変身! りゅーがブルー!
「おしっ、変身すっぞ!!」
「おー!!」
華火の掛け声に拳を突き上げるリューガに、ふみかが眉を顰めた。
「この人と着替えるなんて、正気の沙汰じゃないんですけど」
「あんでだよ、いつもやってるじゃねえか。姉ちゃんを仲間はずれにすんのかっ?」
「あのね華火ちゃん、先輩は取り憑かれているんだよ。分けなきゃいけないの」
「配慮してやるヒマねえんだっての」
制服を脱ぎはじめる華火を、萌子と夕陽が止めた。
「さすガニ、男子ト変身はナイっスよー。ラノベ&ギャルゲー的展開ハ、リアルじゃマズいっス」
「リューガくんが気まずいと思うわぁ」
「俺なら平気だけど? 演劇部の衣装替えは男女気にせずやってたし」
華火のポニーテールが、リューガに同意するかのようにぴょこぴょこ動いた。
「む、むり。それじゃあ私はお手洗いでしてくるから」
「うちも、そうしよかなぁ」
「結局服置きにココ戻んないとなんねえぞ。二度手間だっ」
ふみかと夕陽は下を向く。
「ハイ☆ 提案ガありマース」
萌子が飛び跳ねて挙手した。
「ふみセンパイ、ゆうセンパイ、はなっち、カモン☆」
少しの間、四人は頭を寄せ合った。
「おい、リューガっ」
彼の周りを、にこにこと乙女達が囲む。
「手荒な方法やけど、すぐ終わるから堪忍してなぁ」
「男ノ子なんデスかラ、耐エテくだサイね」
「『憑依』する人を考えてよね、んもう」
リューガの視界が、真っ暗になった。
目隠しと耳栓をされたリューガは、先に変身した四人に青のヒロイン服を着せられ、めでたく「りゅーがブルー」になったのであった。
祝、男性ヒロイン誕生!
狙ってしたわけではないですが、最近誕生しましたよね。初の男性戦士。日曜日の朝番組をご存知の方なら、伝わるはずですが。あちらは異世界の鳥、こちらは憑依しているといえどもひよこ (©︎花浅葱様)。しかし、りゅーがブルーは「御身の近衛兵 (おんみのこのえへい)」ではないのです。
ひよこ版のヒロインズ、見てみたいですね。りゅーがブルーひよこ版と並んだら、読者が増えるかも??