ドラゴンベビーな相棒と行く パイロット版
戦闘シーンの練習中です
一面に咲く紫の花の中を、一団が駆け抜ける。
どこまでも続くかに見えた花畑。 しかし、一陣の風に巻き上げられた濃い香りの中。
頭から角を生やした青年は、あぜ道に踏み直す。
「どこからでもかかってこい、とは言わんが」
射掛けられた矢を、片手で弾く。
「簡単に倒せるとは、思うなよ」
雄叫びを上げて、手にした壊れた弓から、小剣に持ち替えた(そのうえ腹から蜘蛛の頭を生やした)カエルや、剣を手にした(クビから下が全裸中年男性で、股間にはコテカのような飾りつけられた木の筒をつけた)犬が、襲いかかってくる。
「たかだかアマチュアが作ったキメラごときで、オレを殺せると、本気で思ってるのかよ」
「まあ、プロの作ったキメラに必ず負ける、とも思っては居ないがな」
口から出る声は、震えてるわけではない。 声が複数混じったような声で、奇妙なことに、「ひとりで掛け合いをしている」のだ。 頭がおかしい? ちがう。 「戦い方が、外道とされている」のだ。
魔法に必要な意識の集中を斬りかかる犬の剣をかち上げ、はたき落としながら、終え。
その口から放たれるのは、炎。 実際には、吐息をトリガーにした、魔法ではあるのだが。
武器を取り落して、それでも一矢報いようと、向き直った眼前で。 小さな火球が目に飛び込み。
とっさにかざした手の向こうでの爆発から、目を背けながら、次の敵に目を向ける。
眼前で火球は、膨らみ、犬中年の顔面をまとわりつくように飲み込み、爆発。 それ自体は、睨み合っていて、とっさに防御した、使った本人が大したダメージを受けた様子もないことから、致命的なものではないのか、あるいは、撃たれた犬中年の顔面にまとわりつき、焼き続ける炎の様子から、よっぽどの炎なのか、キメラたちは、考えるのをやめた。
弓矢カエルが甲高い声をあげると、花畑を回り込んでいた、量産型のカエルの兵士たちが応答する。
包囲を狭めるカエル兵士。
「花畑を荒らしてんじゃねえよ!!」
また炎が来るのか、そう身構えたカエルたちを。
風が襲った。 風に触れたものは、皮膚の下から氷柱に貫かれ、乱れる。 そこに顔面に氷のナイフが突き立つ。
「でえい!! 足を止めるな!」
「わかってるよ!!」
まだまだ不慣れですががんばります。