには輸出はしないのだ。
だって飢えてる民衆から食料取り上げて餓死者が続出したら。
耕作放棄地を誰が耕すんだ?
「俺はミット将軍。ダルーニャのスパイだ。一応停戦には同意したから」
コイツ俺達がこの森に潜伏する限り邪魔をするつもりなのか?
「ミット将軍の武勇は知っている。米を3万石ほど買わんか?」
「こちらも要求がある。鹿のドロップアイテムとイノシシの肉だ」
俺等と戦う準備のために各方面から少しずつ食料を集めてるのか?
いきなり買い占めたら食料が高騰して暴動が起きるかも知れんからな。
「あのう。この戦の原因はカマモトの讒言なんだ」
「お兄ちゃんはチハヤ国に逆らう気はありません」俺のために命乞いを。
柚木は取り敢えずミットに5万ディルス渡して申し開きを要求。
「俺はチハヤちゃんの命令で派遣されてきたからな」
大人しく降伏してくれないと困るなぁと言いやがるのだ。
「チハヤ国軍はナントナーク王国の討伐に1兆人の兵を向けている」
恐らく1将軍に過ぎない俺の言う事など闇落ちしたチハヤちゃんには。
一時はあんなに豊かだったのに今は不況で贅沢は敵だだからな。
チハヤちゃんに支払う500京ディルスの預金の利子が経済を圧迫。
最近は首都でも抗議デモが発生しているんだと言うのだが。
因みに1白樺=リアルの1年。
1S10白樺。
1年50億白樺の世界である。
全年齢版だと意味不明だと思い補足する俺である。
「まあお前らを討伐するには失敗したら国内で反乱が起きるからな」
せいぜい部下を増やして戦いに備えるんだな。
「お言葉に甘えて訓練させてもらうよ。ミモザの街で冒険者に登録したい」
「良いだろう。俺とてこんな役目嫌だったんだ」
カマモトの讒言にチハヤ国が真に受けて1万人も討伐軍を貼り付けている。
この1万人があればナントナーク王国の城を10は落とせるぞ。
「ミモザの街に入ることを認める」だがバレると面倒だから変装しろよ。
そしてガゼルとイリーナと柚木は部下に待機させミモザの街に向かった。
ギルド登録の予定です。