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DOD  作者: 死
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第一章 弐 逃走

───(ヤバイ!! ヤバイ!! ヤバイ!! 速く逃げなきゃアイツに捕まる。霊華とは、離れたけどまた会えることを信じていまは、アイツから逃げることだけを考えろ!....)


 地下室の探索を終了し出ようとしたとき、「あれ? 霊華は?」さっきまで一緒にいたはずの霊感華の姿が見当たらない。

 「霊華のやつどこに消えたんだ?」

 すると、その時、

 「零君!! 逃げて!!」突然地下室の階段から、霊華の叫び声が聞こえてきた。

 「霊華?」階段下を覗くと霊華が必死になって階段を駆け登ってくる、その背後には、

 「なんだよあれ、」霊華の背後にいたのは、地下室の映像に流れていた怪物とは少し小さめの黒い物体が数百体ほどいた、

 「霊華! 急げ!」

 「急いでますよ!!」ドアまで後数十メートル近くまで来ていた。

 (霊華が出た瞬間に閉めてやる。)

 そして、霊華がドアから出た瞬間おもいっきりドアを閉めた。

 「うりゃあ!!」ドンッ!! ドアを閉めた瞬間にドアの向こう側から強い衝撃が当たった。

 (なんて強い衝撃だ、)

 「零君! 鍵を閉めて!」霊華に言われるままに急いで鍵を閉めた。すると、先程までしていた衝撃が消えていた。

 「はぁ、はぁ、はぁ、」霊華は当然息切れになっていた。

 「大丈夫、じゃないよな、」

 「あたりまえですよ、つかれました。さっきのあれは、一体何者なんでしょうか?」

 「いや、さすがにわかんないよ、」

 (映像のヤツといい、さっきの小さいヤツといい、この学校はなんなんだ?)

 確かにこの学校には、怪物がいるとは噂になっていたのは、知っているが何種類いるのかまでは、全く知らない。

 一息ついてまた探索を開始する。「ねぇ、一つ聞いてもいいですか?」

 「ん? なんだ?」

 「零君は、昔この学校に通っていたんですよね?」

 「そうだけど、それがどうかしたのか?」

 「なら、この学校の内部の構造もわかるわけですよね?」

 「そりゃあ、まぁ、」

 「それなら、この学校の一番怪しいところってどこかありませんか?」

 「怪しい場所?」

 「そうです。怪しい場所と思うところなら、なにかヒントになるものがあるはずなんです、」

 「なるほどね、そうだね怪しい場所か、」昔の記憶を頼りに考える。しかし、怪しい場所といってもさっきの地下室以外他に怪しい場所は思い当たらない。

 

 「あ、」

 「なにかわかりましたか?」

 「あ、いや、そういう訳じゃないんだけどさ、」

 (僕の記憶が正しければあそこかな?)

 「霊華、一つ思い出したんだけど、」

 「何を思い出したんですか?」

 「僕の記憶が正しければ多分ここの三階のなにもない教室があるんだ、」

 「なにもない教室? そこに何が?」

 「あー、実は昔その教室で自殺した生徒がいたらしいんだ、でもその生徒は死体がどこを探しても見つからなかったらしい、ただあったのは、その生徒の持ち物と血が床に散乱していたんだ、」

 「そうですか、自殺を、、」

 そこになにがあるのかはわからないが、いまはそこにいって手掛かりを探すしかない。

 「わかりました。とりあえず、そこに行ってみましょう。」

 そして、彼女と共に三階の教室へ向かった。しかし、まだこの時、僕は気付いてはいなかった、背後からずっと僕らのことを凝視している存在がいることを、

 

 「着きましたね、」教室の前までやってきた、この三階の廊下も一階の廊下と変わらず冷たい空気が漂っている。

 「じゃあ、開けるか、」教室の扉を開けて中に入る。

 「それじゃあ、探索を開始しましょうか、」彼女の言葉を合図に教室の探索を開始する。

 「うーん、何かないかな、」教室をくまなく探すも、何も見つからない。

 「霊華、そっちは何か見つかったか?」

 「....」

 「霊華?」名前を呼ぶが返事が返ってこない。

 「霊華! おーい、」すると、バサッ、何かに覆い被さられた。

 「ムグッ!?」

 「零君静かにしてください。」

 隣には落ち着かない様子の霊華がいた。

 「お前、なにしてたんだよ、」すると、霊華が「あそこを見てください。」彼女の指差す先を見るとそこには教室の扉の透明なガラス窓から、教室を見渡す黒い影の姿があった。

 (あれは、さっきのやつなのか?)

 しばらくして、その影の姿はいってしまった、

 (さっきのは、映像のやつと同じなのかな?)

 「にしても、よく気がついたな霊華」

 「いえ、先程から何かの視線を感じたので。」

 「なんなんだろうな、アイツは、」

 「おそらく、shadow monsterとでも呼べばいいのでしょうか、」

 「シャドウモンスター? 影の怪物か、」

 確かに、さっきのような影しか映らなかった名としてはふさわしい気がした。

 「ん? 影、」

 「どうかしたんですか?」

 「いや、もしもあいつが本当に影の怪物なら、おかしくないか?」

 「おかしい? なにがですか?」

 「影っていうなら、この教室にも影があるから普通に侵入して僕らの背後から襲うことも可能じゃないかなと、」

 「確かにそう言われればそうなりますね、」

 「でもあいつは多分、目が見えないと思うんだ。」

 「なぜですか?」

 「地下室の監視室の映像あったろ?」

 「はい、ありましたね、それが?」

 「あの映像の中に映ったあいつはなぜかふらふらしているように歩いてたし、まるで酔っ払ったおっさんみたいに歩いてたからさ、」

 「でもそれだけじゃ、目が見えないとは言い切れないのでは?」

 「いや、もう一つ理由があるんだ、」

 「それは、なんですか?」

 「多分君は見てないと思うけどあの影は、数十歩歩いてから一度止まるんだ」

 「一度止まる?」

 「そう、そしたらその後に周りを一回転して何かを確認してまた歩き出したんだ。」

 「それが、なんだというのですか?」

 「霊華、これはあくまでも僕の考えなんだが多分あいつは周りの温度を確認して動いているんだと思うんだよ。」

 「周りの温度でですか?」

 「簡単に言うとサーモグラフィーだよ、」

 「サーモグラフィーって、私達の体から放出される赤外線を熱分布として表示することですよね?」

 「その通り、あいつは、目が見えない変わりにそのサーモグラフィーらしき器官が以上に発達しているんだと思うんだよ。」

 「それが、本当なのかどうかはわかりませんが、もしそうなら厄介ですよね、」

 「そうだな、僕らの体温があるからこそあいつは、僕らの居場所がわかるから、あまり見つからないようにしないといけないんだよな、」

 (あいつの弱点みたいなのがあればいいんだけどな、)

 「でも、そうだとしたら、さっき私達が隠れていたのになぜ、教室に入って来なかったのでしょうか?」

 「あー多分それは、あれだな、」

 「あれ?」指差す先には外から射し込む光だった。

 「光ですか?」

 「そう、僕らの隠れていた場所は光が当たっていたから、あいつには気がつかれなかったのかもな、」

 「確かにこの窓の外から射し込むあれは、月でしょうか、あの光が苦手なのでしょう、」

 (たしかに、これは弱点になるのかもしれないが場所がずれると、使えない時もあるからな、)

 そして、教室の探索を再び開始する。すると、「零君!! これ、」

 「どうした? 何か見つけたのか?」

 霊華の近くに駆け寄ると彼女は一枚の写真らしき物を持っていた。

 「それは、なんだ?」

 「おそらく、この学校の創設された時に撮った写真でしょう。」

 写真には、数字が書いてあった。

 「2+2、8+8、5+5、なんだこの数字が意味しているものは、」

 「あ、もしかしたら、」霊華は何か分かったらしく、その写真を持ちながら黒板に数字を書き出した。

 4、7、1黒板に書かれた数字はこの三つ。

 「なにか、わかったのか?」

 「はい、多分これは、数字根だと思うんです。」

 「数字根? なにそれ、」

 「例えばです。9+7の数字根は、7です。つまり、計算の仕方は、この二つの数字を足してそれが二桁の数字になれば、16です。そして、それぞれの位の1と6を足すと答えが出ます。」

 「なるほど、詳しいな、」

 「いえいえ、これくらい楽勝ですよ。」

 「それで、この数字が示しているのはなんなんだ?」

 「この黒板には小さなくぼみがあるんですよ。そこにこの解いた数字をなぞると、」その途端に教室の後ろの掲示板に切れ目が入り、小さな四角い箱が出てきた。

 「この中に何かヒントがあるのか?」

 「わかりませんが、とにかく開けてみましょう。」彼女に言われた通りに箱を開けると、

 「これは、またどこかの教室の鍵だよな、」

 「でも、この鍵はどこの教室の鍵なのか、書いてありませんね、」一階のD組の教室で見つけた地下室の鍵とは違いこの鍵には何も書かれてはいなかった。

 (つまり、一つ一つ探すしか方法がないのか、また振り出しからか、)

 そして、探索を終了し教室から出ようとしたその時、教室の後ろのドアが急に開いたそこには、影の怪物【shadow monster】がいた。

 すると、影の怪物が『ミツケタ、』

 「は? あいつ、話せるのか?」

 「そんなことを言っている場合じゃないですよ、速く逃げないと、」

 すぐさま教室を離れ全力で走るが、

「あいつなんか速いな、」すると、「痛い。」霊華が転けて倒れいたのだ。

 影の怪物はもうすぐそこまで来ていた。

 「ちっ、しょうがないか、霊華、僕があいつの注意を引き付けるからその間に逃げろ!」

 「ダメですよ。私も一緒に逃げます。」

 「いまの君の状態じゃまともに走れないだろ、」

 「でも、」

 「いいから、大丈夫一時的に離ればなれになるだけだから、またきっと会えるさ、」

 「わかりました。でも約束してください。絶対に生きていてください。」

 「バカ言うなよこんなところで死ぬわけにはいかないよ、そういうお前こそ逃げ切れよ。」

 そして、「おい! こっちだ!」その声に反応するかのように、影の怪物は追いかけてきた。

 (零君、絶対に生きててくださいね、)

 

 さてと、どこに逃げようかな、さっきみたいに月の光のある場所は、

 「ここは、なんの教室だ? まぁ、とにかく入るしかないかな、」教室に入り月の光の当たっている。場所に移動する。しかし、影の姿は見当たらない。

「上手く撒いたのかな?」影の姿は見えず逃げ切ったらしい。

 「また、この教室を探索するか、それにしても霊華のやつ大丈夫かな、」

 そう思いつつ探索を始めるそのときあることに気が付く。

 「そういえば、今更だけどなんで教室の机の配置が変なんだろう。夢の中だからこそなのかもしれないけど、」

 この時、頭にある言葉がよぎったパラレルワールド、現実とは別に存在するもう一つの世界のこと。

 (ここがもし、死の世界なら、あり得なくはない話だよな、)

 「とにかく、探すかなヒントを」

 数分後、「うーん、なにも見つからねぇ、なにかないのか?」

 (ん? そういえば、さっきも言ってたが教室の机の配置が変なんだよな、いくら、三年が過ぎたといえ廃校の学校が机や棚の配置をわざわざ逆にするかな?)教室内を見渡し観察する。

 (なんか、ある気がするんだよね、)その時、「あぁ、そうか、」

 その途端に教卓の上に立ち教室を見下ろす。

 「なるほど、教室の机が変な配置になっていたのは、これか、」見下ろしたその先には、机の並びがある言葉になっていた。

 「これは、【こ】か?」机の並びを繋げて見ると、【こ】という文字に見える。

 (そうか、これか、)そして、また何かを思い付いたのか探索を開始する。

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