From Bai Yang
獣化ウイルスが発生してから2週間が経った。
私の住んでいる地域は6割が感染してしまった。私の名前は「陳 湖 (チン・フー) 」国家ジャーナリストだ。
ー1週間前ー
「山東省によるウイルスは山東省に留まらず世界各地へと拡散されていることが確認されており、政府はマスクをつけることや、徹底的な消毒を呼びかけています。」
と、ニュースは言っていた。すると、1本電話が届いた。
「おい!陳か? お前の母と姉が感染者に襲われていたぞ!」
仕事中の私の背中に冷たい水を一気に被ったような冷たいものが背中を走った。すると行動は早かった。
急いで家に向かうと警察官が現場検証していた。中に入ろうとしたら、
「すみません。関係者以外立ち入り禁止ですよ。」
テープを貼った範囲の外にいる警察官に言われた。
「ここの家に住んでる者です。」
僕はそう答え、警察官にテープの内側に入るように指示された。
「あなたがここの住人ですね。まず率直に言いますと、感染者は現在逃走中で、2人の女性ですが近くにある
匂王林中央病院に搬送されています。」
犯人が逃走中と言うのがあまりにも許せなかった。そして、警察官から言われた病院へ行き、病室へ向かった。
『この先関係者以外立ち入り禁止』
感染者病棟へ行こうとしたが感染者病棟行きのドアに張り紙で書かれていた。
「陳さんですか?先ほど警察の方からあなたのことを聞きました。しかし、そこからは一般人は立ち入り禁止なんです。」
感染者病棟の前突っ立っていたら後ろから看護師に言われた。
「姉と母の現在の状態を写真にしてくれませんか。カメラを渡しますから。」
私は、看護師の方に写真を頼んだ。
ー1時間後ー
カメラを渡した看護師が戻ってきてくれて、一緒に画像を見た。
「前側にいる患者があなたの姉です。その奥にいるのがあなたのお母様になります。」
衝撃だった。2人は、すでに獣化の第3ステージに突入していた。
「感染がこんなに早くなるなんて、私も初めて見ました。でもこれが現実です。」
看護師から言われて、私は帰路についた。すでに夕日になってしまった。
結局感染していた。唾液を目や鼻、口に入ってしまったら感染してしまうのだろう。政府の中では、3日経つと感染リスクは消えると言っていたが、果たしてそうなのだろうか。
唾液など体液自体には感染リスクがあるように思える。仕事柄の癖なのかもしれないが、常に疑ってしまう。
家につくと、警察官はもういなく現場の証拠品以外は、そのままにしてくれていた。
すると、隣に住んでるおばさんが布団を干していると、私に気づいてくれた。
「陳君! お母さんたち大丈夫だった?」
心配そうに声をかけてくれた。私からしたら少し嬉しかった。感染者に襲われた被害者は大抵は周囲から腫れ物扱いが普通だからだ。
「お母さんたちは感染してしまいました。声をかけてくれてありがとうございます。」
私はそう言って、おばさんに手を振って家の中に入った。家の中にある家族写真を見て私は泣いてしまった。看護師の人から渡されたカメラの中にある画像は、お母さんたちが、ヒョウに少しずつ獣化していたからだ。
誰も居ないリビングで私はひっそりとテレビをつけた。
「今日の昼過ぎに、柏杨の梯囸扬国際地区の民家に感染者が女性2名を襲い、女性2名は搬送先の病院で感染が確認され、また、感染者は、現在逃走中です。」
テレビでは、私の家族の事件が話題になっていた。そして、そのままソファーに横になり寝てしまった。
気づけば、外は、真っ暗になり、携帯の時間では、20:37と書かれていた。
夕食は日本人の仕事仲間からもらったカップラーメンを食べた。あまり私たち向けとはいえないが、心が温まる美味しいものだった。
夕食後、カップラーメンの容器を捨てて、自室に戻り、PCをつけて仕事をした。すると、
「バンッ」
と玄関から聞こえ、念のため、近くにあったヌンチャクを持って玄関の方へ向かうと
「動くな! お前をこれから拘束する。声を出したら即殺す。」
いきなり、小銃を持ったガスマスク武装の人たちに捕まり、黒い車に乗せられた。口には、タオルに少量のレンガの破片を入れた物を口に無理やり押し込まれ、喋れない状態にされた。
「ンンンンン!(離せ。お前たちは何がしたいんだ!)」
武装していた奴らがガスマスクを外すと、私は驚愕した。
なんと、彼らは、感染者だったからだ。
「これで、お前も見てしまったな。大丈夫だ。お前を殺そうとも俺たちのようになろうともさせないからな。」
そう言って、私の首に感染者の一人の尻尾が撫でてきた。
「俺たちは、獣李会柏杨の者だ。俺はあんたの守護人になる瞓然逖だ。よろしく。」
そう言って、私は何かの匂いを吸って眠ってしまった。
ー次話に続くー