合格発表
入試が終わると、土日を挟んですぐ学年末テストだった。
提出物のワークはやったが、ほぼ実力でテストに臨んだ。
五教科だけだったので、とっても楽だった。
結果、相変わらず理数が悪かったが、他は意外と取れた。
英語に至っては、98点!
びっくりした。
家では、アニメを見て、ゲームをして、絵をかいて、執筆をして、パソコンをいじって・・・と、最高にだらけた日々を送っていた。
名残惜しかったので、塾にも毎日通った。
塾では仲良い(?)友達と絵を描き合ったり、見せ合ったりもした。
そんなこんなしているうちに、三月一日、合格発表の日が来た。
「あー、緊張するー」
そう言ったのは、母だ。
どっちかというと、私より母の方が緊張している。
私は、受かっていると確信している。
刻々と九時に近づいてくる。
番号が書いてある看板が出される。
しかし、まだ九時ちょうどではないので、立て掛けている。
九時ちょうどになった。
看板が見せられる。
―五番、五番、ん?あるか?どこだ?
一生懸命探す。
10,9,8,7,6,5,4・・・
5!
あった!
本当に!?
やった!!
合格した!
すると思ってはいたが、やはり嬉しい。
しかし、私は冷静を装い、「こっち行こう」と、母と入学手続きの方へ向かった。
「よかったねー!あい!受かった!受かったよ!β高校受かったよ!」
母はとても感激して、目には涙が溜まっている。
手続きを済ませ、塾に電話する。
『X塾の塾長です』
「栄啓あいです」
「おおー。栄啓さん。どうだった?」
「・・・合格しました!」
「おおー!よくやった!よくやった!おめでとう!」
電話の向こうでは、歓喜の声が聞こえてきた。
相当嬉しそうだ。
「よかったなー。じゃあ、あとで塾に来てね。待ってるよ」
「・・・はい!」
私の声も自然と明るくなっていた。
帰りの電車は空いていた。
途中の駅で友達と会った。
お互いに、受かっていた。
だから、お互い、笑顔になった。
家に帰り、学校に向かう。
学校では、入試結果の話ばかりが飛び交っていた。
「あい、どうだった?」
わざと悲しそうな感じを出す。
でもすぐに、
「受かったよ」
と答えた。
「栄啓さんどうだった?」
「受かった!」
「よかったあー。でも、栄啓さんなら受かると思ってた」
「ありがとう」
そして、学校から帰り、お昼ご飯を食べた後、また塾へ行く。
「栄啓さん!おめでとう!お疲れ!」
と、笑顔で出迎えてくれた。
そして、私は決心した。
合格体験記・・・書こう!
そうして、これまであった出来事を、小説っぽく書いていった。
塾の先生と話す。
「栄啓さん。合格してよかった。どうだった?」
感動で涙が出そうになった。
「今まで、楽しかったです!本当に・・・本当に・・・ありがとうございました!」
泣きながら、言葉を詰まらせてしゃべる。
「お疲れ様!また、高校に行っても、頑張ってね!」
「・・・・・・はい!!」
涙が宙に少し浮いて床にこぼれる。
その涙は、正真正銘うれし涙だった。
こうして、私の受験が、完全に終了した。
しかし、これからまだ人生は長い。
こんな出来事、人生のほんの一部である。
それでも、大人へ少し近づいたような気がして、とりあえず、高校生活頑張るぞ!と気合を込めたのであった。




