22.ショッピングモール
「うまーい!このチュロス最高!」
口を美味しそうにふくらまし、チュロスを噛んでいる。
「ちょっとわけてー!」
「あんただめでしょ?」
「頂戴!くれ!」
とみずきにチェロスを取りにかかるが首根っこをつかまれる。
「その凸面体をなんとかしたらねっ!」
とお腹を「凸面体」と言い換えるユーモアセンスは最高だ。
土曜日に最寄りのショッピングモールにみずきと行き、ゲーセンで遊び昼飯を食べたところだった。
ショッピングモールの中央を見渡せるスペース。
「え、うそでしょ?」
「なになに。先生でもいた?」
「彼女だよ、佳奈さんって」
みずきはじっと上からその様子を見ている。
「広告で見た人そっくりだ」
「そっくりっていうより本人だよ」
「ああ、そっか」
しかし、そこに疑問要素がある。なぜか子供と手を繋いで歩いてるのだ。
「しかも・・・子供・・・。あれ、子供いないんじゃなかったっけ?」
「確か・・・」
おそらく友達の子だろう。自分の子供とは思えない関わり方をしている。
それをじっと見ているとなんだか、口角が自然と持ち上がっていった。
隣のみずきはそのみさきの姿を見て、なにもすることはないと思い、
立ち上がりどこかへ行ってしまった。
どこかへ行ってしまった。みずきを探し、ふたりはまた歩き出す。
「あー、まだ食べれる気がする。今ならポテトチップス5袋くらいいっきに食べれるよー」
「そんなことしなくても四六時中食べてばっかりじゃんあんた」
と笑いながらそういわれる。
二人は下の階に降りるため、エレベーターを遣って下に降りようとしたとき、
エレベータから出てきたのは佳奈さんだった。
「あら、みさき!?」
「あれ~」
と白々しくいたことを知っていたのに知らないように見せる。
「こんにちは」
と礼儀正しく挨拶をする佳奈さん。
「なんでモールに?」
「友達と買い物にきたのよ。付き合ってって言われてさ」
「ふふふ、レズなの?」
「ち、違うわ!」
と佳奈さんがみずきの台詞に挙動しだす。
「ああ、この子は無視しちゃってよ。ちょっと変わってるからさ」
「・・・・そうする。気分はどう?」
「最高だよ。周りや世界が輝いて見える。最近だってへそが3Dになってきたんだよ。ほら、観て」
「すごいわ・・・・」
「うっ」
急にうめき声をあげるみさき。
「どうしたの?」
「蹴られたの赤ちゃんに」
「ほんと・・・。さわっても・・・いい?」
「決まってんじゃん!ほらっ!」
腹を出し、前に突き出す。
佳奈さんはずっと腹をさすっている。
「学校でもみんなにしょっちゅうお腹をつかまれるんだよ、今や私はレジェンドだからねー。カンガルーって呼ばれてんの。まあ気性が荒いしね。当たり前だよね」
「何も感じない・・・・」
「じゃあ、話しかけてみてよ。マントルぐらい遠くの奥にいるくせに、声は聞こえてるみたいだよ。」
佳奈さんは一度咳払いしてから
「んんっ!と声をあげたあと、
「私・・・・佳奈・・・・聞こえてる?かわいい赤ちゃん・・・はっ!今、蹴ったわよ!」
「でしょー、ちゃんと聞こえてるんだって。」




