表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/38

プロローグ

宜しくお願いいたします!

 私には、家族と呼べるものはいなかった。


どうして私には、お父さんもお母さんもいないのか? 施設の職員に聞いても納得のいく答えは返ってこなかった。


いないものはいないのだ。


孤独・・というわけではなかった。施設から通う学校では、生涯の友達も出来たし、社会に出てからもその関係は続いた。看護師になって同僚と呼べる人たちがいて、良い上司に恵まれ、生活は充実した。でも、家族と呼べる人はいなかった。


 ある日、余命宣告をされる。


 誰のために生きているのかわからなかった人生が、あと数か月で幕を下ろすといわれても、私には何の抵抗もできなかった。今までと同じ日常を繰り返して、その日を待つだけだった。最後は病院のベッドで親友に看取られて目を閉じた。最後まで寂しくはなかったが、目を閉じるときに最後に見た親友の顔は、なんだかとても悲しげだった。


家族というものが欲しかった。寂しさはなかったが、心残りはそれだけだった。


・・・・・・。


目が覚めると、美しい女の人が頭をなでてくれていた。

「どうしたの?怖い夢でも見たの?」


美しい人は、優しい声で語りかけながら、細い指で私の頬をそっと拭ってくれた。


拭った指が濡れている。自分が泣いていたからだ。綺麗な指が涙で濡れてしまって申し訳ない気持ちがこみあげてくるが、彼女はそれをまったく気にしないことを、私は知っていた。


なぜならその人は、私の母親だから。


「お母さん・・」つぶやいた言葉に笑顔が返ってくる。

「お母さん!」呼んだ言葉に「なあに?」と返事が返ってくる。

ベッドから起き上がって母に縋りつく。

「お母さん!お母さん!」何度も呼び掛けた。その人は私を抱きしめて、優しく何度も頭を撫でてくれた。


寂しくなかったなんて嘘だ。


こんないいもの、居たほうがいいに決まっている!

縋りついて泣きながら「お母さん」と呼ぶたびに胸が暖かくなる。


「よっぽど怖い夢を見たのね。大丈夫、お母さんはここにいるわ。」


前世には母はいなかったが、今世ではそれがいる。


こんなにうれしいことはなかった。


 皆さんの小説を読んでたら、いてもたってもいられなくて、初めて小説書いてみました! 素人なので目に付くところもあると思いますが、しばらくお付き合いいただけると幸いです。 いちおう最後まで書き終わってますので、直しなおし公開していければと思います。よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ