第12章 9 コーリャ救出作戦
コーリャたちが行ってしまってから、部屋に戻ったシロンを仲間たちが取り囲む。
「コーリャは!」
「……警察に、連れてかれた」
マリヤが青ざめる。
「最悪だ。不法入国までバレたら……」
「既に感づいてる気がするよ」
ベグが腕を回す。
「脱獄だ」
「もう! そんなことできっこないでしょ」
アリーが珍しくきつく怒った。
「脱獄かはともかく、コーリャをすぐ取り返さなきゃ。そのために何をすればいいか……」
鍵が開いたままの扉が開き、ドミトリーとオレグが勝手知ったる様子で入ってきた。
「お邪魔します、皆いる?」
「……どうも」
快活に挨拶するドミトリーと沈んだ顔のオレグ。立ち尽くすシロンたちのただならぬ様子にすぐ気がついて、眉をひそめた。
「何かあったの?」
「コーリャが警察に捕まった」
二人は顔を見合わせた。
「何で?」
「あんたらがチクったんじゃないの?」
「違う、誓ってもいい」
経緯を話すと、二人は揃って慨嘆の溜息をついた。
「そんな訳だから、コーリャを一刻も早く助けたいんだけど……」
「容疑は住所不定か。うちのじいさんを貸してやろうか?」
「何すんの?」
「じいさん、俺とコーリャの見分けもつかないくらいぼけてるからな。保護者ってことで警察に迎えにいかせるんだ」
「そんなの、上手くいくわけない」
ベゲモートが憎々しげに言った。
「そうか? ならお前ならもっと良い案があるんだろうな。さあ出せよ」
「やめろ。今喧嘩してもしょうがないだろ」
マリヤがうんざりしたようにオレグをたしなめた。
「とはいえ、作戦を練る時間も惜しいね。オレグ、頼める?」
「任せろ。タクシー代はおごれよな」
「当然だよ」
オレグとドミトリーは携帯でタクシーを呼び、アパートの前で乗り込んで行った。マリヤとシロンも一緒だ。ベグとアリーが残され、気まずい思いをする羽目になった。




