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第7話

俺様こと西村 祐介はある病室を訪れた。


……え? お前誰だ? 言い過ぎじゃね。

西村だよ、よく思い出せよ。1話に出てきた今井 薫の彼氏だよ!


……え? 使い捨て的なキャラじゃなかったのか? ちょっと君、校舎裏行こうか



えー……とりあえず新しい女を攻略中の俺だが今回はなかなか手強い。1つ年下、偏屈者の幼なじみでかつ美人。多分学校一だ(偏屈者と美人両方で)。なんか腹かっさばかれたとかで入院中らしくて弱ってると見て落としに来たのだが。


「あっ…来てく……」


彼女は明るい表情で何か言いかけて、直後におもっきり睨まれた。その形相に俺、半分萌えたが半分タジタジ。


「ゆーにぃ、何しに来た……?」


声色が恐いつーの…… ちなみに『ゆーにぃ』とはこいつがちっちゃいときから呼んでる俺のアダ名だ。言うまでもなく『ゆうすけにいちゃん』を略した物である。義妹(違)萌えー。


「心配して見にきたのにそりゃはないだろ 美咲」


備え付けの椅子を持って来て座ろうとしたら美咲が飲み掛けのペットボトルを先に椅子に乗せるという高等テクで俺が座るのを阻む。いつからこんな態度取るようになったんだが…… お兄ちゃん(違)悲しいわぁ。ま それはともかくとして、だ。


「……お前、男出来た?」


入院中だってのに化粧はしてあるし髪は整えてるし、なによりさっきの表情と発言。


「ゆーにぃってそれしか頭にないでしょ ウザい」


さりげに毒を吐いてそっぽを向く。そんな仕草も絵になるなぁ、こいつは。じゃなくてだ。気になるのはこいつの交友関係。俺としては不登校まっしぐらのこいつに真っ当な出会いの機会があるとは思えないんだが……


まあ詮索しても話さないだろうし、男いるなら諦めるかね 略奪愛も悪くはないがその手のあれは障害が無くなった途端にシラケるパターンだ。間違いない。


「って言うかこないだ彼女殺されたばっかりじゃない もう別の人探してるの……?」


さっきの鋭い睨み方じゃなくジトッ……とした湿った眼光。刺さるねぇ


「ああ 薫なぁ、別にあれはあれでフる手間が省けたっていうか、あれだよ、アレ えーっと……あれ?」


知らずに頬が濡れていた。ポタポタと床に雫が垂れる。


「悪い ちょっとタンマ」


乱暴に袖で涙を拭う。演技くせー…… って思ったやつ。ひねてるのは俺じゃなくお前らだ。


「……ごめん 言い過ぎた」


美咲が困ったように目を伏せる。


「いや 構わんよ、うん その顔見れただけでも」


「バーカ……」


冷めた顔で言われた。


「で、男出来たの?」


「改めてそこ行くか……」


「んーっと俺の予想ではお前と付き合えるぐらいだからお釈迦様みたいな性格なんだろうなぁ 見た目は落ち着いた感じ?ってか無頓着なぐらいで なんか頭はよさそーだけど運動はできなさそうな、ん? 何震えてんだ? 顔真っ「バカァッ!」


「うぉっ?!」


いろいろ物が飛んできて中には致命傷になりえそうな果物ナイフとかが混じってたので俺はやむ無く病室を飛び出した。



「ふぅ…… 黄空のとこの姉さんみたく落ち着いてはくれんものかね」


あ でもあの人、昔一家惨殺事件かなんか起こして少年院行ったんだよな……




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