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3.猫のお宿になりました

それから猫は、たまにやってくるようになった。昼間だったり夕方だったり時間はバラバラだけど、いつもしばらくくつろいだあとどこかへ帰っていく。


そんな日が続くものだから、飼っているわけではないけどキャットフードを買い置きすることにした。いつまでもツナ缶じゃ体によくないだろうし。店長にそんなことを話したら、

「物好きね~。まぁアナタらしいじゃない。」

と笑っていた。ちなみに店長は30代後半くらいの綺麗系女子(と言わないと怒られる)。ラブラブな旦那様は眼鏡が似合うこれまた綺麗な方だ。買い付けなんかは二人で行っている。密かに憧れている夫婦さんである。


先日とうとう梅雨入りをして雨が続く6月。今日も朝から雨が降り続いているけど、それは夕方になって激しさを増していた。

「うわぁ~…バケツをひっくり返したようなってこんな感じか?」

あまりの雨足の強さに「今日はもうお客さん来ないでしょ。」と店長が店を早仕舞いしたので、いつもより早く家に帰った。窓の外は雨が止む気配などまったくない。

「梅雨とはいえよく降るね~…ん?」

窓に映った黒。もしかして…

「やっぱり君ですか。」

外に居たのは、ずぶ濡れで一回り小さくなった黒猫。

「お入り。雨宿りしていきなよ。」

近くにあったタオルで包んで抱き上げてみたら抵抗がなかった。どうやらしばらく居座るらしい。

もう2、3枚タオルを取ってきてしっかりと拭いてやる。大人しいどころかなんか気持ちよさそうにしている。いつものふわふわの毛並みに戻ったので、ご飯を用意した。

「今日はネコ缶だよ。ちょっとお高めなんだけどおいしい?」

CMで見た新製品のそれは、おいしいらしい。いつもより食べるペースが早いもん。隣で私も晩御飯にした。ツナとキャベツの簡単ペペロンチーノにサラダ。雨だと凝った料理を作りたくないんだよね。


「雨止みませんなぁ…どうする?泊まっていく?」

夜になって少し弱くなったけど、まだ雨は続いていた。このまま帰しちゃうのはかわいそうなので、うちで夜を過ごすことを勧めてみた。すると、「え、いいの?ほんと?」みたいなキラキラした目で見られたのでお泊まり決定。

「朝晴れてたら外に出してあげるよ。」

ソファーでクッションにもたれてくつろいでいる猫を撫でてやり、天気予報を確認。一応晴れるとは言っているが、この時期の予報はアテにならない。明日のことは、明日にならないと分かんないね。

猫が家にきました。が、まだ飼うところまでいってません…

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