信用させてから裏切る
バーチャルゲームの時代が終わりを告げた。
日本の学習能力の低下、体力の低下が著しくなったため政府がテレビゲーム、携帯ゲーム、VR などの全てのゲームが禁止。
国民は激しくこれを反発し、首相が辞める事態にまで発展した時、政府と天才ゲームプログラマー8人が手を組、新たなゲームが開発された。
その名は「R」。サバイバルゲームのように実際の体を使うが大きく異なる所は「経験値がたまればゲーム内では力がつく」という点だ。
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「フッ....ハンッ!」
馬人を倒すには横腹から狙うのがセオリー。横腹から足へ。足が速く、機動力が持ち味の馬人を仕留めることは容易ではないがこいつはレベルが低い。
「よいしょーー!」
とどめは長剣による喉への一撃。馬人のHP が0になり
散る。
──ハブさんのレベルが上がりました──
頭上に表示が出る。
よし、これで長剣の振りが速くなって素早さも上がったから上のマッチに出ても平気だろう。あとはこのマッチを生き残るだけだ
そう思い、再び死神特有の黒いローブのフードを深く被る。あと一人仕留めれば大鎌の最高峰のものが買えるだろう
迷路のような白く特徴のない壁と床を歩いていく。
すると奥の角に悪魔のしっぽが見えた。悪魔は扱いが難しいので使っている人は珍しい。
﹙ちょうどいい所にカモがいた﹚
アイツを殺って金にしよう、そう思った刹那だった
ピシュン 音が聞こえたと同時に首が熱い
スローモーションで仰向けに倒れる。白い壁に赤い血が見える
これ俺の血か.....
視界に悪魔のしっぽが見える。顔は...ちくしょう歪んできた
真っ暗な中言葉が映る
──あなたはミレにやられてしまいました──
そうか俺は散ったか.....
ハブはフィールドから強制退出させられていた