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村人、死す

誤字脱字、内容の矛盾などありましたら教えてもらえると幸いです。

【PIEEEEEEE】


「たッ、助けて……誰か、助けてくれ!」


俺は今絶体絶命のピンチを迎えている。

逃げる俺を追いかけているのはウサギの魔物【ホーンラビット】だ。

魔物とは野生の動物などが突然変異したり、神からの使いだと言われている魔物もいれば魔物が繁殖したり交配種等も様々だ。


今逃げている魔物は野うさぎの突然変異で産まれてくる角が生えたウサギで俺みたいな役職が村人(・・・・・)の俺位だと簡単に殺すことが出きるほどの強さを持っている。


ガサッ!


ホーンラビットが俺に向かって突撃してくる。

俺は反応が遅れて右足に角が深々と突き刺さった。


「ぐぁああ!」


右足に激痛が走る。

駄目だ、早く逃げないと……。

俺がここで死んだら避難した村のみんなに迷惑がかかる。

俺は殿を自ら申し出たんだ。


「カッコ悪いところは────」


ホーンラビットは突き刺さった角を俺の足から無理やり抜いた。

また激痛が走る。

そして間いれずにホーンラビットは俺に飛びかかってくる。


うつ伏せになっていた体をどうにか仰向けにした。

どうにか急所は外したが左腹部に猛烈な痛みが来る。


見ていないが貫通していると感覚でわかる。

次の攻撃で俺は死んでしまうのだとうか?

24年という短い人生だった。

死ぬ前にできればもう一度あの子と遊びたかったな……。


「…………」


いや、逃げるな俺……。

ここで死んでいいのか?

ダメに決まっているだろ!


「クッソォォォオオオオ!」


俺は最後の力を振り絞ってホーンラビットを押さえつける。

どうやって押さえつければいいか何てわからない。

ただがむしゃらに押さえつける。

爪で裂かれ、出歯で噛みつかれ、俺の手は血だらけになっていた。


シュタッ!


空気を切る音が聞こえてとっさに前を見ると自分と目があった。

いや、鼻をかするほど近くに剣があった。

白く神々しい片手用の長剣……。


「綺麗だ……」


一瞬剣が綺麗すぎて今の現状を忘れてしまう。


「そうだ! ホーンラビットは!」


ホーンラビットには剣が突き刺さっており、それによってホーンラビットはピクリとも動かなくなっていた。


「大丈夫か、村人くん……」


気が付くと俺の前には一人の女性が立っていた。


「貴女は?」

「私は……勇者をやっている。 名前は────」

「勇者ってことはユリス・ヒイロ?」


あ、やばい…………。

もしかして俺、勇者様の言葉を遮ってしまった…………?


「…………」


あぁ、黙り込んじゃってるよ勇者様…………


「あの…………勇者さ───」

「覚えていてくれたの…………?」

「そりゃもちろん」


勇者はこの町でも有名だからな。

世間話をあまりしないに俺でも名前ぐらいは聞いたことがある。

すると勇者様が泣き出した。

俺の中で【速報】村人、勇者泣かす。 がピークに達していた。


「ご、ごめん! 泣かないで、ね?」


あれ? でもなんで泣いてるんだ?

勇者が言葉遮られたぐらいで泣くのか?


「なぁ、お前なんで泣いてるんだ?」

「何のことですか?」


勇者立ち直り早いな…………。

まぁ、深く追求するのはよそう。


「そういえば…………村のみんなは全員無事なのか?」

「それなら全員無事だよ?」


良かった。

それだけが気がかりだったからな…………。


「んじゃありがとう、最後に俺を看取ってくれるのが勇者ってのは天国に行って誇れるなぁ」


実はさっきから体のあちこちから血が噴き出してきている。

この傷は決して生半可の薬を使っても効果は一切ないだろう。

ここまでくると最高ランクの薬【エリクサー】や回復魔法の【エクストラヒール】でやっと治るな。

なんたって腹部貫通に右足はほぼ千切れかけている。

めちゃくちゃ痛い。 痛い?


もう痛いのかどうかわかんないや。


「まぁ、よく頑張ったよ、お疲れ様」


彼女は最高の笑みを見せた後、俺の首元を叩いてきた。

最期に痛くないように意識を飛ばしてくれたんだろう。

でもおかしいな?さっきの首トンで俺の首が超痛い。

あれ? 首が折れてる?


あ、やばい…………。 痛い。

意識が…………。

俺の最期…………勇者に殺られて終わるとか…………


まじ笑える…………。

こうして俺は意識を手放したのであった。

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