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妊娠した女子高校生みさき  作者: カネミズ
12/36

11.産婦人科

病院。

病院の受付に予約を確認し、待合所でに十分ほど待機することになった。


待合所にいたのは、いろんな世代の女性たち。

なかには40代を過ぎているのではないかと思われる女性もいた。

みんながみんな中絶というわけではないだろうが、どうしても中にはちらほらと

若くてケバイ女性や、うつむき暗そうな女性などがいた。

そんな空気の中で、まるで疎外感を感じながらせきにすわる。




周りの中絶患者の立てる音が耳をつつく。

質問用紙が挟んであるバインダーを指でつつく音。

爪を爪で研ぐ音。

マニキュアを塗る音。

腕を掻く音。

鼻をほじる女性。

爪を研いでいる音。

首を掻く音。

いろんな音が何か自分に訴えかけているように聞こえた。

すると、その音はだんだんと動悸の音と変わり、体はたまらず動き出した。




私はこんなところにいるべき女性じゃない!

私はこの子を・・・・・






産んでやる!






反抗期からくる社会への反感のような感情がぐつぐつと湧き出し、

そして勢いよく爆発した。

立ち上がった体は病院を出て、家へと駆けていった。






ピンポーン。

扉から出てきたのは、みずきの母親だ。優しくふくよかなお母さんだ。

「久しぶり。」と軽く言うと、「みずき~!みさきちゃーーん!」

と叫ぶ。

どたどたと階段を降りてきた、みずきは、顔を一度一瞥した後、そばにあった

スリッパを置く。

こういうところはしっかりしていると改めて思わされる。




ミズキの部屋。

みずきの部屋に入り、しっかりと扉を閉め、

で、「中絶は?」と問いかけられる。

「できなかった。なんか生んでやろうと思ってさ。」

「は?でも中絶しないとやばいんじゃない?」

「でも、赤ちゃんは生むことにしてさー赤ちゃん欲しがってる人にあげるってのはどうかな?例えば不妊の女性とかレズのカップルとかに。」

「えー、いるもんかなーあ、でも!用紙の広告チェックしよう」

「あるのそんなの?」

「たしか、記載されてた気がするよ。切実に子供求むってさ」



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