01.検査薬
ツルハ。
学校終わりに通ったのはそこだ。
長方形の箱を取る。
検査薬。
これで何度目だろう。
家族には言えないので買ってすぐにトイレを借りてそこで調べる。
初めて+のマークが出た時はぞっとした。
でも信じられなくてずるずると何度も検査し続けている。
毎週550円が減っていく。
バイトでもしようかな。一度しかしたことない。ふとそんなことを思ったりしている。
制服スカートを下ろし、便座にケツを降ろしていく。
検査薬を開封する。股から検査薬を入れる。股から取り出し確かめてみる。
「あーあ~~~」
ま~た、プラスだよ~
「くっそ、いいかげんにしろよーほんとにさ~」
なんで妊娠なんて奇跡が起きたのか本当にやめてほしい。
はっきり言って加藤との行為はすんごく良かった。
けど私も加藤もそういうのは初めてだったのに、でもよかった。
最初で最高の・・・・
「おきゃくさーん!大丈夫です~?」
「あっはい!」
急いでトイレから出ると、
怪しそうな眼差しが私をちらりと見ている。
「すいません」
たしかに30分以上も入っていたらしい。
現実逃避が如実に表れている。
私は謝りながらも検査薬を何度も降り続けたので、
またもや嫌な目でこちらを見られる。
そして制服姿と相乗効果となり、
嫌悪感を通り越してかわいそうな目でこちらを見ている。
「ほ、ほかのお客様の迷惑になりますので」
少々きょどりながらもさっさと立ち去っていく。