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幸せな夢を壊しましょう  作者: 説那


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第十九話 転移陣

 主の命を受け、アメリアはハンニカイネンの地に降り立った。

 机に向かい、何か作業をしているプラチナブロンドの髪の男性が、アメリアの気配を感じたのか振り返る。


「アメリアか。」

「カミュスヤーナ様。お久しゅうございます。」

 アメリアはカミュスヤーナの近くに歩み寄ると、跪いて礼を取る。

「挨拶などいい。テラスティーネの様子を聞かせてほしい。」

「・・テラスティーネ様は、まだお目覚めになっておりません。」

 アメリアの言葉に、カミュスヤーナの表情が強張った。


「テラスティーネ様が、カミュスヤーナ様の夢の中に入るため、お眠りについてから、丸一日が経過しましたが、お目覚めになる様子がないので、カミュスヤーナ様の様子を見てくるよう命を受けました。」

「カミュスヤーナ様が目覚めてから、六刻(12時間)は経っております。」

 机の横に立っていたヴァルッテリが口を挟んだ。


「テラスティーネ様は、カミュスヤーナ様を目覚めさせるのに成功したのですね。では、なぜお目覚めにならないのでしょう?」

 アメリアが頬に手を当て、首を傾げるのを見とめると、カミュスヤーナは椅子から立ち上がって、彼女の方に歩み寄った。

「アメリア。私はユグレイティに戻る。」

「よろしいのですか?」

 アメリアは、カミュスヤーナとヴァルッテリの顔を順に見つめる。


「私が目覚めたため、術が返って魔王ラーファエルは今夢の中だ。イヴォンネがテラスティーネと同様に夢の中に入って、ラーファエルを目覚めさせると言うので、そのための魔道具を作成していたが、テラスティーネが目覚めないとなると、安易にこの方法を勧められない。何より、テラスティーネが心配だ。」

「魔王様は、急ぎ命にかかわる等はないと思われますので、私からイヴォンネ様にはお話ししておきます。地政も宰相がおりますので、取り急ぎ問題はないでしょう。」

 ヴァルッテリが、カミュスヤーナの言葉を補足するように、言葉を挟んだ。


「魔道具を作成したエンダーンにも、話を聞いておきたかったから、ちょうどいい。」

「かしこまりました。では、転移陣を敷きます。」


 アメリアは、ヴァルッテリに大きな布か紙がないかを尋ねる。ヴァルッテリは部屋の奥から替えのシーツを持ってきて差し出した。

 彼女はシーツを床に敷いて、半分に折り畳み、正方形に近い形に変えた後、指先に魔力を込めて、シーツに転移陣を記述した。

「カミュスヤーナ様。転移陣の起動をお願いできますか?」

 カミュスヤーナは、アメリアに頷いて応えると、転移陣に魔力を送り込む。転移陣が淡く輝きだし、青い扉が現れた。


「では、あちら側に対の転移陣を配置してまいります。そうですね・・。半刻四分(15分)あれば、配置できるでしょう。その後、転移してきていただけますか?」

「わかった。」

「ヴァルッテリは、カミュスヤーナ様が転移した後、この布を閉まっておいて。また、こちらに戻ってくる時に使うことになると思うから。」

「かしこまりました。」

「一旦、失礼いたします。カミュスヤーナ様。」

 アメリアはカミュスヤーナに礼を取り、その場を後にした。


 転移陣を見つめるカミュスヤーナの顔は、困惑に歪んでいる。

「テラスティーネ・・。」

 彼はぽつりと最愛の伴侶の名を口にした。

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