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 体に痛みを感じ目を開ける。ふらついた頭で上体をを起こす。まだ倦怠感は残っているが気絶する前の状態よりはよくなっていると感じる。だが体の中に今まで感じていなかったものを感じる。直感的に前世界で伝承にあった気力や魔力などといったものであることがわかる。青スケルトンがやっていたように右腕を出し炎を出そうとしてみるが出る気配は全くない。残念に思いながら立とうと思い力を籠めようとするが力が入らず立つことができない。回復までに時間がかかると考え、体内に感じるものの運用方法を考えることにした。ふと特異技能なんか身につけてるかもと考え本を出すことにした。


 特異技能:New‼「突き」New‼「戦士の心得」New‼「蛮勇」


 なんか増えてる。特異技能の詳細を見ることができるらしい。突きの字を触ってみる。すると文字が浮かび上がってくる。


 特異技能:「突き」

 効果:突きを用いた攻撃の威力上昇。

 剣や槍、拳などを用いた攻撃手段の一種。格闘術における基本の技であり、発展する可能性がある。 

 

 特異技能:「戦士の心得」

 効果:戦闘における行動の補正。恐怖への耐性。

 あなたは戦いに身を置くもの心得を得た。自分のために戦え。


 特異技能:「蛮勇」

 効果:恐怖への完全耐性。状態異常への耐性。回復能力の上昇。すべての成長に大幅補正。

 理性を捨てた勇気は自分のためにある。道が違えば勇者になりえたもの。もう遅いが。

 

 うん、なんか私情混じってない?勝手に蛮勇ってつけられて「お前は勇者になれたけど、もう遅いよー」って何なん?貶されただけ?まあいいか。特に戦闘スタイル変えることもないし、特異技能は考えなくていいや。とりあえず体内に感じるものの操作だね。


 小一時間、瞑想するように胡坐をかき目をつぶって動かそうと格闘したが、ほとんど動かすことができなかった。動かせることはわかるが動かし方を知らないといった感覚である。あれだ耳動かすことができるやつが小学校の時いたが俺は動かせなかった。あの感覚に近い。いつか掴めるだろうと考えさらに進むことにした。

 

 青スケルトンの間は赤スケルトンの間と同様に奥に扉があり、奥は今まで来たような洞窟であり見た目上の変化はない。ただ奥の洞窟には武器持ちのスケルトンのほかに魔法を使ってくるスケルトンが出てくるようになった。さらに連携をとてくる個体も出てきた。武器持ちと魔法使いのペアが非常に面倒極まる構成で武器持ちに集中しすぎると魔法が飛んでくる。さらに武器持ちに剣以外がいたように魔法使いにも個体差がある。今まであった個体だと、水、炎、土、風、黒い球の五種類だ。特に黒い球が厄介でこの暗い空間だとほとんど見えない。しかも当たるとその部分が重くなるクソダル魔法だ。こっちは全く魔法が使える気がしないのに勘弁してほしいものだ。青スケルトンの魔法に当たった後、気絶したがほかのスケルトンの魔法に当たってもそのあとあれほど悪い症状になることはなかった。なんでかは全く分からない。ただ成果ももちろんあり、殴るときに体の中の塊が拳に行ったり、防御の時にその部位に移動したりと動かす感覚は少しずつであるがつかめてきている。ぜひともマスターしたいものだ。


 その後もしっかり迷いながらスケルトンをちぎっては投げ、ちぎっては投げを繰り返しまた扉の前に来た。扉は今までの赤スケルトン、青スケルトンのものよりも豪華であり、扉というよりも門に近い。あの名探偵のアイキャッチの扉のようで大きさは3メートルほどある。目測であるため正確ではないが人の扉にしては大きい。でかい敵であると予想しドキドキしながら扉を押し開ける。すると中には今までのスケルトンと同じ大きさのスケルトンが立っていた。そのスケルトンは片手に剣を持ち、骨の色は暗い紫をした光沢のある骨を持っていた。その立ち姿は武術を感じさせる今までにないほどの強者のオーラを纏っていた。予想外の敵に驚きはしたものの強者の風格に自然と口角は上がりどう倒すかなど考えるよりも先に体が動き、紫スケルトンに向かって走り出していた。走りながら加速した脳で今までのスケルトンの色の法則性を考え直感的に魔法と武術に優れたスケルトンであると判断し、走っていた方向を切り替え紫スケルトンを中心とした円を描くように距離を詰めていく。スケルトンは空いた手のほうで魔法を放ってくると思ったが、驚くことにスケルトンは両手で剣をもち、何かを溜めるような動作で上段で剣を構えている。不思議に思いながらチャンスだと思い距離を詰めようとしたときにとてつもない嫌な予感を感じる。咄嗟にのけ反るように後方へ飛ぶ。すると今までいた位置に剣が振り下ろされていた。スケルトンが元居た位置と現在の位置の間には赤く染まった地面とそこに迸る電流がバチバチと音を鳴らしていた。距離を取るのは悪手だと考え、滑るような動作で突くことを強く思い浮かべながら右腕を振りぬく。スケルトンは振り下ろした時ほどの速度は出さずに剣で防御しようとする。攻撃への転換がすこし遅かったためか拳は剣で防がれてしまう。だが無理な体制での防御では威力を防ぎきれず、剣の腹はスケルトンに当たりそのまま突き飛ばす。


「お前、連続でその電光石火みたいな技使えないだろ。しかも一直線の移動技としてしか使えないな!一撃で倒せなかったお前は俺には勝てねぇ!」


 自分を奮い立たせるように予想した言葉を吐き、突き飛ばしたスケルトンとの距離を詰める。突き飛ばしたスケルトンは剣を離しており、剣は倒れたスケルトンの2メートルほど頭の方向に転がっている。この好機を逃すはずもなく頭上に立ち真下に突くように拳を振り下ろす。スケルトンは両腕をガードするかのように顔の前に持ってくるが特異技能により威力の上がった拳は難なく両腕を砕き顔面に到達する。そのまま頭蓋を突き破り地面に到達した拳は地面を凹ませることでようやく止まる。頭を破壊されたスケルトンの体は光の粒子の変わっていき体に入ってくる。今までにない爽快感とともに肉体と体の中にある何かが活性化されてゆく。心地よい感覚に身を任せながらポケットからたばこを取り出す。いつもの慣れた手つきでくわえライターを取り出し火をつける。吸い込んだ煙が闘志を落ち着かせ冷静にさせる。


「威力強くね?」


 改めて自分の拳の破壊力を物語った地面をみてつぶやく。本気でものを殴る経験は小学校以来ないものの今まで本気で殴っても地面がしかも岩肌の地面がこんな状態になることはなかったと断言できる。特異技能の効果か、それとも倒した時に吸収した光、ゲーム的には経験値と思われるものの効果なのか。さっきは確認しなかったが本には階位というものが存在していたことを思い出す。階位はレベルなのではと考え確認する。


 名前:奈偽 心月

 種族:人

 階位:10(種族進化が可能です)

 職業:(種族進化を行っていないため選択できません)

 特異技能:「突き」「戦士の心得」「蛮勇」New‼「纏」

 加護:


 種族進化?とりあえず新しい特異技能だろ。


 特異技能:「纏」

 効果:魔力を纏った際のダメージの増加、軽減。

 魔力運用の初歩。様々な技能への発展があり、発展の仕方は使い方次第で無限大に存在する。


 はへぇ。すげーや。これのおかげで拳が痛くならないのか。いっぱい使えばそれだけ使いやすくなっていくのか。無意識に使ってるっぽいし、ちゃんと使えるようになりたいな。種族進化ができるのか、てかレベルだって勝手に思ってたけど階位ってなんだよ。レベルだとしたらめちゃくちゃ倒してるのに低くない?MMOでも20レベくらいにはなってるぞ。階位の説明あんのかな?


 『階位』:魂の階位の略称。一つ上がるごとに種族進化の選択肢が増える。上がり方は千差万別また上がった者と同じ行動をしたからと言って同じように上がるとは限らない。


 『種族進化』:それまでの行動や思い、なりたいものによって進化先が変わる。選択肢が出る場合もある。また進化先によって特定の種族への嫌悪感や親近感を抱く場合がある。種族ごとに種族特有の特異技能が存在する。


 特異技能の説明を見た時のように文字に触れる。すると同じように文字が浮かび上がってきた。え?なにこれ。いままで縛りプレイしてたってこと?まあいいやとりあえず選択肢見てから決めようかな。


 『進化先一覧』

 鬼人種:餓鬼、小鬼、大鬼、牛鬼、馬鬼、吸血鬼、……

 獣人種:犬人、猫人、鼠人、鳥人、狼人、……

 魚人種:烏賊人、蛸人、貝人、鮫人、海月人、……

 植人種:木人、花人、仙人掌人、蔦人……

 虫人種:百足人、蛾人、蝶人、甲虫人……

 超人種:仙人、天人、尸解人……

 死人種:屍人、喰人、尸解人、骸骨人……

 幻人種:竜人、龍人、…… 

 ………………………


 うん、多くない?考えるの面倒なほどある。何人種はたぶんだが人の形のままの進化で、下のほうにある半人何種は、半分人で何人種よりもデメリットが少ないのではないか。半人吸血種というのはダンピールのことでデメリットが少ないのではないかと考えたのが理由だ。吸血鬼は太陽光は苦手だが、ダンピールは日光の元を歩けるとかそれに付随した性能面での低下があったりしてな。まあ考えても仕方ないし何にしようか悩むな。吸血鬼になって血を操ったり、龍人になってビームはいたり、仙人になって超能力使ったりでもいいな。どうしようかなー。よし決めた。吸血種にしよう。地上はずっと夜だったし問題ないだろ。


 『吸血鬼の因子の枠は1です。枠が9余っています。ほかの因子を選択することも可能です。』


 まてまて、因子?階位は取り込める因子の量か。そしたらデメリットも消せる?てか進化したら階位はどうなる因子で進化するならリセットか?くそ!なんもわからん。選択肢が増えるってそうゆうことかよ。取り込む因子の種類が増えれば種族の選択肢は増えるか。取り外しはできるのか?出きるっぽいな。取り込む因子の量が少なければ種族はどうなるんだ。一つしか取り込まなければ吸血鬼だったら屍鬼とかになるんじゃないか。だとすると多ければ高位の種族になるってことか?低い階位で進化して人ではなくなったものは地上に出たら進化してない人間に攻撃されると考えダンジョンに籠りさらなる進化を目指すってことか。完全に妄想の範疇を出ないがすごいシステムだなぁ。どーしよーかなー。一個につぎ込んでもいいし、いろんな因子を取り込んでみるのも面白いかもしれない。てか表示方法悪くない?因子で考えたほうが選びやすい気がするけど。ん?


『因子一覧』

 吸血鬼、大鬼、小鬼、翼、腕、足、獣(馬)、獣(狼)、虫(百足)、虫(甲虫)、ドラゴン、妖精、精霊、樹木、竜、火、水、空、時間、月、太陽、雷、風、細胞、再生、………


 変わった。変わった!?変わんのこれ。じゃあ新しい特異技能得たら本が勝手でて、説明とか表示してくれたり、教えてくれたら便利なのになー。よしこれで変わるだろ。とりあえず因子か種族の時にはなかった概念的なものもある。吸血鬼の因子の中に含まれているであろうものもあるし。空想上の生物の因子はお得パックみたいなものなのかな。いろいろ詰め合わせだけど効力が単体に比べると弱いみたいな?悩む要素増えたな。うーむ。枠の大きさも違いがあるみたい。慎重に選ばないとだな。


 『因子(枠)』:「吸収(1)」「昇華(2)」「混沌(4)」「枢要偉神経(2)」「體操(1)」


 最初に吸収と昇華選んだらそのあとに入れた因子が勝手に変わった。混沌とか何個合わさってるのかわからないくらい混ざってると思う。確実に10個以上選択したし。これなんの種族になるんだろ。


 『これらの因子で種族進化を開始しますか。』


 もちろん、「はい」だ。


 『選択された因子をもとに種族進化を開始します。』

 『現在、確認されている種族に選択された因子を合わせ持つ種族は存在しません。』

 『想定されていた種族にも合致する種族が見つかりません。』

 『新たな種族が生成されます。』

 『進化前の種族が人であるためベースが人で生成されます。また肉体が大幅に変容するため精神に異常をきたすことが想定されます。』

 『因子内に神経系の因子を確認されました。また……』 


 本に文字列が表示されていく。大量の文字でほんのページが埋まっていく。内容を理解しようと読んでいる最中に突如、体の細胞がすべて変わり骨格が変形していくような感覚を激痛を伴いながら意識を失った。


小説って読むのはすぐなのに書くとすごい時間かかるんですね。

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