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閑話 鉄道を敷設しました

ベリアル「セフェラ?・・・エスケープしやがった。えー、このボツ話は大体辺境領リネルメ興隆記の五章の十話と十一話の間位かな?ヘボ作者が知って・・・ああ、どの辺りだか忘れたんだ。読者諸兄の皆様にはその辺りご注意下さい」





朝からうだる様な暑さだ。

雨が降らなくなってから二年以上が経った、王国暦321年夏。

あたしは、朝から執務室で、ラナバルラントに遠征しているタレザが率いる軍に、兵站に不備が無い様に書類仕事に追われていた。





ラナバルラントが、リゼルアに侵攻して来たのが319年の年の暮れの少し前。

ラナバルラント軍は最初は勢いは有ったが、次第に兵站の問題と、こちらの新兵器に因って、現在は逆侵攻している情況になっている。

あたしも、最初国内・・・つまり、アジェラルで戦闘中の間は、軍の中で指揮を執っていたが、二月半ば辺りに陛下の容態が急変し、二月末にはあっという間に崩御されてしまったからさぁ大変。

しかも、後継者をお決めになられていなかった事も有り、内戦になる可能性が高まってしまった。

なので、タレザを大将、ベリアルを参謀として、彼女達に事後を託して至急ザールラントに戻って来たのが三月五日頃。

デンフー丘迄の街道が整備されていたため、デンフー丘からザールラントまで二日程しか掛からなかった。


それで、保守派の侵攻に対して対策を講じようとしたが、保守派は保守派で散発的な一揆の鎮圧にてんてこ舞いで、後継者争いどころではない事をメアラから聞き安堵した。

しかし、予断をゆるさない情況にあるのは確かなので、メアラにはここで総指揮を執る様に言われた。


それから、四月半ば位にタレザから、国内の侵攻軍は略追い返せた旨と、逆侵攻の嘆願が来たので、あたしはメアラと協議して、宰相閣下の指示を仰ぐつもりで王都に向かったが、容態が悪かった閣下に何とか面会して、一緒に連れて来たルシフェルに診て貰ったが、ルシフェルは「この世界の医療技術レベルでは、あたしでも無理さね」

どうやら手の施し様が無い事を知り、閣下はあたしに「手筈は整えてある。後を頼む」と言い残して、翌四月二十一日に逝去されてしまった。


(ちょっとどうすんのよ。二月には国王陛下が、更には今日宰相閣下が亡くなられるとか、この危機危急の時にヤバい以外の何物でも無いじゃないのよ。直ぐにお妃様を擁立しないといけないわ)


その後、メアラ達と協議して、何とかお妃様を説得し、王国史では三人目となる、リーシャル女王陛下の誕生と相成った。


リーシャル陛下が即位した後、メアラを事態の収拾に当たらせ、国庫を開き保守派の領地の領民にも援助をした事で、国内の混乱は一応の終息を見せた。

ただ、保守派の領地は資本が逃げてしまった為に、事前と事後では明らかに経済基盤が脆弱になってしまったと言わざるをえない。

それと、いくつか反乱軍に占拠されてしまった領地が有るので、その対応も含め、メアラの手腕で乗り切って貰うつもりだ。


リーシャル陛下が即位し、事態が終息したのが五月・・・二十日だったであろうか、それから一週間程経った六月末にメアラから連絡が有った。


旋盤の作製に成功したらしい。

あれ?メアラは今王都に居るんじゃあ・・・と思っていたら、保守派の復興計画等を半月程で纏め上げ、早々にロンテ市に向かっていたそうだ。


(ハァ・・・メアラってばチート過ぎるわよ)


ロンテ市は、あたしが領主になった頃こそ、世帯数が百にも満たない寒村だったが、リネルメ製鉄が操業する様になってから、製鉄の町として栄え始め、この頃には人口10万人を超える都市となった。

リネルメ製鉄の従業員数も当初の500人から7200人にまで増えていって、高炉の数も40基となったが、三分の一程が操業停止している。

原因は材料不足だ。

鉄道なんて無いので、当然輸送手段は馬車となる。

鉄で強化して、四頭だてで運搬しても一回で運べる量は、運べて精々2トン。

それに、デッセンラントからロンテ迄は休憩無しで三日掛かるが、当然休憩はするので、実際にはもっと時間が掛かる。

しかも、一度ザールラントで載せ替えの作業があるのだから、結果的に高炉40基をフル稼働させるだけの量を運べない事になる。

また、運搬に使う馬車を増やす案も有るには有ったが、これ以上増やすと街道の傷みが酷くなるという事で、擬似アスファルト舗装が完了する迄見送られる事になった。


そこで、新たな輸送手段の構築となるが、リゼルアには運河はおろか、航行可能な河川・・・というか河川自体が無いので、当然鉄道の一択になるのだが、機関車の部分が出来ないと無理なので、今は用地の確保だけは先行して行われていた。


話を戻すと、その様な時に、メアラはあたしに内緒で旋盤の開発をしていたが、それが完成した事の連絡が有ったのが、320年の六月末。

それで、蒸気機関の試作機の運転に成功したのが半月後。

えっ?何でそんなに早いのかって?

あたしだって知らないわよ、メアラのチートぶりに目眩がしてきたわよ。

で、狭軌(0.75セル(約1.5m))で一周500セルの実験路線を敷設して、機関車だけを試走させたのが八月末。

ちなみに、広軌の場合は線路幅を1セルにするらしい。

あちらの規格と違って切りがいいので分かり易い。


それで、機関車の大きさは、軽トラックを一回り小さくした感じで、馬力は設計20、試走時10馬力が出たらしい。


それから、気付いたらロンテからザールラントにまで路線(単線)の敷設が完了したのが年が明けた、321年一月中頃。


(えっ?何であの距離の鉄道の敷設を、粗鋼の生産高が日産10トンに満たないのに、僅か半年足らずで終わらせる事が出来るの?もう、あたしは訳が分からないわよ)


そして、ザールラントからデッセンラントまでは、粗鋼の生産量が増えた事も有り、三ヶ月程で敷設が終わり、デッセンラントからロンテまで、単線ではあるが一本に繋がった事で、

鉄鉱石とコークスの輸送量が10倍に跳ね上がり、リネルメ製鉄はフル操業出来る様になった。





そして今となり、現在ではデッセンラントからザールラントを経由してロンテに至る路線は、複線化した。

今度は原材料の生産が追い付かなくなって来たので、複線化はしたが便数は単線の頃と一緒だ。

せっかく複線化したので、旅客便を走らせる事になった。

貨物だけの頃は、便数自体が少ないのでダイヤグラムの作成も簡単だったが、旅客便を運行する様になる事になると、当然複雑化するのだが、そこはメアラだけあってひとりでダイヤグラムを組む。


尤も、あたしに回されたって、〇列車ですら始発と終電の大まかな時間だけ決めていただけの、ダイヤグラムとは到底呼べない様な代物だったので、実際に走る列車のダイヤグラムの設定なんて絶対無理だけどね。


鉄道が開通し運行業務を開始したが、それで、リネルメ旅客の売上が落ちたって事はない。

理由は運賃。

ロンテからデッセンラントに馬車で行くと、銅貨一枚と小銅貨5枚(約3,000円)で行けるのに対して、列車だと銅貨八枚(約16,000円)もかかるので、一般の人は時間は掛かるが、運賃の安い馬車を利用する。

なので、専ら富裕層や公的な機関が利用している。

路線は来年中には、領内の主要街道沿いに敷設が終わるらしい。

完了すると、一番長いデンフー市駅からゾアレリゾート前駅までの区間、馬車なら数日掛かるのだが、朝三つ刻に出ればその日の八つ刻過ぎには到着する様になる。

もっと機関車の改良が進めば、ザールラントからゾアレ市へ日帰りの旅行が可能になる。


ベリアル「ここまでありがとうございます。誤字・・・は修正しませんので、ご報告は不要な事をご了承下さい。また、このセンターの性質上、次回の更新は未定・・・というか、ヘボ作者がSSを書くとは思えないので更新自体これっきりかもしれません。その事は悪しからずご了承下さい。あと、ガルダフェリナシリーズの諸作品を今後ともよろしくお願いいたします。またね」



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