表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

モノのコトバ

作者: カルタ

 八月中旬、うだるような暑さを感じながら登校。

 何故夏休みに登校しているかというと、今日は夏期講習の最終日だからである。

 教室に入り、友達が来てないため、俺は一人で隅の方に座る。


 今更ながら自己紹介。俺の名前は田中健二(たなかけんじ)。彼女いない歴16年=年齢。嫌いなモノ、勉強。

 講習は親に強制的に……くそっ!!


 先生が入って来て、1時間×3の講習が始まる。

 「さて、今日もがんばろうな、シャーペン君」

 寂しかったのでシャーペンに話しかけ、無駄に返事を想像してると、


 「フハハッ、芯のやつ……今日もイジメてやる!」


 …………なんか聞こえた。

 シャーペンの芯を出しながら、もう一度耳を澄ます。

 「いてぇっ!頭押すんじゃねぇ!」


 …………………シャーペンが喋った?


 周りの生徒は無反応。聞こえるのは俺だけみたいだ。

 とりあえず黒板を写す。


 「オラオラオラオラァ〜!」


 ………シャーペンはノリノリだ。何故か。

 そういえば、芯がどうとか言ってた気がする。芯に意識を集中すると、


 「痛い、やめて!削れてく〜……」

 「オラオラオラオラァ〜!」


 シャーペンは芯をイジメてるらしい。

 黒板を写し続けるが、その間ずっと芯の悲鳴が聞こえる。

 …………………何、この罪悪感?


 集中出来ずに書き間違える。消しゴムで消すと、


 「俺の努力がーーーっ!!」


 芯の叫び声。だから何この罪悪感!?

 消しゴムに集中してみる。

 「ハハハハハッ、ウケる!ウケるーっ!芯ドンマイ、ハハハッ!」

 消しゴムどんだけ笑ってんだよ!?性格悪っ!!


 キーンコーンン……


 俺の文房具の本性がわかったところで一時間目終了。


 どうやら今の俺にはモノの声が聞こえるみたいだ。


 間もなく二時間目が始まった。

 俺の持ち物は気にしないようにする。そして、ふと黒板に集中する。


 「見ないで〜!皆して僕を見ないで〜!恥ずかしい〜!」


 ……黒板はシャイボーイでした。

 続いてチョークに集中。


 「もっと、もっと黒板に叩きつけて!もっ…………」


 精神的に良くないので集中を切らす。


 ……お、先生が寝ている生徒を発見したぞ。

 先生は起こすために黒板を……叩いた。叩く音より大きな絶叫が響く。


 「ぐぁぁぁっ!!肋骨がぁぁーっ!!」


 こ、黒板ーーーっ!!

 それでも起きない生徒に、先生はチョークを……投げた!


 「I am flying!!」


 何言ってんだコイツ!?しかも何気に発音良い!


 キーンコーンン……


 二時間目が終了した。床にはチョークの残骸が転がっていた。


 教室を移動し、三時間目が始まる。

 今回はプリント演習だ。プリントに意識を集中する。


 「バイバイ……」

 「今まで、ありがとな!」

 「僕達は、未来に向かって、羽ばたきます!」


 などなど、後ろに回される度に別れの挨拶を交わしている。

 プリントを解きはじめて、しばらくすると……


 ビリッ

 「「「た、田中ーーーっ!?」」」


 「はい?」

 返事をすると、

 「どうした、田中?」

 先生に怪訝な顔をされた。

 「いや、呼ばれた気が……」

 「気のせいだろ」


 ビリビリッ

 「「「田中ーーーっ」」」


 まさか田中って……


 「皆、田中が……破られた。」


 プリントかよ!?何で名前があるんだよ!?


 「うぅ……健一ぃ……」


 しかも名前似てるし!

 気分が悪いので集中を切らすと、


 キーンコーンン……


 三時間目が終了。


 ………いつもより疲れた。


 よし、帰ろう!明日は普通であることを願いながら。

どうも、カルタです!

今回は……今回も学園コメディーです。ワンパターンでスミマセン。

つたない文章にお付き合いいただき、ありがとうございました!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] おもろい事にはおもろいんやけど・・・ 性格のチョイスがなぁ・・・
[一言] これぞまことの学園「モノ」コメディー・・・ということですか? 途中は個性豊かなモノ達のお喋りで楽しかったです。 出来れば、そのままの勢いでもうちょっと楽しいオチが欲しかったですね・・・・・…
[良い点] 「無機物の声」という発想が面白く、想像しながら読んで楽しめる点。 [気になる点] 発想やネタは面白いのですが、「突っ走って終わり」という印象を受けます。 締めの部分にもう一ひねりを入れるこ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ