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異世界『ながらタブ』事情 《異世界タブレット端末普及推進奮闘記》  作者: 一等神 司
第一章 行方不明の幼馴染みを探しながらの宮崎県内堪能
9/12

不器用人間と要領良い器用な人間

昨日 結局 幼馴染み(あいつ)のおふくろさんからの連絡は無かった。

凄く不安だ。

いや、本当は、高千穂に居る時から、不安を感じていたんだ。

幼馴染み(あいつ)が俺の待ち合わせの遅刻程度の事で、そんなに怒る筈が無いし、スマホ中毒の幼馴染み(あいつ)が、ずっとスマホの電源を切り続ける訳が無いんだ。

何しろ、沢山のスマホやタブレット端末を持ち歩いている程、何が有ってもスマホやタブレット端末でインターネットが利用出来る環境にしている程のスマホ中毒者だから。

自分で「俺 スマホ中毒だから」と言い切る様な奴が、全部のスマホやタブレット端末の電源を切り続けるって、どう考えても変だろう?




「おはようございます」


「あら、おはよう。朝から来てくれたんだ?」


おばさんが、幼馴染み(あいつ)のおふくろさんが、優しい言葉を掛けてくれる。


「あいつから連絡は・・・・・・まだ無いですか?」


「そうなのよ。どうしたのかしらね?まあ、やっと苦労して入社が決まった会社への出社の日までには、きっと帰ってくるでしょう」


「はぁ・・・・・・ そうですよね?」

おばさんは、凄く不安そうな表情をしながら、そんなに心配していない様な言葉を・・・・・・


「連絡が入ったら、必ず伝えるから安心してね?」


「はい!お願いします!」


幼馴染み(あいつ) 明日 初出社の日なのに、まだ帰らないって変だ。

普通の携帯電話会社への就職に失敗して、それでも格安携帯電話会社の社員募集に最後の望みを繋いで、やっと遅くなって決めた就職先なのに・・・・・・

そんな苦労して採用された所を、初出社の日に自宅にさえ帰らないって、無いよな。

きっと今日中には帰るよな。


俺は、親がやってる店の手伝いをしながら、仕事を覚えて、跡継ぎになる事になっている。

俺が望んだ事じゃない。だから、まだアルバイト感覚で良いって言われてて、仕事に出るのは、明後日で良い事になってる。

地元民なら誰でも知っているどころか、テレビでたまに紹介される程の知名度の店なので、経営も上手く行ってて、小遣いは会社勤めのサラリーマン以上に貰ってる。

俺 本当は幼馴染み(あいつ)と仕事がしたかった。

家業を継ぐにしても、幼馴染み(あいつ)が一緒に働いてくれたら、安心なのにって思ってた。


幼馴染み(あいつ)が志望の携帯電話会社への就職に失敗したと聞いた時、正直 嬉しかった。

他に就職活動をしていない事を知ってたから、俺と一緒に親父の所の仕事を手伝う様に、言おうと思ってた。

俺が失敗しても、いつも不機嫌になりながらも、尻拭いしてくれてきた幼馴染み(あいつ)

親父もそれを知っているから、幼馴染み(あいつ)が一緒に手伝うって言えば、絶対に反対はしなかっただろうと思う。


幼馴染み(あいつ) 凄く天才的なんだよね。

俺って要領が悪い。人より覚えが悪いんだ。

でも、幼馴染み(あいつ)は、俺より後に始めても、いつの間にか要領を覚えて、俺より上手く出来る様になってる。

それでいて、俺は幼馴染み(あいつ)より上手く出来ない事が嫌で、幼馴染み(あいつ)より出来る振りをするのに、幼馴染み(あいつ)傲ら(おごら)ない。自慢しない。

それでいて、解らないからと聞くと優しく教えてくれる。


幼馴染み(あいつ)が居なくても、親の仕事を継いで、上手くやって行けるのかな?


親父がたまに言う。

「お前は良い幼馴染みが居たんだから、その縁を大事にしろよ」

と・・・・・・

跡を継ぐ話の時にも、幼馴染み(あいつ)の話が出る。

きっと、親父は幼馴染み(あいつ)が俺と一緒に働いてくれるって思ってるんだ。

俺独りじゃ頼り無くても、幼馴染み(あいつ)が一緒なら大丈夫だって思ってるんだ。


幼馴染み(あいつ)は、俺と違って、面倒見も良いから・・・・・・


幼馴染み(あいつ)は、俺と違って、他人(ひと)に好かれる人間だから・・・・・・



俺は決めた。


もし、明日中に幼馴染み(あいつ)が帰って来なかったら、俺は宮崎まで、幼馴染み(あいつ)を探しに行く。

絶対に俺が見付けてやる!


そして・・・・・・

頼むんだ。

『俺と一緒に親父の所で働いてくれ』

って、土下座をしてでも頼むんだ。

この小説は、「異世界『ながらスマホ』事情」と言うタイトルの小説の派生の物語です。

宜しけれ「異世界『ながらスマホ』事情」も読んでお楽しみ下さい。

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