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プロローグ1 〜秘められた才能と運命との邂逅。

魔法と科学。異なる基盤により発展した2つの世界が1つになった日。


人類は突如として現れた見慣れない多種族。見たことのない新世界の風景に心奪われるが、次第に我に返り始めると、暴動と大混乱が世界を支配した暗黒期がその昔あったのだと言う。


その後、黎明期に世界の変質による魔物の発生や異界化の脅威にさらされ人類滅亡の危機を迎えたが、世界に相互干渉する調律術と錬律術を操る【調律師】と【錬律師】の誕生により、変質していく世界に希望を見出した人類は結束して、これに立ち向かっていったとか。


――――――――――――――――――




学校から少し外ずれた公園の中央開けた場所に、夕暮れになりかけた陽の光に当てられて浮かび上がる、近くの高校の制服を着た7人の学生の姿がそこにはあった。


彼らは同じく制服を着た1人を中心にして取り囲むように並び立っている。


7人は皆一様に手を中央で身を震わせている僕に向かって伸ばし、魔力を使って円環陣を手のひらに創ると共に叫んだ。

『『『『火炎波(ファイア)』』』』『『『電撃波(サンダー)』』』



「ぐ……ぎゃあああァァァ!!!!」

妖精種やエルフの同級生が放った火魔法や雷魔法に体を焦がされ、その身に受ける衝撃に意識を飛ばされそうになりながら、僕は昔聞いた史実の事を思い出していた。




「ぎゃはははは。見ろよこのマヌケ面。クソウケんだけど」

「ツゥかさ。あんま大袈裟に叫んでんじゃねぇよな。寒みぃんだよな。」

「最下級魔法ぐらいで、大袈裟な。こんなのじゃれついてるようなものでしょうに。」

「そうなんだよ。こんなに反応されるとさ。こっちが弱い者いじめしてるみたいじゃないの。ねぇ。」




グループを作ってよくつるんでいる4人組は、何が面白いのか嗤い合って僕を見ている。


……言っている意味がよくわからない。解りたくない。



程度は低いが体のあちこちにできた火傷と、制服が少し肌に貼り付いたのを感じる痛みに、僕はうめき声を上げて体が動かそうとするも雷魔法で少し体が痺れているのだろう。


そのまま地面に倒れて動けない。

意識を朦朧とさせる僕の耳になおも彼らの声が入ってくる。


「まったく……情けない奴。こんな奴のせいで俺は……!」

「元気……だして?ユージの方が……かっこいいよ。」

「ほんとだよこんな奴の方が良いなんてぇ。あの子ってば本当に趣味悪〜い。」




…………あの子?誰の話をしているのか分からない。そのあの子とやらのせいで僕は今こんな目に?


朦朧としているからかそんな考えが頭をよぎる。

僕はその考えごと振り払うかのように緩慢に頭を振るうと、痺れの残った身体をゆっくりと起こしていく。


その様子を嘲るような笑みや憎悪の感情をもって見下す7人。


それを視界に入れながらこの時、身体に刻まれた神経回路(アストラルライン)が別物にに切り替わっていくのを感覚として理解していた。


切り替わった何かに魔力が回る。周る。輪る。廻る。

……だけど高まり満ちるソレが使われることはなかった。



「コラッ!そこで何やってるんだ!」

緊張が拡がり軋む空間に外から声がかけられる。



―――その日、お姉さんに出会えた僕は調律師としての人生を歩き出していくことになる。


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