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ノイズ
ふと目が覚めた。いつもなら目が覚めてもすぐ眠りに落ちてしまうが、今日はちょっとした胸のざわつきがありなかなか寝付けなかった。気分転換に水でも飲みに行こうとリビングに足を運ぶ。キッチンに足を向けた時、夕飯前に見た夢を思い出した。
「大丈夫。今はリアルだ。あんなことあるわけないだろ…?」
ブツブツ呟きながらささっとコップに水を汲んだ。一気飲みし、流しにコップを置いて去ろうとした。その時、
「…………?」
背後に気配を感じた。振り向いてはいけないと第六感が叫んでいる。気づかない振りをして早く自室へ戻ろう。どうせこれも夢だ。本当は夢じゃないないような感覚もあるが今はどうでもいい。この恐怖から早く逃げたい。そんな思いで、不自然にならぬよういつも通りを装いリビングを出ようとした。
「…×……×…××……×…」
「え………」
ノイズが混じった聞き取れない言葉が聞こえ、前の夢のように再び頭に鈍い音が響いた。あぁ、あそこで聞き返さなければこんなことにならなかったのかな。なんて思いながら俺はまた意識を手放す。