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異世界に転生したらチートと奴隷ヒロインちゃん七万人もらった。一日十人相手しても最後の子二十年待ちなんだが

作者: 柚子麻呂


 某所でいただいたパワーワードによる一発ネタタイトル出オチギャグです。

 状況を成立させるために考えたらコメディでいける気がしました。


 よくある異世界転生パロディです。





 ここはどこだ。


 俺は……いったいどうなったんだ。


「ほっほっほ。ようやく意識が保てるまで回復したようじゃな」


 ん。何か爺さんの声が聞こえる。目は見えない。


「ああ、よいよい。お主の意思は伝わる。リソースがもったいないゆえ、意思疎通ができれば不都合はない。このまま進めるぞ」


 もったいない?


「ワシはお主の記憶でいう所の神に近い存在じゃ。……ちっ。詳しく説明する時間も余裕もないゆえ、お主の理解できる概念を用いて端的に用件を伝えよう」


 うむ。助かる。まどろっこしいのは好きじゃない。


「お主は地球で平和に暮らしておったが、我々の手違いで死なせてしもうた。関係各所への影響を鑑みて、お主の希望を最大限叶える形で異世界へ転生させることが決定した」


 ほほう。地球で生き返ることはできないと。


「うむ。理解が早くて助かる。異世界へ転生するにあたって望みを言うがよい」


 よし。健康な人間体で現地人を圧倒できる武力、魔力、各種スキルだ。


「承知した。容姿もその世界で最も有利な人種の美形にしておこう」


 あ。独りぼっちはさみしいもんな。ヒロインが欲しいな。


「よしよし。まどろっこしいのが嫌なら初期設定でつけてやろう」


 奴隷ヒロインちゃんにあこがれるな。せっかくならハーレムがいい。


「何人でも言うがよい。お主には詫びねばならん」


 三……、四。いや、六人くらいなら扱えるか……?


「何じゃ。思ったよりみみっちいの。願う所を言うてみい、言うてみい」


 この神あおりよる。……じゃあ七――万人。


「んがッ!!? は、鼻出てもうた……。 ちょ、ちょい待てい! 桁がおかしいじゃろ! 奴隷ヒロインじゃぞ? 妙齢の女子じゃぞ!」


 冗談だよ。できないなら引っ込めるよ。


「待て。ワシを見くびるでないぞ。できないなどとは言うとらん。その願い叶えてしんぜよう」


 マジで?


「じゃが……七万人か。多少状況に交渉の余地はあるか?」


 まあ、俺も無茶を言った自覚はある。聞こうじゃないか。


「うむ。当初の予定では裕福な貴族に転生させて赤子から始める予定じゃったが、思春期のお主の所に七万人のちょうどいい婦女子を巡り合わせるのは世界の運命をあまりに歪め過ぎる。会って知り合うだけでも大仕事じゃ」


 うん。七万人の女子ってことはその親や周りの人々も含めたら何十万人規模の国だな。そこで若い女全部奴隷にするってどんな覇王よ。地球のいつの時代のどんな英霊だろうとやってねえよそんなの。


「なのでもう今のお主と、すでに好感度MAXの七万人の女子をくっつけて原っぱに降ろすことにした」


 ……え。いやいや待て待て。原っぱは定番にしても、そんなトコで後ろ盾も生活基盤もない七万一人がどうやってその後生きていくんだよ?


「うむ。全員にアイテムボックスを持たせて一か月分の食料武器諸々を渡す。奴隷ヒロインちゃんはお主に絶対服従じゃから、そこですぐに軍を編成して最寄りの国を落とせ」


 それは世界の運命を歪めてはいないのか?


「幸い、これから行く異世界には、周囲の国々から嫌われておるどうしようもないならず者国家がある。そこの近くに降ろしてやるからその国を盗れ。お主のスキルがあればできなくはない。これなら関係各所へはギリギリ許される範囲じゃ」


 えええ! それマジで言ってんのか!?


「おっと! いかん、時間切れじゃ。話ができるのはここまでじゃの。状況は理解できたな? それでは降ろすぞ。武運を祈る」


 お、おいぃぃ――






 …………はっ。


「「「ご主人様、お目覚めですか!?」」」


「うわあっ!」


 目を開けた瞬間。とてつもない熱気を帯びた群衆の気配。

 辛うじて聞き取れたセリフは大気を震わせて轟音となる。


 なんだここは? 野球のスタジアムか? ……げっ!


 起き上がると至近距離で囲まれている。全方位360℃に無数の人、人、人。

 俺より頭一つ二つ背の低い女達の群衆がいた。


 な、七万人いるのかこれ。


 一人一メートルを持ち場として、その間隔で並べば265メートル×265メートルで70,225平方メートルだ。

 さすがに地平線の果てまで埋め尽くすほどではないか。


「マジかあの爺さん。無茶苦茶しやがる」


 命令を心待ちにする無数の視線が痛い。


「……よし。本当に七万人もいるのか? まずは整列だな」


「「「どうしましょう!」」」


「うるせええ!! いっぺんにしゃべんじゃねえ!」


 全員が無言で頷いたが、その気配も何万人分だ。まだうざい。


 周囲を見回すと俺を取り囲み、近くで顔が見える者が二十人ほどいる。近すぎて熱い。全員若いから体温が高い。


「とりあえず俺の周りにいる、ひい、ふう、みい、七人。お前ら暫定で万騎長だ。近くから千人長になる者を十人選べ」


 身分を与えられた七人が手を取り合って大喜びしてるが、あくまでも暫定だからな。後々能力を考慮して組み直すからな。後でケンカすんなよ。


 思ってた以上の時間が経過して、きゃいきゃいと姦しい連中がようやく七十七人集まった。彼女らを引き連れて人混みをかき分け、群衆を離れる。


 ……ん? しまった。顔ぶれを見ると人間じゃないっぽい奴が過半数だ。異種族が混じってんな。


「すまん。俺は転生者で異世界の種族に疎い。この場に何の種族が何種類いるのかわかる者は挙手。はい、速かったお前。種族と名前を言ってから発言」


「はい! 魔族のエイミーと申します! 私の千里眼によると、この場にいるのは人族、エルフ族、ドワーフ族、小人族、獣人族、魔族です。……種族別の人数まではわかりません」


 六つかよ! 一万人ずつで七つにしといてくれよ。心配だが俺に絶対服従の奴隷ならもう混ぜるしかねえな。


「よし。お前ら最初の命令は仲良くしろだ。衣食住が安定したらすぐ考慮するからしばらく我慢してくれ」


 千人長にそれぞれ百人長を九人選ばせ、それぞれが九十九人をまとめさせる。


 全員が汗だくになっているので適度に休憩とアイテムボックスから水分補給し、長くなったので途中で食事休憩も挟んだ。




 全員が整列し終わる頃には陽が傾き始めていた。


 もはや当初の奴隷ハーレムでムフフなどという欲は霧散し、今日はこの場で止むを得ぬ野宿が決定となった。

 アイテムボックスにテントが入っていたのでこの気候なら凍死はするまい。


「よ、よおし。これで七万人整列だな。次に変更あるまではそのグループで動け。では各自適当に距離を取って散開、テントを張って休め」


「承知しました。今晩のお相手はどうしましょう。我ら七人でよろしいですか?」


「ええ? もう今日は疲れたよ。そんな気にならない。それにいっぺんに七人とか無理だよ。勘弁してくれ」


「いや。それでは困ります。ここにはあなた様所有の、あなた様のためだけの奴隷ヒロインが七万人おります」


 うん、そう頼んでしまったからね。


「一日に十人お情けをいただいたとしても、一年で3,650人。一周するのに十九年と少しかかります」


 …………ほんまや。


「悲しくも寿命の長いエルフ族、我ら魔族は必然的に待たざるを得ません」


「むしろ今この一秒たりとて砂金が流れ落ちるように惜しいのです。一日もお休みすることなく愛していただかねば我らの存在意義にかかわります」


 えええ。明日からまずいきなり国を相手に大戦だぜ? 手持ちの食料が一月分と聞いてるから余裕はないぞ。

 それがうまくいっても、そこから全員の生活基盤をきっちり作り上げるためにはやることいっぱいあんだぜ!?


 やばい。長命種どもはガチ泣きだ。他の奴らの顔も悲壮感でいっぱいである。


 しまったあ。不老不死のスキル追加で頼んでおけばよかったなあ……。




 その後、軍師系チートスキルとパーティメンバーへのバフ系スキルてんこ盛りで

無事に最寄りの国は一か月以内に陥落させました。




※連載版書いてて投稿せずに4話くらいでエタ中。

 いいねがつくようならそのうち何とかして上げます。



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― 新着の感想 ―
大人数ハーレムが大好きなのでとても気に入りました。 もう手遅れかもしれませんが、この話の連載版が見てみたいです。
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