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別の世界で生きていく条件  作者: 招きダンボー
チュートリアル
10/25

閑 話 クロス

短いです。


※一部修正しました。

開拓が進んだ領域の大陸の5分の1を占めるミュソレイ王国。

まだまだ太古に滅んだとされる文明の跡地や、未発見の地または未踏破未開拓の地が多く占める大陸ではあるが、それでも王国の領土はかなりの大きさである。


そしてその大国の下に活動しているのが冒険者ギルド、傭兵ギルド、魔導協会、商工ギルド、の四大ギルド。


更にその上には、四大ギルドの運営をする四賢連合会がある。


他には、一般には知られていないアサシンギルドに非公式の盗賊ギルド等があり、こちらはとても表では言えない様な仕事を請け負っている。




四大ギルドの活動だが、魔導協会は基本的に魔法の研究とモンスターの討伐を、商工ギルドは経済の管理を行っている。


冒険者ギルドは最低限、1年に1度は依頼を受けなければライセンスを排除されるが、様々な特典がある。


食品の割引、宿泊優先権、武器、防具の修理費割引など。

ランクに応じて特権が増える形になっている。

冒険者ギルド300年の伝統だ。


当然、そのような特権のために様々な人間が集まる


一発逆転を夢見る者、腕に自信のある者。

子供達や、田舎の若者が憧れ、夢を見てやってくる。


憧れるだけの逸話や伝説も、現物として形に残っているのだ。

SSやSランクともなると、竜種の討伐、王国騎士団ロイヤルナイツにすら勝るその戦闘力を持って、世界の危機を救った経験など見た目や、功績としても華やかな物だ。



逆に、冒険者になって活躍するという夢に敗れた者は田舎に戻ったり、別の職種に就いたり、はたまた傭兵ギルドに所属したりする。


そのため、傭兵ギルドは自然と質の悪い人材が増える。


300年前からの名残で、冒険者ギルドの下位互換として傭兵ギルドが存在しているらしいが、傭兵ギルドは現在のまま、下位互換としての存在に不満がある訳でも無い様だ。



実力差がある冒険者ギルドと傭兵ギルドだが、冒険者と傭兵を雇う時の基準、つまりランクは統一されている。

ランクの昇格試験についても同様だ。


なぜなら雇う時に、強さの基準が違うと困るからである。


だが、Sランクを超える人材はほぼ冒険者ギルドに所属していると言って良い。

それだけ両ギルドの実力の壁は大きいのだ。


そして、その誉れ高き冒険者ギルド本部にて、ある会議が行われていた。








「レッドタイガーを一人で狩る男に、その従者のドラゴンか……信じられんな」


「飴が食べたいです。早く買ってきてください」


「机の上に立つなと何度言えば分かるんだ、座れ」


円状の透明なテーブルを囲うように配置された6つの椅子は、装飾からも一流の職人が仕事をしたと見られる。


その椅子は、王族にも引けを取らない造りだ。

そこに座るのは3人の冒険者、彼らこそ冒険者最高と謳われるSSランカーだ。


「いや、しかし本当のことなんだが……」


口を挟んだのはSランク冒険者の一人、モーガンだ。


SSランクのフィネが椅子に座っているが、父親であるモーガンは大理石の床に片膝を折り、頭を下げている。

彼もSランクとは言え、ここではフィネの方が立場が上だ。


「親父の言ってることは本当だっての、このやり取り何回目だよいい加減にしろよ」


援護するのはフィネ。

どことなく刺々しいのは、尊敬する父親が自分の後ろで頭を下げているからだろうか。


「っていうかなんでSSが3人しかいないんですか、特にジジイとか。これ一応大事な会議らしいんですよね?」


発言したのはリトヴァ。現在、魔導協会会長を抑えて大陸最強と呼ばれる魔導師だ。

紫の長髪を、とんがり帽子に黒いローブで隠している。


その姿は、この場には相応しくない愛らしさがある。


「アンドレアス様はギルド長でもある。忙しくて来られないそうだ」


神経質そうに答えるのは齢35のクリストフ。

金の髪をオールバックにして纏めている。


見た目は、怖そうな管理職のおっさんと言った所だろうか。

普段からのストレスが溜まっているのだろうか、、さっきからずっと眉間に皺が寄りっぱなしだ。


「まあ、モーガン達が持ち帰った死体を見れば納得せざるを得まい。それに、フィネの証言を疑うわけでもないしな」


クリストフは続ける。


「で、その男の特徴は?」


その問いに、フィネはご機嫌な様子で答える。


「普通の好青年って感じだったよ、ていうか格好良かった」


「フィ、フィネ!?駄目だぞ!お父さんは許しません!!」


クロスは、実のところそこまで格好良い方でもなく、どちらかと言うと普通の人という部類だが、あの戦いぶりを見てフィネの中では補正が掛かっているようだ。


同じ趣味を持つ者同士、自分よりその趣味で秀でている人は数割り増しで格好良く見える現象と一緒だ。

そんな娘の様子を見てか、父はあらぬ心配をする。

ガタイの良いおっさんがオロオロとする姿は中々に愛嬌があるが、この場においてその振る舞いはクリストフにとってあまり好ましい物ではない。頭を抱えるばかりだ。



「リトヴァ」


「いや、私に話を振らないでください」


クリストフは、面倒くさいからこいつらの記憶を覗き見ろと言外に伝えたのだが、どうやら却下されたようだ。


グダグダとなった会議に、緊張感が足りないとクリストフの心配事がまた一つ増えたようだ。


「とりあえず、そいつの対処はどうするべきか……。はぁ、くそ……胃が痛い」

FPSやってて気付いたんですが、デッドサイレンスって丸パクリでしたね

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